営業終了間際のデコボコランドで、またしてもクラッチを焼いてしまい、それでも最終日にデコボコランドでXR230で走りたい、と無理なお願いをしました。7日にパーツを頼んで9日に修理と、世間ではまだ大型連休の余波の中にあるのに、かなり無茶な事なのですが、有り難い事に修繕して貰う事が出来ました。
■クラッチ修繕
先日のクラッチ加工で、クラッチハウジングに延べ8ヶ所16個の穴を開けて、クラッチの潤滑性を高めようとしたのですが、結果としては、ものの数時間でクラッチが焼けて滑ってしまいました。これにはかなり凹んだのですが、自分なりの考えとしては、パワーやピックアップがさらに向上して、以前よりもパワフルに走れる様になった事、それ故、スタックした時もパワーに信頼をおいて使い過ぎた、という感じではないかと思います。何だかんだ行ってもトレール車ですから、その辺は丁寧な取り扱い(無理な時は1速落とすとか、坂の下まで下ろすとか)が必要なんだと思います。さて、クラッチを開けてみたのですが、案の定、クラッチ板は真っ黒け。ハウジングも茶色く焼けて、次回くらいには交換せんといかんかなー、みたいな感じになってました。ただし、前回と違うのは、クラッチ板に多少なりとも油が残っていた事。以前なんかは、完全にくっついてマイナスドライバーでこじって剥がしたり、カラカラに乾いていたりしたのですが、今回はうっすら油が付いてました。つまり、ハウジングの穴開け加工は無駄ではなかった様です。
*クラッチハウジング全周穴あけ(2017.12.11公開)
しかし、それでも焼けた事には違いない訳で、まだまだ潤滑が不足してそうです。そこで、どっちみちこのハウジングは次回くらいで交換ですし、ダメ元で全周に穴開けを施してみる事にしました。全周に穴開けをするとなると、強度の方が心配ではあるのですが、その点はトレール車、結構頑丈そうだったので、思い切って全部穴開け。まるで台所の排水溝に入れるゴミ受けみたいになりました。
理屈の上では、この手の穴は多ければ多いほど、オイルの通る場所が多い訳ですから、潤滑性が高まる訳です。ただし、穴ぼこだらけにしたらハウジングの強度は落ちる訳で、最悪、バラバラになってしまいます。その辺りの兼ね合いがかなり悩みどころだったのですが、ここまで来たら徹底的にやる、中途半端はいかん、という事でやってみましたw
*スプリングを変更(2017.12.11公開)
クラッチ板を押さえる4本のスプリングは、これまでXR230のものを使っていましたが、今回、CRF230Fの物に換える事にしました。何が違うのかというと、それは長さでした。CRF230Fのスプリングは、XR230の物より2ミリ長い物でした。スプリングの線径などは同じ様でしたので、となると長い方がスプリングの力が強い訳で、より強力にクラッチ板を押さえられるとの理屈でした。
長い分、取り付けが難しくなるのかと思ったのですが、そんな事はなく普通に取り付ける事が出来ました。そして、ちょっと驚いたのですが、2ミリ長いスプリングを入れた時の方が、純正の時よりもレバーが軽くなった様に感じました。
■オイル変更&増量
もう一つ、今回提案されたのが、オイルを粘度の高い物に交換する事でした。去年からオイルは、シルコリン4Sの10W-40を使っているのですが、それを15W-50にしましょう、という事でした。その理由は、エンジンの熱に対して粘度の低いオイルでは、柔らか過ぎて潤滑性が低くなるためです。季節柄、そろそろ暑くなる季節でもあるし、夏場は15W-50を試してみましょう、という事でした。さらに、オイル量も増やす事にしました。一応、マニュアルには1リットルという風に書いてあるのですが、現在は1.1リットル入れています。しかし、それでもオイルゲージの先の方にしかオイルが付きません。これだとオイルはエンジンの底の方に溜まっているだけで、クラッチは全然浸かってない事になります。オイルポンプがある訳でもなく、これでは明らかに潤滑不足を起こしそうです。
そこで思い切って1.5リットル入れる事にしました。あまりオイルの量が多すぎると、シフトが入りにくくなるという事もあるそうですが、その辺りも実際に走ってみて、もしそうなら現地で抜くって事にしました。
■フロントフォーク加工
一通りの作業が終わったあと、フロントアスクルシャフトからメーターギアキャンセラーが抜きにくい話しをして、シャフトを診て貰う事になりました。もしかしたら、ジャンプのし過ぎで曲がったかも?と思った訳です。結論としては、アスクルシャフトを締め過ぎていてキャンセラーが若干潰れて、シャフトが抜きにくくなっていたみたいです。キャンセラーのシャフトの穴を削ったら直りました。一応、規定トルクで締めてたのですが、規定トルク自体がアホみたいに強いとの事でした。そんな話しをしてたところ、バイク屋さんが浮かしたフロントフォークが上下にガタっているのを見つけました。普通、フロントが浮いたらフォークは伸び切る筈なのですが、ボトムを持って揺すったら上下する。以前、モトロマンにオーバーホールに出した時に、スプリングが短い事を指摘された事や、カラーを入れてプリロードをゼロにしてる人もいる話しをしたところ、見てみましょうって事になりました。
キャップを開けて中身を見てみると、案の定、スプリングが短くて20mmほど下に下がっている事が判りました。そこで急遽、カラーを作っていれる事に。インナーチューブの内径に合うアルミ棒を削り出し、穴開けして、カラーを作ってもらいました。
さて、カラーを組んで貰ったのですが、車高がグッと上がった感じです。今までは、地面にバイクが降りた時、20mm沈んだ状態だったのが、カラーをいれて遊びを無くしたので、その分、上に持ち上がった訳です。車高アップで延長キャップを作った時、短いスプリングの対策をしてから作れば良かったのかもしれません。実際の違いは走ってみない事には判りませんが、フロントフォークの突き出しで対策できるレベルだと思います。
テープ貼ってある位置が、ボトムを持って動かせる範囲
つまり、スプリングが短くて遊んでる訳です
キャップを外してみたら、奥の方にスプリングが見えました
どうして短いスプリングを入れているのか?
恐らく、車高のローダウンを図ったのだろう、との事でした
お手製のカラー
アルミ丸棒からの削り出しです
カラーを入れてキャップを締めるだけです
跨がってみると、遊びが無く、直ぐにバネが仕事する感じになってました
コメント
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静岡県三島ののらきむと申します。
当方、SL230をレストアし舗装酷道林道遊びをしようとしておりましたが、早々にクラッチ滑りの症状に悩まされ途方に暮れておりました。
今回本ログにある対策を参考にさせていただき、症状が解消した為感謝の意を伝えたくコメントさせていただきました。
貴重な情報を公開していただきありがとうございます!
追伸:
今回、バスケットの穴開け、プレートA→B、オイル増量の対策を施工。
穴数を増やし互い違いに2個3個と開け、各プレートへのオイル供給の均一化にもチャレンジしてみました。
昨日西伊豆の山中で200キロを高負荷走行しましたが今のところ問題は出ておりません。
お役に立てて幸いです。
SL230&XR230は非常にポテンシャルの高いバイクなのに、
機械的信頼性が低いのが難点のバイクなんですよね。
セローに対抗した機種なんでしょうが、そもそもセローとは設計思想が違うエンジンで、
無理してるところがありますしねぇ。
でも、隠れた名車である事には違いないですので、
お互い、大事に乗って行きましょう!