自分が18歳で東京に出てきた時、文字通りの貧乏で冷蔵庫はおろか炊飯器もない状態でした。そしてご飯を炊く手段が、実家から持ってきた兵式飯盒でした。飯盒を使ってガスコンロでご飯を炊く訳ですが、炊飯器みたいに米研いでスイッチ入れれば勝手に炊ける訳でなく、ご飯が炊けるまで台所に拘束されるのがとても億劫でした。
しかも、「初めチョロチョロ、中パッパ、赤子が泣いても蓋取るな」をクソ真面目に遵守していたら、吹きこぼれで飯盒もガスコンロもベチョベチョになり、下手すれば飯盒の底に焦げをこびり付かせて難儀する、という事もその頃に学びました。以来、如何に焦がさず、吹きこぼれを少なくし、かつ上手な飯を炊くというのが、自分のライフワークになった訳です。おそらく、20年近くも飯盒を使ってる人って、あまり居ないんじゃないでしょうか。
ちなみに、自分がこのオフに備えて様々準備したのは、ロゴス:ハンドル付き飯盒、陸上自衛隊:戦闘飯盒2型 、兵式飯盒蒸し器、兵式飯盒4リットルオイル缶風防、イタリア軍飯盒、などなどでした。
ところが、今回参加したのは、toyofusaさんにハイジ中尉と自分。もうお一人参加されるはずでしたが急用で不参加。で、toyofusaさんは第1回コケネンオフで作ったセロリとリークのヌードル(ただし、リークでなく下仁田ネギ使用w)、ハイジ中尉が飯盒ケーキと黒豆の代用コーヒー。つまり、オカズとデザートがあるがご飯系がない。しかも、オフの最後に恐怖のフルーチェも待っているので、白玉ぜんざいまで投入したのでは、全身が甘くなってしまう。そこで急遽、自分は飯を炊く事に(こんな事もあろうかと、ちゃんと無洗米を用意していた)。
飯を炊くのは結構だけど、ただ単に炊いたのでは詰まらない。こんな事もあろうかと×2、炊き込みご飯の素も用意したいたのだが、それは3合用である。4人来ると思って3合米も用意したのだが、3人ではちとキツい。結局、米は2合炊いて、牛肉の大和煮缶を混ぜる牛缶飯にする事にしました。
オプティマス123Rを盛大にプレヒート中のtoyofuaさん
寒い季節にガソリンストーブは信頼性大ですが
コケネンでも十分な陽気でしたw
こちらは飯盒の底を抜かしたハイジ中尉
ソロ用のガスバーナーは一点に火が当たるのが多いので
底全体に柔らかく火を当てるのは難しいんですよね
そんな具合で、せっかく作った風防も、こりゃいらんなーという事でそこらにうっちゃらけ。ガスストーブとかでなくても、使いさしのコケネンでも十分そうだわ、という事で、先日ベランダでハンゴーキャッチで湯沸かすのに投入したニチネンのトップ600g缶の使いさしを使って飯を炊きました。目の前では、toyofusaさんがオプティマス123Rに旧ドイツ軍の飯盒を載せて、ネギとセロリ刻んだ奴をぶっこんで煮てます。
ところが、その側でハイジ中尉が掛子にアルミホイル敷いてバターを溶かし、折りたたみのボールにホットケーキミックスらしき粉を入れて、溶かしバターと玉子を入れてかき混ぜてます。そして、飯盒の底に軽く丸めたアルミホイルを敷き詰め、飯盒の中でアルミホイルを器状にして、その中に溶いた粉を入れて、ご丁寧にスライスしたアーモンドも載せてました。ハイジ中尉曰く、ガスストーブで飯盒を空焚きすると良くないですよねぇ〜、という事でしたので、その頃自分は飯が炊きあがり蒸らしの状態にでコケネンが空いてましたので、それをお貸ししました。
そして、先に出来た牛飯と下仁田ネギヌードルを食べてる間も飯盒ケーキを加熱し続け、コケネンがいよいよダメになってからはガスバーナーに切り替え、ようやく飯盒ケーキが完成。蓋を開けてみると、想像以上にしっかりケーキになってました。もっとも、加熱が終わったあと、膨らんでたはずのケーキが萎んでしまい、ハイジ中尉曰く失敗作との事でしたが、成功作を知らない自分らにしてみれば、十分美味しく出来ていました。出来映えとしては蒸しケーキみたいな感じでした。
続いて、黒豆を飯盒で炒って代用コーヒーを作ろうとしたのですが、見る見るうちに飯盒の底の方の塗装が茶色く変色してきて、これはヤバいという事で作業中止。こんな事もあろうかと、自宅で豆を炒ってきたとの事で、コンクリの土手でハンマーで崩して、コーヒーを淹れてくれました。最初の一口はウッと思いましたが、意外にも黒豆風味はあまりなく、慣れてくると「黙って出されたらコーヒーと思うかもしれない味わい」に感じる様になりました。
その様な訳で、一番飯盒慣れしてるはずの自分が一番楽をしてしまい、飯盒ルーキーなハイジ中尉が一番難易度の高い物を作ったという事で、第1回飯盒アワードはハイジ中尉に決定しました。
こちらがtoyofusaさん謹製の
下仁田ネギとセロリのヌードル
リークに比べると、下仁田ネギはネギ臭が強いみたいです
(まぁ、ネギだから当然ですがw)
こちらがワタクシの牛缶飯。ご飯に混ぜるだけの簡単料理
一応は、野戦炊事の一つですが
どうせなら、炊き込みご飯にしとけば良かったかなー
ハイジ中尉の飯盒ケーキ
本人は失敗作と言ってましたが、なかなかどうして
結構美味しかったですw
こちらもハイジ中尉の黒豆の代用コーヒー
かなり時間をかけてローストしたみたいで
全然黒豆らしさを感じさせませんでしたw
今回のオフでは、焚き火OKの場所ではありませんでしたので(といっても、誰か焚き火した跡がありましたが)、ポータブルストーブを使って調理しましたが、気候もよく風もあまりなくで、風防なしでも調理が出来てしまう好条件でした。そのため、イマイチ簡単に出来てしまってスパルタン度が低かったので、その意味での面白みはあまりなかったのですが、改めて感じたのはそれなりに人数が居るのなら、ソロ用のクッカーよりも飯盒の方がまとめて料理が出来る分、使い勝手が良いかもな、という事でした。最近のお洒落キャンパーの人たちなどは、間違っても飯盒など使ったりしないのでしょうが、やはりキャンプの一番のイメージは飯盒炊爨ですので、第2回飯盒オフに繋げて更なる飯盒復権の活動を推進していきたいと思います。
なぜか斜めってるところで豆を粉砕するハイジ中尉
どうせなら、上の平らな所でやれば良かったのにwww
毎度恒例のフルーチェ(パイン味)
もっと極寒の時にやれば、罰ゲームっぽさが出るんですが
今回はちょうどいい感じでした
(ただし、しばらくフルーチェはいいやw)
しかも、「初めチョロチョロ、中パッパ、赤子が泣いても蓋取るな」をクソ真面目に遵守していたら、吹きこぼれで飯盒もガスコンロもベチョベチョになり、下手すれば飯盒の底に焦げをこびり付かせて難儀する、という事もその頃に学びました。以来、如何に焦がさず、吹きこぼれを少なくし、かつ上手な飯を炊くというのが、自分のライフワークになった訳です。おそらく、20年近くも飯盒を使ってる人って、あまり居ないんじゃないでしょうか。
という具合で、飯盒への愛を方々で語りまくっているのですが、どうにもイマイチ受けがよろしくないので諦めてたところ、toyofusaさんが急に飯盒に目覚めたみたいだったので、んではという事で挙行されたのが、今回の飯盒オフであります。
■いきなり反省
さて、飯盒オフの企画が持ち上がったのは、実は去年の年末だったのですが、オフが開催されるまでに約1ヶ月間、参加者各自が各種飯盒やそれに使う装備、使い方、その他もろもろを競う様に調達・研究・開発・実践しまくった為に、オフ開催までに飯盒熱がちょっと間延びしてしまいました。まぁ出来れば、日頃あまり使い慣れてないものを使ってるぜ感が欲しかったところですが(もっとも、自分の場合、結構使い慣れているのですが)、まぁ、逆に言えば、飯盒って使ってしまえば、普通の鍋釜と変わるところがなく、そんなに物珍しいものでもないんだよ、という事が証明出来たのではないかと思います。ちなみに、自分がこのオフに備えて様々準備したのは、ロゴス:ハンドル付き飯盒、陸上自衛隊:戦闘飯盒2型 、兵式飯盒蒸し器、兵式飯盒4リットルオイル缶風防、イタリア軍飯盒、などなどでした。
■メニュー
飯盒オフといっても、別に飯盒をバケツ代わりにしようとか、飯盒を打ち鳴らして歌でも歌おうとかいう訳でなく、人が食える物を作るというのが趣旨ですのです。米飯や煮物系は日常的に作ってるので、それは他の人に譲って、自分は白玉ぜんざいを作るつもりをしていました。もちろん、予行演習もやったのですが(ぜんざいなど作った事がなかったのでw)、白玉粉に水混ぜて白玉を作るのが意外に面倒だったり、湯で小豆の缶詰を使ったら意外に簡単だったり(豆を水から戻すところから始めたら、結構大変。というか時間が掛かる)、という具合で、当日メッチャ寒かった場合は、白玉作るのに指先凍傷の覚悟が要るなーとか思ってました。ところが、今回参加したのは、toyofusaさんにハイジ中尉と自分。もうお一人参加されるはずでしたが急用で不参加。で、toyofusaさんは第1回コケネンオフで作ったセロリとリークのヌードル(ただし、リークでなく下仁田ネギ使用w)、ハイジ中尉が飯盒ケーキと黒豆の代用コーヒー。つまり、オカズとデザートがあるがご飯系がない。しかも、オフの最後に恐怖のフルーチェも待っているので、白玉ぜんざいまで投入したのでは、全身が甘くなってしまう。そこで急遽、自分は飯を炊く事に(こんな事もあろうかと、ちゃんと無洗米を用意していた)。
飯を炊くのは結構だけど、ただ単に炊いたのでは詰まらない。こんな事もあろうかと×2、炊き込みご飯の素も用意したいたのだが、それは3合用である。4人来ると思って3合米も用意したのだが、3人ではちとキツい。結局、米は2合炊いて、牛肉の大和煮缶を混ぜる牛缶飯にする事にしました。
オプティマス123Rを盛大にプレヒート中のtoyofuaさん
寒い季節にガソリンストーブは信頼性大ですが
コケネンでも十分な陽気でしたw
こちらは飯盒の底を抜かしたハイジ中尉
ソロ用のガスバーナーは一点に火が当たるのが多いので
底全体に柔らかく火を当てるのは難しいんですよね
■調理開始
当初の予定では、埼玉の秋ヶ瀬公園が会場だったのですが、前日になって秋ヶ瀬公園が冬期火気禁止になった事が分かり、急遽、第1回コケネンオフをやった利根川河川敷に変更となりました。しかし、場所が変わってもこの季節の事ですから、それなりに寒くて風も少々は吹いてるだろう、と予想していました。ところが、蓋を開けてみると、結構良い陽気で風もあまりありません。そんな具合で、せっかく作った風防も、こりゃいらんなーという事でそこらにうっちゃらけ。ガスストーブとかでなくても、使いさしのコケネンでも十分そうだわ、という事で、先日ベランダでハンゴーキャッチで湯沸かすのに投入したニチネンのトップ600g缶の使いさしを使って飯を炊きました。目の前では、toyofusaさんがオプティマス123Rに旧ドイツ軍の飯盒を載せて、ネギとセロリ刻んだ奴をぶっこんで煮てます。
ところが、その側でハイジ中尉が掛子にアルミホイル敷いてバターを溶かし、折りたたみのボールにホットケーキミックスらしき粉を入れて、溶かしバターと玉子を入れてかき混ぜてます。そして、飯盒の底に軽く丸めたアルミホイルを敷き詰め、飯盒の中でアルミホイルを器状にして、その中に溶いた粉を入れて、ご丁寧にスライスしたアーモンドも載せてました。ハイジ中尉曰く、ガスストーブで飯盒を空焚きすると良くないですよねぇ〜、という事でしたので、その頃自分は飯が炊きあがり蒸らしの状態にでコケネンが空いてましたので、それをお貸ししました。
そして、先に出来た牛飯と下仁田ネギヌードルを食べてる間も飯盒ケーキを加熱し続け、コケネンがいよいよダメになってからはガスバーナーに切り替え、ようやく飯盒ケーキが完成。蓋を開けてみると、想像以上にしっかりケーキになってました。もっとも、加熱が終わったあと、膨らんでたはずのケーキが萎んでしまい、ハイジ中尉曰く失敗作との事でしたが、成功作を知らない自分らにしてみれば、十分美味しく出来ていました。出来映えとしては蒸しケーキみたいな感じでした。
続いて、黒豆を飯盒で炒って代用コーヒーを作ろうとしたのですが、見る見るうちに飯盒の底の方の塗装が茶色く変色してきて、これはヤバいという事で作業中止。こんな事もあろうかと、自宅で豆を炒ってきたとの事で、コンクリの土手でハンマーで崩して、コーヒーを淹れてくれました。最初の一口はウッと思いましたが、意外にも黒豆風味はあまりなく、慣れてくると「黙って出されたらコーヒーと思うかもしれない味わい」に感じる様になりました。
その様な訳で、一番飯盒慣れしてるはずの自分が一番楽をしてしまい、飯盒ルーキーなハイジ中尉が一番難易度の高い物を作ったという事で、第1回飯盒アワードはハイジ中尉に決定しました。
こちらがtoyofusaさん謹製の
下仁田ネギとセロリのヌードル
リークに比べると、下仁田ネギはネギ臭が強いみたいです
(まぁ、ネギだから当然ですがw)
こちらがワタクシの牛缶飯。ご飯に混ぜるだけの簡単料理
一応は、野戦炊事の一つですが
どうせなら、炊き込みご飯にしとけば良かったかなー
ハイジ中尉の飯盒ケーキ
本人は失敗作と言ってましたが、なかなかどうして
結構美味しかったですw
こちらもハイジ中尉の黒豆の代用コーヒー
かなり時間をかけてローストしたみたいで
全然黒豆らしさを感じさせませんでしたw
■教訓と総括
ハイジ中尉は、今回の飯盒オフに参加するに当たって、ケーキと代用コーヒーを何度も作ったそうですが、その結果、一つ目の飯盒の底を焦がして穴を開けてしまったそうです。原因は、ケーキを作る際には丸めたアルミホイルを入れ、また黒豆を炒る際は飯盒にアルミホイルを敷いて炒ったそうですが、どちらの場合も実質的には空焚きをしている状態です。アルミ製品は空焚きをすると一気に材質が脆くなってしまうので、避ける様に注意されますが、結果として買って数回で底が抜けてしまった訳です。ケーキなどは蒸すやり方で出来るとして、豆を炒る場合はやはり鉄製品を使った方が良さそうです。自分の使っている飯盒などは、998円のキャプテンスタッグの安物ですが、かれこれ7年は使ってますので、大事に使えば結構長持ちしますから、くれぐれも空焚きには注意したいものです。今回のオフでは、焚き火OKの場所ではありませんでしたので(といっても、誰か焚き火した跡がありましたが)、ポータブルストーブを使って調理しましたが、気候もよく風もあまりなくで、風防なしでも調理が出来てしまう好条件でした。そのため、イマイチ簡単に出来てしまってスパルタン度が低かったので、その意味での面白みはあまりなかったのですが、改めて感じたのはそれなりに人数が居るのなら、ソロ用のクッカーよりも飯盒の方がまとめて料理が出来る分、使い勝手が良いかもな、という事でした。最近のお洒落キャンパーの人たちなどは、間違っても飯盒など使ったりしないのでしょうが、やはりキャンプの一番のイメージは飯盒炊爨ですので、第2回飯盒オフに繋げて更なる飯盒復権の活動を推進していきたいと思います。
なぜか斜めってるところで豆を粉砕するハイジ中尉
どうせなら、上の平らな所でやれば良かったのにwww
毎度恒例のフルーチェ(パイン味)
もっと極寒の時にやれば、罰ゲームっぽさが出るんですが
今回はちょうどいい感じでした
(ただし、しばらくフルーチェはいいやw)
コメント
コメント一覧
飯盒ではないけれど、鍋でご飯を炊いてます。我が家には炊飯器がありません。鍋のほうが早いし、美味しいんだもん。
極寒の季節に巨大ボールに波々入ったフルーチェ(パイン)を震えながら食わされた、
という神話がこのネタの元なんだよね〜
鍋釜で上手にご飯炊ける子は、良い嫁になれるww