飯盒でご飯炊く上で、ガソリンストーブがことの外、良い感じの火力を提供してくれる事、しかもコールマンのストーブはMSRに比べて静粛で、飯炊きにはもってこいである事などから、コールマンのガソリンストーブに対する評価が一変しました。
   かつ、自分が初めて買ったガソリンストーブである、アンレデッド・ピーク1(442-700J)の様に、1レバーになった400番台のピーク1ストーブを、2レバー時代のジェネレーターに交換して、弱火を作れる様にする作例を見かけた事で、かつて、ロクに使いこなせず手放した442ストーブを、改めて使ってみたくなりました。


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火力:最高時(約)2125kcal/h
燃料タンク容量:(約)330cc
燃焼時間:(約)2.2時間
サイズ:(約)直径13×15.5(h)cm
重量:(約)680g
交換用ジェネレーター(別売):533-5891
使用燃料(別売):ホワイトガソリン
*基本燃料ホワイトガソリンに加え、非常時に自動車用無鉛ガソリン使用可能




■かつての印象とノーマル状態の所見

 コールマン442は、自分が初めて買ったポータブルストーブでした。まだ野宿ライダーへの夢をキラキラ持っていた頃で、バイクでキャンプするなら、自動車用ガソリンが使えなきゃダメって事で、灰色タンクのアンレデッド・ピーク1を買ったのでした。ちなみに、550Bも売ってた様に記憶するのですが、見た目が不細工なので却下でした。442はタンクの形がGIストーブのM1950に似てたのも決め手でした。
   しかし、色々思い入れがあったにも関わらず、非常に使いにくい印象をもって手放す事になります。というのも、中火と強火がほぼ同じで中火より弱くは出来ず、「ご飯は弱火で炊く」が出来なかったからです。そもそも、400から始まるこのシリーズは、もともとは2レバーだったそうですが、自分がアンレデッド・ピーク1を買った時には、1レバーでした。
 今回、改めて買い直したフェザーストーブは、このアンレデッド・ピーク1の後継機種となる訳ですが、色が違い、バーナーボールの形が若干異なる他は、まるっきり変わっていませんでした。ジェネレーターが1レバーなのも同じです。そして、中火以上が強火と同じで、中火以下は失火するのも同じでした。
   ご飯の炊き方が「強火から弱火」式に変わったとはいえ、弱火が出来ない事には困ります。その様な訳で、自分も2レバー化に挑戦しました。

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ノーマル状態で火力調整
左が中火から強火、真ん中が中火の一番弱い状態
右が以下で、直ぐに消えてしまいます

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後発の550Bの方が、様々な面で優秀なのですが
見た目は442の方がカッコいいですねぇ


■2レバーに改造

 2レバー化するに当たって、事前に様々な先例を読んで勉強したのですが、400/440/442/508系の2レバーのジェネレーターは、現行では508-5891しかありませんが、数年前まで400-5891というのもあった由。そして400-5891の方がとろ火まで作れる微細な火力調整が出来た様です。その型番から、400-5891はピークワン400Aの、508-5891はスポーツスター508のジェネレーターだと推測できる訳ですが、どっちも似た形してる事から、400番の方を止めたんだと思います。
   何にせよ、508-5891は現行でも生産していますので、さっそく取り寄せました。取り寄せている間に、バーナーボールにジェネレーターが入るスリットを開けました。自分ではよう開けられないので、バイク屋さんにお願いして、サンダーで削ってもらいました。同時にジェネレーターをストーブ本体に固定するブラケットもヤフオクで調達しました。このブラケットは、アルミ板などで自作する人が多いのですが、自分はカチとした作りにしたかったので、敢えて2,000円払って取り寄せました。
   さて、届いた2レバーのジェネレーターと、フェザーストーブのジェネレーターを見比べてみました。長さ、角度など、若干の違いがある様です。一番の大きな違いは、フェザーストーブの方はクリーニングニードルが挿入されているのに対して、2レバーの方はコイル状の何かが入っていた事です。このコイル状の何かのせいで、バルブの基部(クリーニングニードルの爪を引っ掛ける部分)がジェネレーターに入らず、かなり悩みました。結果としては、基部でコイル状のものを押し込んでしまいました。ジェネレーターは思いのほか、手曲げで曲げれたので、良い感じに取り付けれる様に、現物合わせてでストーブに取り付けました。

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分解はレンチとプラスドライバーだけで出来ます
部品点数は多めです

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ノーマルのジェネレーターには、クリーニングニードルの爪が
バルブ基部に引っ掛けてあります

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バーナーボールは予めスリットを削っておきます

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上がノーマルのジェネレーター、533-5891
下が2レバーの508-5891
長さや角度が違います
また、508の方にはクリーニングニードルが入っていません

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その代わり、508の方には、コイル状の物が入っています
バルブ基部で注意深く押し込みました

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結構ぐにぐにとジェネレーターを曲げ伸ばしして
現物合わせで取り付けました
ブラケットはステンレス製らしく、かなりかっちりした出来栄えです



■火力調整の具合

 さっそく使ってみる事にしました。燃料はレギュラーガソリンを使いました。結論から先に言うと、いささかの異常もなく、普通に使えました。550Bの様に、ジェネレーターから油漏れを起こす事もありません。火力調整ハンドルを全開位置にして、コントロールバルブを開けて点火し、暫くしてからポンピングを追加して、火を安定させます。その後、火力調整レバーを動かして、強火、中火、弱火と自在に変える事が出来ました。
   一度消火して、一旦ストーブを冷やしてから、再度点火しようとした時、炎がロウソク程度しか出なくて慌てましたが、火力調整レバーを動かしたら、勢い良く炎が出る様になりました。どうやら、ジェネレーターが少し詰まっていた様です。それ以降、少し様子が変な時は、火力調整レバーを動かす様にしています。


2レバー化した事で火力自在になりました
とろ火が出来ない、という人もいますが
中火より弱く出来ないよりは、遥かにマシです



   ベランダ炊飯にも投入してみました。火力はやはり強いようで、全開で強火で沸騰するまでに約2分45秒ほど、そこで弱火に切り替えるのですが、その弱火も結構強めらしくて、暫くは蓋が持ち上がり重湯が少し垂れます。そのまま弱火に掛け続け、大体4分半から5分ほどで重湯がなくなります。これらは温暖で微風な時の結果ですので、厳冬期などでは、むしろこの強い火力が役に立つと思います。


流石は新品というべきか
火力は結構強いです

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火力調整レバーは軽いのですが、コントロールバルブが固いので
閉め忘れに注意です


■レギュラーガソリンは使えるのか?

 かつてのアンレデッド・ピーク1は、デュアル・フェールと称して、ホワイトガソリンとレギュラーガソリンが使えるタイプでした。コールマンのストーブは基本的にホワイトガソリン専用で、レギュラーガソリンを使うとジェネレーターが詰まる、と言われています。それ故に、自動車ガソリンが使えるアンレデッドは貴重でした。(といっても、自分は投じはビビリでレギュラーガソリンで使った事がありませんでした)
   フェザーストーブでは、緊急時は自動車ガソリンが使える、という事になっています。アンレデッド・ピーク1に比べたら、かなり後退した表現です。しかし、ジェネレーターの型番が同じであれば、フェザーストーブもアンレデッド・ピーク1と同じ様に使える筈です。そこで型番を調べてみたところ、533-5891と422-5891が該当する様です。つまり、フェザーストーブも緊急時でなくてもレギュラーガソリン使って差し支えない様です。
   問題なのは、2レバーのジェネレーターである508-5891はホワイトガソリン指定だという事です。まぁ、素直にホワイトガソリン使ってれば問題にならないのですが、わざわざ高いホワイトガソリンを買う気にはなれませんし、550Bでレギュラーガソリン使いまくってる事もあって、出来ればフェザーストーブでもレギュラーガソリンを使いたい。そこれで色々調べたところ、レギュラーガソリンを使っても大丈夫な理由を解説してるブログを発見。ここによると、長時間タンクにガソリンを入れっぱなしにしてるのが問題だそうです。
   とはいえ、使っているウチにジェネレーターが詰まり気味になるのは仕方ない事なので、その時はキャブレタークリーナーで清掃したり、ジェネレーターを交換するなどして対応しようと思います。

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炎が青いのは、完全燃焼してる証拠です
詰まり気味の時は、炎が赤くなったりします