飯盒というと、使い方としては、「飯を炊く、ラーメンを煮る、シチューやカレーを作る」といった、煮炊き系の調理に使うのがメインで、蓋などで玉子やウイ
ンナーを焼くといった使い方は、フライパンがなかったり省略して持って行ってない時のキワモノ的使い方といった認識です。しかし、料理というのは、煮炊き
や焼き炒め以外にも「蒸す」というのがあるのですが、実は自分の日常生活で蒸した物を食べる、あるいは作るという事があまりなく、これまで見落としてきま
した。
そこで、飯盒で使える蒸し器を作る事にしました。ひとくちに蒸し器と言いましても、竹や木で作った蒸篭や土器の甑(こしきと読む)などもあるのですが、すでに飯盒用の蒸し器を作ってる人が居ましたので、そのアイデアを丸っと参考にさせて頂く事にしました。
材料は、いっぱい穴の開いた金属板が必要ですが、自分の手でも楽に切れる必要があるのでステンレスの物は却下。アルミのパンチングメッシュプレートを使う事にしました。作例では1mmくらいの穴の物が使われていましたが、平井のホームズには0.3mm厚のペラペラの物しかなく、これでは何も載せられません。そこで奥戸のビバホームに行って見ると、3mm穴で0.5mm厚の物がありました。ただし、エラいデカくて2800円くらいしました。
足には3mmのビスを使いました。長さはかなり悩んだのですが、30mmの物を選びました。材質は飯盒の中で熱する事を考えたらステンレスの方が良いのですが、試作段階ではユニクロメッキの鉄ビスにしました(量産型ではステンレスに変更)。
0.5mmくらいのアルミ板、しかもパンチングメッシュなら、普通のクラフト用のハサミでもジョキジョキ切れるのですが、切る時に板が歪んでしまうのと、結構力要って疲れてしまうので、ニッパーを使ってチマチマ切って行った方が、結果としてあまり疲れず、仕上げもキレイになる事が判りました。
パンチングメッシュが切り抜けたら、型紙を剥がし、足になるビスをナット止めして完成です。
蓋をしてストーブに掛け、湯気が噴いて来た所で蒸したい物を中に入れ蒸します。点心系は蒸し時間が書いてあるのでそれに従って蒸します。芋やリンゴなどは、竹串を用意して適時刺して、中まで串が通れば出来上がりです。注意事項としては、点心系は蒸し時間が5〜15分以内なので中の水が干上がってしまう事はまずありませんが、芋系だと結構蒸し時間が必要で(30分くらい)、うっかりしてると水が干上がってしまい、飯盒を空焚きしてしまう可能性があります。湯気の元気が無くなったなと思ったら、水を追加して空焚きしない様に注意して下さい。

肉まんは余裕で蒸せます。大体10〜15分
肉まんにも色んなサイズがありますが、大き過ぎるないのを選ぶ事
ロ号飯盒なら3つくらい入ります

小籠包。大体5分くらい
並べ切らない時は、多少なら重ねて蒸せますが
蒸し時間が長いとベチャッてしまいます

リンゴ、大体30分くらい
皮に薄く切れ目を入れておくと良いです

バナナ。青いのがあると良いのですが
黄色い場合は沸騰時間込みで5分くらいです
黄色い熟したバナナは、皮から青臭い臭いが移る事があるので
皮を向いてアルミホイルで包むと可

サツマイモ。30分強
丸ごと入れると、かなり長い間蒸さねばならないので
2〜3分割くらいして入れると蒸し時間が短縮できます

空焚きすると飯盒の底が焦げるだけでなく
飯盒を傷めてしまうので注意です
水が干上がると思った時は、水を追加します
ところが実際に作って見ると、形が複雑で切り出す作業が大変になる事、パンチングメッシュを折った足ではむしろ強度が低く、うっかりするとペシャンコになる事。また足の高さをいい感じに揃えるのも難しく、ビス足よりも全然不安定でした。ともかく、生産性が落ち、かつ鋼材の無駄も多い事から、このアイデアは見送る事にしました。
その代わり、ビス足を4本から6本に替えたところ、安定感は抜群に向上し、サツマイモの様な重い物を載せても、蒸し器がしなったり片側に浮いたりする事がなくなりました。また、切り出した足よりビス足の方が見栄えが良く、収納性をあげる必要があればナットを外して蒸し器と足を分離出来る事から、ビス足版を制式採用しました。

やってやれない事はないのですが
手間に見合うだけの効果を得る事が出来ませんでした

結局、ビス6本足に落ち着きました
もし製品として売られるなら
掛子に穴がいっぱい開いた様な奴の方が
笊代わりにも出来て良いのでは、と思いました
この蒸し器は飯盒の底に落として使うので、取り出す時は飯盒を逆さにして出すしかなかったのですが、これでは残った水ごとひっくり返す事になり、ちょっとスマートさに欠けていました。ところが、同時期に蒸し器の作製をしていたtoyofusaさんが、いい感じにツマミを取り付けました。これだと蒸し器だけ取り出せますし、ヒモでも付けておけば、蒸した物ごと蒸し器を引っ張り上げる事が出来そうですw
しかし、煮炊き系の料理はある程度やり尽してしまった今、蒸し系の料理は飯盒使用上におけるニューフロンティアだと気が付いた訳です。
■料集め
アウトドア用のクッカーで蒸し物をする人はどれだけ居るのか判りませんが、調べてみるとやり方があるもので、その方法は河原などの石ころを使うものでした。なるほど、石ならそこらにある訳で、いつだってやれる訳ですが、個人的な感想を言わせて頂くと、なにせ地面に落ちてるものですからキレイな訳がなく、よほどキレイにしないと石臭かったり泥臭い焼売とかを食うハメになるんじゃないか、と感じました。そこで、飯盒で使える蒸し器を作る事にしました。ひとくちに蒸し器と言いましても、竹や木で作った蒸篭や土器の甑(こしきと読む)などもあるのですが、すでに飯盒用の蒸し器を作ってる人が居ましたので、そのアイデアを丸っと参考にさせて頂く事にしました。
材料は、いっぱい穴の開いた金属板が必要ですが、自分の手でも楽に切れる必要があるのでステンレスの物は却下。アルミのパンチングメッシュプレートを使う事にしました。作例では1mmくらいの穴の物が使われていましたが、平井のホームズには0.3mm厚のペラペラの物しかなく、これでは何も載せられません。そこで奥戸のビバホームに行って見ると、3mm穴で0.5mm厚の物がありました。ただし、エラいデカくて2800円くらいしました。
足には3mmのビスを使いました。長さはかなり悩んだのですが、30mmの物を選びました。材質は飯盒の中で熱する事を考えたらステンレスの方が良いのですが、試作段階ではユニクロメッキの鉄ビスにしました(量産型ではステンレスに変更)。
■作製
飯盒の底にセットする為に、飯盒の例のそら豆型に切り抜く必要があります。まず型紙を作るところから。紙の上に掛子を置き、底の部分を鉛筆でなぞって型紙を作りました。切り抜いた型紙をセロテープなどでパンチングメッシュに貼り付け、その周りの穴をニッパーで切って行き、切り抜けたら型紙に沿って余計なバリをニッパーで切り落として行きました。0.5mmくらいのアルミ板、しかもパンチングメッシュなら、普通のクラフト用のハサミでもジョキジョキ切れるのですが、切る時に板が歪んでしまうのと、結構力要って疲れてしまうので、ニッパーを使ってチマチマ切って行った方が、結果としてあまり疲れず、仕上げもキレイになる事が判りました。
パンチングメッシュが切り抜けたら、型紙を剥がし、足になるビスをナット止めして完成です。
■使用
まず飯盒の底に蒸し器をセットし、水を入れます。水の量は、肉まんや焼売なら蒸し器よりも下でないと、肉まんなどが煮立ってしまうので注意です。芋やリンゴなどなら、多少上に出てても大丈夫ですが、いずれにせよ基本的には蒸し器より水が上に上がって来ない程度に水を入れます。蓋をしてストーブに掛け、湯気が噴いて来た所で蒸したい物を中に入れ蒸します。点心系は蒸し時間が書いてあるのでそれに従って蒸します。芋やリンゴなどは、竹串を用意して適時刺して、中まで串が通れば出来上がりです。注意事項としては、点心系は蒸し時間が5〜15分以内なので中の水が干上がってしまう事はまずありませんが、芋系だと結構蒸し時間が必要で(30分くらい)、うっかりしてると水が干上がってしまい、飯盒を空焚きしてしまう可能性があります。湯気の元気が無くなったなと思ったら、水を追加して空焚きしない様に注意して下さい。

肉まんは余裕で蒸せます。大体10〜15分
肉まんにも色んなサイズがありますが、大き過ぎるないのを選ぶ事
ロ号飯盒なら3つくらい入ります

小籠包。大体5分くらい
並べ切らない時は、多少なら重ねて蒸せますが
蒸し時間が長いとベチャッてしまいます

リンゴ、大体30分くらい
皮に薄く切れ目を入れておくと良いです

バナナ。青いのがあると良いのですが
黄色い場合は沸騰時間込みで5分くらいです
黄色い熟したバナナは、皮から青臭い臭いが移る事があるので
皮を向いてアルミホイルで包むと可

サツマイモ。30分強
丸ごと入れると、かなり長い間蒸さねばならないので
2〜3分割くらいして入れると蒸し時間が短縮できます

空焚きすると飯盒の底が焦げるだけでなく
飯盒を傷めてしまうので注意です
水が干上がると思った時は、水を追加します
■改良
試作品が出来た時に感じたのは、「ビスの足でなく、パンチングメッシュを切り抜く段階で足の分も切り抜けば、ビスを別個に買わずに済むだけでなく、足の幅を広く切り出す事で安定感も増すのでないか」という事でした。そこで型紙を作る時点で足の図も描き、かつ4本足でなく6本足にしてみました。ところが実際に作って見ると、形が複雑で切り出す作業が大変になる事、パンチングメッシュを折った足ではむしろ強度が低く、うっかりするとペシャンコになる事。また足の高さをいい感じに揃えるのも難しく、ビス足よりも全然不安定でした。ともかく、生産性が落ち、かつ鋼材の無駄も多い事から、このアイデアは見送る事にしました。
その代わり、ビス足を4本から6本に替えたところ、安定感は抜群に向上し、サツマイモの様な重い物を載せても、蒸し器がしなったり片側に浮いたりする事がなくなりました。また、切り出した足よりビス足の方が見栄えが良く、収納性をあげる必要があればナットを外して蒸し器と足を分離出来る事から、ビス足版を制式採用しました。

やってやれない事はないのですが
手間に見合うだけの効果を得る事が出来ませんでした

結局、ビス6本足に落ち着きました
もし製品として売られるなら
掛子に穴がいっぱい開いた様な奴の方が
笊代わりにも出来て良いのでは、と思いました
この蒸し器は飯盒の底に落として使うので、取り出す時は飯盒を逆さにして出すしかなかったのですが、これでは残った水ごとひっくり返す事になり、ちょっとスマートさに欠けていました。ところが、同時期に蒸し器の作製をしていたtoyofusaさんが、いい感じにツマミを取り付けました。これだと蒸し器だけ取り出せますし、ヒモでも付けておけば、蒸した物ごと蒸し器を引っ張り上げる事が出来そうですw
コメント
コメント一覧
蒸し網の記事、興味深く拝見致しました。
そこで思い付いた改良案を提案させて頂きたく、不躾ながらコメントしました。
早速ですが改良点と致しまして、長ビスを使うのではなく電子工作で、回路基盤をケースに取り付けるときに使う金属製スペーサーを使ってはどうでしょう?
スペーサーの形状は六角柱で、両端に雌ねじが切ってあるものが良いと思います。
これなら、ナットより大きい分、やむなく取り外した場合、ナットと違い紛失の可能性が減ると思います。
実は同じ事も考えていたんですよね〜〜。
でもまぁ、そのためにアキバに行くのも面倒だし、
ホムセンだけで調達できる材料で作っちゃいましたww
でも、結局は旧日本軍はこんなの使ってなかった、という事で、
今んとこ、出番が御座いませぬ〜〜