今回も「軍隊調理法」なのであるが、ちょっと気になったのがきゃら蕗。今まで飯盒に限らず色んなものを作って来たが、蕗を使った料理はやった事がない。ないが蕗の時雨煮とかは好きなので作ってみたくなったのだ。ちなみに、これも演習の時に持って行く携行食との事である。
まず湯で蕗をさっと茹でろという事であるが、アルストの場合、湯が沸騰するまでに暫く時間が掛かる。蓋を開けてたのでは熱効率が悪く余計時間が掛かってしまうので(そして余計アルコールを消費する)、蓋を閉めて湯が沸くまで待つ。
湯が沸いたら蕗を投入する。蕗は半分に切っておいたのだが、飯盒で茹でる場合、1/3か1/4くらいに切った方が飯盒に納まり易い。ただし、後述する様に皮を剥く手間があるので、あまり短くするのも考えものである。
ちなみに、蕗は灰汁が強い野菜らしいのだが、さっと茹でる程度では灰汁抜きしきれないとの事。でも、一応レシピ通りに多少柔らかくなる程度にさっと茹でる。
茹でたら水にさらして皮を剥く。ちょっと飯盒だけではやりにくい工程である。何が面倒くさいといっても、蕗の皮を剥くのが面倒くさかった。剥く事自体は簡 単にぺろーんとめくれるのだが、数が多いし剥き残しが判らない。昔の軍隊は結構手間のかかる事をしてたんだな、と思った。
ちなみに、野外でやるのなら蕗の水煮を使った方が良さそうである。
飯盒で醤油、砂糖、水飴を煮立て、3センチくらいに切った蕗を投入する。レシピでは味が付いたら一旦引き上げる事になっているが、ものが蕗だけになかなか味がつかない。それなりに色がつくまで煮る。
それなりに味が付いたら、一旦蕗を引き上げて残った煮汁を煮詰める。ドロドロの飴状にせよとの事だが、あまりやり過ぎると飯盒を焦がしてしまいそうなので、その辺はいい感じにやる。
ビビってあまり煮汁を煮詰められなかったので、蕗を再投入していい感じに煮詰めた。思いの外いい感じに仕上がった。実はきゃら蕗を作るのは初めてどころか、蕗自体を使うのも初めてで、きゃら蕗というのを食べるのも初めてなのだが、確かに蕗っぽい味わいであった。
一応、レシピ通りの分量で作ったのだが、仕上がりは掛子に半分くらいになった。これで一人分である。これだけで2合のご飯を食べるのであるが、まぁ昔の人
はたくあん3切れでご飯何杯も食べたらしいので、このくらいでも良かったのかも? 現代的には、オカズがこれだけってのはどうかという感じだが。
時に、携行食のレシピでは、冷まして味を染ませる工程が書かれてないのだが、おそらく察するに、演習の前の日から仕込んでおいて、演習日に飯盒に詰めて配布したんじゃないか、と思う。つまり、味が染みた状態で食べれたんだろうなと思う。
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