先日、XR230“パンツァーファウスト号”のキャブレターを、スリングショット式のXL230の物に換装したのですが、そのテストという事で、デコボコランドで練習する事にしました。木曜日に一日中雨が降って、地面はヌチャツルだと思っていたのですが、こちらの方はあまり降らなかったのか、予想外のベスコンでした。試験走行するにはもってこいというわけです。
■始動でスッタモンダ
エンジンの試運転はお店の方で済ませてあるので、あとはコースを走って試すだけなのですが、いざエンジン掛けようとしたら、ウンともスンとも言わない。もしかして、メインスイッチを入れっぱなしにしてて、バッテリー上げてしまったかー、とスイッチの状態を思い出しけど、キルスイッチ切った状態になっていたし、テスタ持ってる友人が居たので電圧計って貰ったけど、ちゃんと12Vあった。いよいよジャンピングでセル回すしかないかー、という段になって、何かの拍子にエンジンが掛かりました。どうしてこうなったのか、原因がはっきりしませんが、ともかく大丈夫そうです。ところが、今度はチョークを閉じようとしたら、エンジンが止まってしまいます。そんなバカな??と思いつつ、チョークを入れてエンジン掛けて、暖まった頃合いを見計らってチョークレバーを上げると、エンジンが止まってしまう。レバーを下げると、エンジンは掛かるし止まる事もない。もしかしたら、このキャブレターは、レバーを上げた状態がチョーク入った状態なんじゃね?みたいな話しになってきました。ちなみに、XR230はエンジンが暖まった状態だと、ちょっとでもチョークが入るとエンジンが止まる仕様です。
どうしてこんな勘違いをしたか、というと、今朝、一番最初にエンジンを掛けた時、レバーを下げたままエンジンが掛かってしまったからで、いきなり掛かったからにはレバー下げた状態がチョーク入った状態だ、と思い込んでしまったのです。アイドルは少し低めかな、とマイナスドライバー使って調整してみましたが、最初に組んであった状態で一番良い様です。
ところで、XL230のキャブレターのチョークレバーはキャブレターの裏側に付いていて、タンクとエンジンの奥の方にレバーがあるのですが、意外にもバイクに跨がったまま、上体をかがめて左手を突っ込んでレバーにアクセスする事が出来ました。
■試走
エンジンがまともに掛かったので、さっそくコースイン。取りあえず、路面の状態がよく判らないので、ゆっくり本コースを走ります。走ってみて直ぐに感じたのは、アクセルとエンジンが軽い、という事でした。XR230を貰い受けた当初は、どちらも結構重かったのですが、今やまるで別のバイクです。そして、ピックアップが前よりもとても良くなって、ツキの良い乗り味になりました。具体的には、コーナーの立ち上がりなどでアクセル開けると、前はエンジンの回転が上がってくるまでに暫く間があった感じでしたが、今はパーッと上がってくる感じです。なので、前の様にエンジンの回転をクイックに上げようと、半クラ当てる事が少なくなりました。
路面のコンディションが思った以上に良かったので、2速から3速に上げて巡航速度を上げて走ってみましたが、効果はより明確に現れて来て、素早くコーナーから立ち上がったりジャンプの際に、より意欲的に取り組める感じがしてきました。
ともかく、手応えは十分、もう前の負圧式のキャブには戻れない感じです。エンジン自体が変わった訳ではないので、パワーアップした訳ではありませんが、アクセル開度とエンジン回転が同調した感じや、低速からでも力強く回転が上がってくる感じは、とてもレーシーでエンデューロ向きに感じました。
■ウッズの中で
今回のキャブの換装で一番期待していたのは、ウッズの中での走行でした。つまり、ワダチやギャップに引っかかりそうになるとか、クネクネ下って急に曲がって急に上って、みたいなシチュエーションで、以前だとそのつもりをして覚悟してアクセル開ける気持ちがなかったら、大抵は出遅れてストップしてしまう、みたいな事が多かったのです。さて、期待半分不安半分でウッズに入ってみたのですが、予想してた通り、力強くワダチの坂を上って行きます。それこそ、アクセル開けててる限りは上りますよ、みたいな感じです。ギャップに引っかかっても、アクセル開けたら前に進むという感じで、かつ無駄開けしなくても必要と感じた階度の分だけ回転が瞬発的に上がる、という感じで、非常に走破性があがった様に感じました。
今回はガレたトコには行かず、土のトコしか行かなかったのですが、常に自分の思い通りに動いてくれるので、安心感をもって走る事が出来る様になりました。恐らく、この乗り味なら、ちょっとした丸太越えなどの軽いトライアルセクションでも、大いに威力を発揮しそうです。
ワダチの中にギャップがあっても、グイグイ前に行く感じです
途中転けたのは、コーステープが切れてて
コース間違えそうになったからです(言い訳w)
■サグと体重
午後になってから、さらに走り込みを続けたのですが、そこで感じたのは、XR230はサスが弱いという風に常々感じる訳ですが、弱さを感じるのはジャンプの着地の時よりも、ウッズなどのギャップのある地形でシッティングで走っている時でした。ジャンプはその気になれば、前以上に飛ぶ様になったのですが(これは相対的に出力が上がった感じ)、着地の姿勢さえ間違わなければ、サスが底突く様な感じがありませんでした(そんな大きなジャンプは飛べませんし)。サスの弱さを感じるのは、例えばコーナーの立ち上がりで掘れたアクセルギャップがあったりする場面で、シッティングからいきなりスタンディングに移行できない様な時、どうしてもギャップの中を抜けなければなりませんが、そういう時に前後サスともドッタンバッタンとしてしまいます。そして時と場合によっては、サスが底突く訳です。
サスが底突くと、衝撃が肩だの腰だのに来るので、これが度重なれば、いい加減身体が疲れてしまいます。もちろん、ドッタンバッタンしてたのでは、スムーズに前に走らん訳です。サスのスプリングを変えるなどの対策も考えていますが、XR230の強化スプリングなど見た事もありませんし、特にリアサスはプロリンクの為に短く、他のリアショックの取り付けも難しい状態です。
しかし、それ以上に問題なのは、去年の5月ころに比べると体重が大分増えてしまった事。試みに、こないだサグを調べてもらったら、去年5月に調整した時に70mmだったのが80mmになっていました。そこで2周ほどリアサスのプリロードを締めてもらったのですが、それでも70mmにしかならず、さらに2周締めてもらって65mmに合わせました。目方が重ければ、それだけショックも大きい訳です。機械的な調整や強化部品への交換が難しい現状では、体重落とすのが一番の対策であるのは間違いなさそうです。
■その他
とにもかくにも、前の負圧式のキャブの時よりは遥かに乗り易くなった訳で、ご機嫌で練習していた訳ですが、気になったり感じる事も他に色々ありました。まず、アクセルホルダーの位置。XL230はモトクロッサーの様に、アクセルホルダーをワイヤーがハンドルの上に来る様に固定する様ですが、真上だとキルスイッチに干渉するため、手前に倒す格好で固定しています。しかし、この位置だと、アクセルを前閉にしたつもりで手首を返しても、まだ少しアクセルが開いている状態の時があります。コーナーへの進入の時に、自分が意図してないのにアクセルが開いたりして、驚く事がありました。いずれ、セルスイッチやキルスイッチを改良して、正しい位置にホルダーを固定できる様にしたいと思います。(※後日、バイク屋さんに聞いたところ、アクセルホルダーの位置は関係ないとの事。むしろ戻りが悪く感じるのは、エンジンの回転の落ち方が遅いためで、キャブのスロージェットを変えた方が良いかも?との事でした)
タイヤは長い間、ミシュランのAC10を愛用してたのですが、それが特別性能が良いから付けてたのではなくて、他に良いタイヤがあるってのをあまり知らなくて、なんとなく付けてるという感じでした。そして今回、初めてVee Rubberのタイヤを使ってみました。フロントがVRM-211R、リアがVRM-300です。体感的な感想をいうと、湿った土やニュルっとしたとこでも、噂どおりかなり粘っこくグリップする感じです。ウッズであまり嫌な思いをしなかったのは、このタイヤのお陰かもしれません。
今回の練習では、合計79分走りました。まぁー、走ってるより喋ってる方が多かったかもしれませんが、CRFよりは楽に乗ってた様です。むしろ疲れる原因は、サグが70mmから80mmになるほど太った事にあると思われます。バイクはどんどん良くなって行くのですから、ちょっと本腰いれて身体の方を挽回していかないと、、、
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