前回の練習で、XR230“パンツァーファウスト号”の改修したクラッチ、イリジウムプラグ、足長加工のいずれもが成功であったのですが、フロントスプロケ10丁という超重低速仕様をどうにかせねばならない、という問題が最後に残りました。これは前から指摘されていた事で、既にサンスターの12丁を注文したのですが、これが欠品で7月半ばにならないと入荷しないとの事。まぁ、別になにか拘りがあってサンスターにしてた訳でもないので(初めて使った社外スプロケがサンスターのステンズだった、というだけ)、ザムに切り替えて急遽12丁を取り寄せてもらいました。
■F10→F12
いつもの様に朝0800時過ぎにパドックイン。貸し切り状態のパドックで、一人汗をかきかきフロントタイヤをトラタイヤからAC10に履かせ替え。リアは自宅でやってきたのですが、前はやる前に雨が降りそうだったので、そのままだった訳です。もっとも、慣れたもんで、パッパと換えれるのですが、とにかく暑いので、一動作する度に休憩する感じでした。続いてフロントスプロケを10丁から12丁に交換。10丁のスプロケはスナップリングで付いてましたが、12丁は純正の13丁と同様、ボルト2個で固定します。まぁ、こちらもチェーン外しては休み、スプロケ外しては休みと、いう具合に、チンタラダラダラしながら作業してました。とにかく暑いのです。
作業が済んだ頃に、他のライダーさんも三々五々やってきました。中には「TEAMつぼ焼き」のロゴがカッコいいとか言ってくれる人もいて、時代は変わったなーと感慨深く思ったり、同じXR230乗りのお友達に足長キットを自慢したりと、ダラダラやってる内に1100時前。やっとこ着替えてコースインしました。
コースの中は、週の間に降った雨のお陰で、先週の日曜日以上にグッチャグチャ。もっとも、3月のWEXを経験した後となっては、そんなグチャグチャも良いマディの練習にしか感じません。しかし、走り出して直ぐに感じたのは、「早っ!」という事。そりゃそうなんです、フロントが10丁から12丁に変わるという事は、ギア比で4.00から3.33に変更。ざっと速度で言えば、2速4000回転くらいで、10丁なら21.9km/hなのが12丁なら26.2km/hくらいです。早く感じるのは当然です。
前ならは、試走でも3速使っていたのですが、今回は2速で十分。お得意の「2速オートマ走法」というやつです。それでもアクセル開けたら、ちょっと早いなーと感じるくらいです。
■低速は足りてるか?
コースの中は、予想通り、日が当たってない所はグチャグチャ、水たまりが出来てたり、ツルツルだったりします。ウッズの方は単なる苦行にしかならないと思いましたので、もっとドライな時にチャレンジする事として、とにかく生まれ変わったXR230“パンツァーファウスト号”に身体を慣らす方を優先しました。グチャグチャな所は、ライン決めてスバッと突っ切って行く様にすれば、それほど問題ではありません。車高が上がった分、それもかなり楽になった感じでした。問題はなのは、どうやっても滑りそうなツルツルの所。ここでは頑張れないので、2速に落としてドッカリ座って、安全に通過する様にしましたが、問題はツルツルの登り。F10の時はかなり地面を掻いてる感がありました。ところがF12に替えたところ、無駄に掻く感じがなく、ツツーっと登って行く感じになりました。要するに、F10では無駄にトルクがあり過ぎた、という所でしょうか。
しかし、そうは言いつつも、もう気持ち低速があったら良いのにな、という感じは否めませんでした。今回は逆にアプローチする時に、ゼロ発進にならない様に気をつけたのですが、やっぱりエンデューロではゼロ発進せねばならん時もあります。もう少しだけ、という事であれば、リアを42丁か44丁くらいにすれば良さそうです。46丁ではギア比が3.83とF10R40の時と大して変わらず、「ちょっとだけ低速」にはならない気がします。
まぁ、リアを換えるにしても、スプロケとチェーンは新調しなければならないのですが、誠に遺憾ながら資金不足なので、しばらくはF10R40で乗る事にしました。
■ジャンプ
昼前くらいには、日の当たってる所は乾き、砂埃が立つ様になってきました。そこで、やれる所は3速で回して走る様にしてみました。当然の事ながらF10の時よりは早い訳で、最初はちょっと怖かったです。まぁ、無理の無い様に、トロく感じたら1速上げて、徐々にピッチを上げて慣れて行く様にしました。前回の練習で、サスがプアーなので、ジャンプはうっかり飛んだら底付きする、という事で、基本飛ばない方針で練習しました。ところが、全体的に車速が上がっているのか、うっかり飛んでしまう事もしばしばありました。まぁ、テーブルを飛びきるとかダブルを飛び越すという事はなくて、テーブルの上に乗るとか、テーブルの下り斜面を飛び降りる、という具合なのですが、前回の様に底突きする事が少なく、比較的無理ない着地をしてました。
思うに、ファイナルを替えて加速よりのセッティングにした訳ですから、自分みたいなのが乗っても前よりは早くなったんだと思います。となると、飛べるジャンプは飛ぶ様にしないと、却って繋がり悪くスムーズに走れない気がしてきました。
しかし、飛ぶとなれば、やはりバネレートは見直さないといけないと思います。何だかんだでノーマルのままでは、心もとない訳です。とはいえ、XR230用と銘打ったバネは売ってない訳で、これまた試行錯誤をやらねばなりません。資金繰りがつくまでは、大人しく乗る他ありません。
■クラッチの限界
さて、クラッチは、ペーパーベース3枚をコルクベース2枚でサンドイッチするやり方がよほど正解らしく、今回、ギア比を加速寄りに替えた事で、半クラを当てる機会も増えたのですが、クラッチが焼けるだの滑るだのの問題は一切ありませんでした。前回も述べましたが、ジャダースプリングを抜いた事でジャダーが発生する様な事もありません。こりゃ相当に強くなったわ〜!という事で、試しにタイトターンでベストテクの二回線操作をやってみました。超遅乗りという事で1速を使いました。ところが、コーナーの立ち上がりでアクセル少し開けて、半クラを断続的に使うと、ガコッ!ガコッ!と嫌な音がします。エンストしたり、曲がれないという訳ではないので、CRF250Rでやる様にはスムーズに立ち上がれず、ガコガコする感じです。
そうこうしている内に、1速になかなか入りにくくなってしまいまいた。恐らく察するに、低速で半クラを使い過ぎて、クラッチが熱を持って膨張してしまった様です。一瞬、クラッチを焼いたか?とも思ったのですが、特有の焦げた臭いはしませんし、1速に入れば前には動きますので、焼けてはいない様です。
そこで、今日の練習は止めて、エンジンを冷まして様子を見る事にしました。とりあえず、クラッチレバーはパンパンになっていたので調整し、エンジン冷ましがてら洗車して、その後、再始動してみたのですが、スコンと1速に入る様になりました。
トレール車はモトクロッサーと違って、フライホイールが大きく慣性力が大きいのが特徴です。コーナーの進入の時にクラッチ切って、立ち上がりの時にクラッチ繋ぐまで、フライホイールが回っているので、モトクロッサーの様に繋いだ途端にエンスト、みたいな事もありません。むしろモトクロッサーに比べるとクラッチが弱い(特にXR230は)ので、コーナーの立ち上がりで断続クラッチを使わない方が、むしろスムーズに立ち上がれるし、またクラッチにも負担が掛かりません。
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