我が国の兵式飯盒は、もともとはドイツ軍の飯盒を参考に、米飯が炊ける様に開発されたものです。そのドイツ軍の飯盒は19世紀の後半には使われ出して、第一次、第二次の大戦を経て、戦後も長らく同系列の飯盒が使われてきました。また、ドイツ軍のみならず、ドイツの同盟国から敵対国でも似たり寄ったりの飯盒が使われており、そのデザインと機能は、広く長く使い続けられた訳です。
旧ドイツ軍のM1910飯盒やM31飯盒のデザインを踏襲しつつ、少しずつ改良されている所があります。まず蓋ですが、M31飯盒の蓋よりも背が高くなっており、どちらかといえばM1910飯盒の様な感じです。
飯盒の底には、ハンドルの爪を引っかけてロックさせる凹みが設けられています。
そしてツルの耳金は360度グルグル回らない様に、0度から270度の角度でしか回らない様に工夫がされています。自分が凄いと感じるのはこの耳金の工夫で、ストーブに載せて飯を炊く時、ツルを0度の所で倒しておき、ハンドルをその上に載せる事で、ハンドルが倒れて火に炙られず、かつ蓋が開けやすくなっています。
ロ号飯盒に比べると、全体的に細身な感じで、一人用として使うには容量オーバーに感じるロ号飯盒に対して、よりお一人様飯盒としてのフォルムを醸し出しています。

飯盒の底に、ハンドルの爪を引っかける窪みが作ってあります
お陰で蓋が勝手に開かない上に
飯盒を床に置いた時、爪の分が浮き上がったりしません

飯盒のツルをこの位置で止める事が出来るので
炊飯中にハンドルがバーナーヘッドの方に倒れる事を防げます
ヨーロッパの軍隊では米の飯を炊いたりしないと思うのですが、飯盒には水量線が3つ付いています。計ってみると、500mlずつで目盛りが打ってある事が判りました。そして、米3合分で一目盛りである事も判りました。まぁ、一食2合でもママならない訳ですから、3合も一気に食えませんが、目盛りの半分ほどで1.5合ですから、そこら辺はイイ感じに炊けば良いと思います。何にせよ、水量線があるのは便利な事です。
そこで、ものは試しで早速飯を炊いてみました。蓋が深い分、中を見るのに蓋を取るのが兵式飯盒よりほんのちょっと渋かったですが、ハンドルがツルで倒れないので開け閉めは楽でした。飯炊きそのものは、特段変わった事なく上手く出来ました。ただ、底のハンドルの爪を引っかける窪みの部分には、どうしても飯粒が残ってしまいます。まぁ、これは仕方ないですねw
次に自衛隊の戦闘飯盒ですが、飯盒としては背丈が非常に低く、明かに食器として用いる事を主目的としているのは良いとして、ハンドルがチャチすぎて蓋と掛子を連結した時に持ちにくい。爪も浅くしか付いていないので、うっかりすると掛子が落ちそうになる。ドイツ連邦軍飯盒では、旧ドイツ軍と同様にハンドルはしっかりしたのが付いていますので、その点では安心して使えます。まぁ、この辺りは設計思想が「連結して使う」なのか「連結して使う事も出来る」なのかの違いであると思います。
個人的な感想としては、戦闘飯盒よりもドイツ連邦軍飯盒の方が「納まり」が良い形をしてますし、食器としての機能もドイツ連邦軍飯盒の方が上なんじゃないか、と感じました。
また、蒸し器も作ってみました。掛子の底で型紙を作った為、若干小ぶりでありますが、飯盒本体が深いのでサツマイモなど、それなりに大きめの物でも蒸せます。この蒸し器は、掛け子の上に被せる形で蓋を閉めれる事が判り、我ながらなかなか良い物を作ったもんだと感心しましたw

飯などを炊いた後の事考えたら
あまり飯盒の中に小物を入れない方がイイとは思うんですがw

兵式飯盒同様に蒸し器も使える様にしました
ハンドルの爪を納める窪みに足が来ない様に、配置を工夫しました

作った後で判ったのですが
この状態で蓋をキッチリ閉める事が出来ますw
今回取り寄せたドイツ連邦軍の飯盒は、旧ドイツ軍が1910年と1931年に採用した飯盒の延長上のデザインをしています。そのせいか、旧ドイツ軍飯盒の代用として使うリエナクターやサバイバルゲーマーも多いようです。
■まず見た目
ドイツ連邦軍飯盒は、旧ドイツ軍飯盒と同様に蓋にハンドルが付いており、蓋をフライパンとしても使える仕様です。日本製の飯盒ではスイス式とかチロル式と呼ばれるものと同様のものです。ただし、スイス式とかチロル式よりも遙かに頑丈で立派なハンドルが付いています。ハンドルにはストラップを通す金具が付いていて、革バンドで背嚢や雑嚢に縛着できる様になっています。旧ドイツ軍のM1910飯盒やM31飯盒のデザインを踏襲しつつ、少しずつ改良されている所があります。まず蓋ですが、M31飯盒の蓋よりも背が高くなっており、どちらかといえばM1910飯盒の様な感じです。
飯盒の底には、ハンドルの爪を引っかけてロックさせる凹みが設けられています。
そしてツルの耳金は360度グルグル回らない様に、0度から270度の角度でしか回らない様に工夫がされています。自分が凄いと感じるのはこの耳金の工夫で、ストーブに載せて飯を炊く時、ツルを0度の所で倒しておき、ハンドルをその上に載せる事で、ハンドルが倒れて火に炙られず、かつ蓋が開けやすくなっています。
ロ号飯盒に比べると、全体的に細身な感じで、一人用として使うには容量オーバーに感じるロ号飯盒に対して、よりお一人様飯盒としてのフォルムを醸し出しています。

飯盒の底に、ハンドルの爪を引っかける窪みが作ってあります
お陰で蓋が勝手に開かない上に
飯盒を床に置いた時、爪の分が浮き上がったりしません

飯盒のツルをこの位置で止める事が出来るので
炊飯中にハンドルがバーナーヘッドの方に倒れる事を防げます
■機能
ドイツ連邦軍飯盒は、蓋、掛子、本体で構成されており、蓋と掛子が蓋のハンドルで連結できる様になっています。如何にもドイツ軍っぽいフォルムですが、聞くところによると、第二次大戦中に使われたM31飯盒では掛子が省略されていたとの事。もっとも後期には掛子が含まれる様になったとかならなかったとかで、詳しい事は判りません。もっとも、ドイツ軍マニアの人は、このドイツ連邦軍飯盒やBGS(ドイツ連邦国境警備隊)の飯盒の掛子を抜いて、M31飯盒に使ったりするそうです。この蓋も掛子も結構な深さがあって、食器としてかなり使い手があります。ヨーロッパの軍隊では米の飯を炊いたりしないと思うのですが、飯盒には水量線が3つ付いています。計ってみると、500mlずつで目盛りが打ってある事が判りました。そして、米3合分で一目盛りである事も判りました。まぁ、一食2合でもママならない訳ですから、3合も一気に食えませんが、目盛りの半分ほどで1.5合ですから、そこら辺はイイ感じに炊けば良いと思います。何にせよ、水量線があるのは便利な事です。
そこで、ものは試しで早速飯を炊いてみました。蓋が深い分、中を見るのに蓋を取るのが兵式飯盒よりほんのちょっと渋かったですが、ハンドルがツルで倒れないので開け閉めは楽でした。飯炊きそのものは、特段変わった事なく上手く出来ました。ただ、底のハンドルの爪を引っかける窪みの部分には、どうしても飯粒が残ってしまいます。まぁ、これは仕方ないですねw
■その他のハンドル付き飯盒との比較
まず、兵式飯盒にハンドルを付けた、いわゆるスイス式とかチロル式とかの飯盒ですが、あれは普通の兵式飯盒の蓋に取って付けた様にハンドルが付いているだけなので、イタリア軍飯盒ほどの工夫は見られません。ツルは普通に360度グルグル回りますし、ハンドルにはロックがないので飯を炊いているウチに、手で持ってないとパタンと倒れてきます。蓋と掛子を連結する様にもなっておらず、また連結しようにも背が低いので無理があります。有り体に申せば、無理してハンドル付けなくても良かったんじゃない?というのが自分の感想です。次に自衛隊の戦闘飯盒ですが、飯盒としては背丈が非常に低く、明かに食器として用いる事を主目的としているのは良いとして、ハンドルがチャチすぎて蓋と掛子を連結した時に持ちにくい。爪も浅くしか付いていないので、うっかりすると掛子が落ちそうになる。ドイツ連邦軍飯盒では、旧ドイツ軍と同様にハンドルはしっかりしたのが付いていますので、その点では安心して使えます。まぁ、この辺りは設計思想が「連結して使う」なのか「連結して使う事も出来る」なのかの違いであると思います。
個人的な感想としては、戦闘飯盒よりもドイツ連邦軍飯盒の方が「納まり」が良い形をしてますし、食器としての機能もドイツ連邦軍飯盒の方が上なんじゃないか、と感じました。
■装備の工夫
まず飯盒の中にアルコールストーブと五徳、ウインドスクリーンなどを入れてみました。兵式飯盒ほどではないものの、それなりの容量があるので、イイ感じに収納する事が出来ました。掛子に500mlのナルゲンボトルが入ったのは流石です。また、蒸し器も作ってみました。掛子の底で型紙を作った為、若干小ぶりでありますが、飯盒本体が深いのでサツマイモなど、それなりに大きめの物でも蒸せます。この蒸し器は、掛け子の上に被せる形で蓋を閉めれる事が判り、我ながらなかなか良い物を作ったもんだと感心しましたw

飯などを炊いた後の事考えたら
あまり飯盒の中に小物を入れない方がイイとは思うんですがw

兵式飯盒同様に蒸し器も使える様にしました
ハンドルの爪を納める窪みに足が来ない様に、配置を工夫しました

作った後で判ったのですが
この状態で蓋をキッチリ閉める事が出来ますw
当初、この記事では「イタリア軍飯盒」として紹介していましたが、それは販売元がその様に称していたためです。後日の調べにより、ドイツ連邦軍の飯盒と判明しましたので、名称を訂正しました。ただ、中国製のコピーも出回っていることから、自分が入手したこの飯盒の出自が、正真正銘のドイツ連邦軍であるかどうかまでは判りません。(2015年9月10日)
コメント