ピットクルーカップはこの趣味を始めたばかりの頃に出たのですが、その後、モトクロッサーに乗り換えて出場できなくなり、出たいと思いつつ5年が経ってしまいました。この度、XR230を手に入れた事で、久しぶりにエントリーする事が出来ました。
   さて、90分にするか60分にするかでかなり迷ったのですが、まだ左肩の調子が90分のレースに耐えざる事、5年前とイコールコンディションで戦ってどの程度の違いがあるか見るために、60分クラスで出る事にしました。まぁ、90分走って走れない事はないのですが、楽しく気張って走るなら余力のある60分と思ったのもありました。ただし、楽なクラスに出るからには、勝ちに行くつもりで走ろうと秘かに考えていました。


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なんと、事もあろうに
TEAMつぼ焼きは一番前で記念撮影ですw




■事前準備

   前日の土曜日は試走が出来るという事だったので、今回は走りに行くつもりをしていたのですが、その前に当初一週間降らないという予報が大ハズレしてコース(特にウッズの方)が恐るべき状態になっている、との情報が入りました。XR230“パンツァーファウスト号”は目下、前後ともトライアルタイヤを履いた状態です。前がトラタイヤだと直進性が怪しくて転倒し易くなる、との事でしたが、こりゃ前後とも替えた方がイイかなー、という雰囲気でした。
   取り敢えず、前のタイヤはCRFのGeoMaxを外して取り付け(CRFにはトラタイヤを仮履きw)、後ろは安く譲って貰ったお古(といっても9月に卸したばかりの奴)に交換しました。その間に試走に行ってきたT川君のセローを見ると(前後ともトラタイヤ)、びっくりするほど泥がまとわりついていて、全然グリップしないとの事でした。タイヤ交換のついでに、チューブも前後ともハードチューブに換装しました。これでそこそこ空気圧を抜いても大丈夫なはずです。空気圧は前60kPa、後ろは40kPaに合わせました。
   さて、ようやく準備が整って試走に入りました。午前中は45分クラスのコースが走れたのですが、午後は90分クラスのコースです。当然、いつものデコボコランドのコースとは違って、ウッズが多めのコースです。ウッズコースの路面は、グチャってるかツルってるかワダチってるかで、転けない様に慎重に進まねばなりませんでした。超絶苦手だったのは斜面の長い下りで、ブレーキかけても落ちていく様なところは、まるで膝行る様にしか降りられませんでした(それを見てた人曰く、「下りでは別人w」)。逆に登りでは、フロント10丁のトライアルスプロケが絶大な威力を発揮して、どんな登りでも耕耘機の様に登っていきました。
   本コースの方は、午前中の事を思えば大分乾いてきていて、このまま雨が降らなければ、それなりに開けて走れそうでした。ウッズでは低速、本コースでは高速という具合に、気持ちの切り換えをパッパとしないと、ダラダラした走りになりそうです。
   タイヤの方は、エンデューロ用のタイヤに交換して正解でした。恐らく、トラタイヤでは泥がまとわりついてスリック化して走れなくなってたでしょう。空気圧も大分落としたのが正解で、ウッズコースでグリップしないという感じはしませんでした。
   試走は1周ずつ3周だけやって終了しました。3周目には1速に入りづらくなってきました。これを見越してオイル交換の装備は持って行ってたので、洗車後、オイルを交換して事前準備を終えました。

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試走前にタイヤ交換
フロントはCRFから外し、リアはお古を譲り受けました

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クラッチの切れが悪くなったり、シフトミスする時は
オイルがダメになっているので、現地で交換しました


■天候次第

 今回のピットクルーカップには、TEAMつぼ焼きから7名が参加しました。90分Aクラス1名、60分Dクラス3名、Eクラス1名、45分Fクラス2名です。そのウチ、自走は3名もいました。これだけの人数で参加するのは久々です。ピットクルーカップでは人数がまとまれば、パドック割を受ける事が出来るの で、予め申請しておきました(洗車機の横だったので、バイク洗いに行くのが楽でした)
   さて、明けて当日。天気予報では、午後から降水確率70%という事で、1230時から始まる60分クラスは雨確実と覚悟していました。路面のコンディションは、昨日の試走で大分水が飛んだのか、昨日に比べたらかなり良くなっていました。これで雨さえ降らなければ、60分クラスが始まる頃にはベスコンになっている筈です。
   コースは、昨日の試走の結果、難しい箇所が何ヶ所かカットされた様です。また60分クラスではさらにカットされて走りやすくなる見込みでした。まぁ、雨が降ったら二進も三進も行かなくなる事は目に見えていたので、それを見越してのコース変更だった訳です。
   準備中にそこそこ大きい地震があったり、雨の代わりに風が強くなったりと、色々ありつつも無事に開会。まずは90分クラスからで、ウッズの方にも降りていって観戦しましたが、全体的に滑りやすそうですが、明かに車重が重くなったり車速が落ちそうなほどのマディでは無くなりつつありました。
   心配の雨はとうとう90分クラスでは降らず、コースコンディションはいよいよベストコンディション。このまま60分クラスに突入となれば、いう事なしです。

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今回は部隊で参加という事で
事前にパドック割を申請しました
自走組みの分も合わせて申請出来たので
一ヶ所に全部隊が集合できました



■60分クラススタート

   今回、60分クラスには51台も出走との事。出走前にC、D、E各クラスとも、受付時に引いたクジの順に並んでいきます。ちなみに自分はDの4列目でした。出走はクラス毎ですが、それでも前には10台くらいいる訳で、その前に出て行くのはなかなか難儀しそうです。もっとも、これまでのレースでは、幼稚園の時に習った「お先にどうぞ」の精神を遵守してきた訳で、今回は打って変わって、前の奴を踏み倒していこうという覇気に満ち満ちていたのです。(まぁ、それがレースってもんでしょうがw)
   そして待ちに待ったスタート。ローリングスタートではないものの、取り敢えず1周目は昨日とはどうコースが変わったか様子を見るためにゆっくり走るつもりでいたのですが、ゆっくり走りたい人にはそうして貰うつもりで、抜ける人は抜かせて頂きました。予め、滑りやすいポイントについては情報を仕入れていたので、それらしき場所では慎重に、ウッズの中でも気張らねばならない所は気を抜かずアクセル開けて、出来るだけ走る様にしました。
   とは言え、ウッズの中はほぼ全線が滑りやすい状態です。特にタイトコーナーで転倒している人が目立つ様でした。イン側は90分クラスでかなりワダチが出来ており、入ってしまうと返って難儀しましたので、あえてアウト側を滑らない様にゆっくり処理し、直線で開ける様に心掛けました。試走時の苦手ポイント2ヶ所はカットされ、代わりに第一ウッズのメッチャ滑る上り坂が加えられていました。しかし、フロントスプロケ10丁の超トルク仕様のお陰で、アクセル開け続けてる限り登っていく事が出来ました。
   最大のポイントは、早く走る事よりも安定的に転倒なく走る事であろう、という風に考えました。転ければ順位が落ちる事もさる事ながら、120kg近いバイクを起こすのに体力を奪われて、その後の走りに影響します。XR230“パンツァーファウスト号”は、決して速くは走れないが「どこでも登れて下れる(下りが下手なのは乗り手の問題)」様に仕上げてきました。その持ち味を最大限に活かそうという訳です。

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スタート前の様子
クジ運悪く、後ろの方でしたw

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今回のレースでは、抜かれる事より抜く事の方が多かったのですが
抜く方は慣れてないので、ちょっと大変でした

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うっかりするとサスが底突きしますが
やっぱり、人が見てる所では、それなりに飛ばないとw


■そつなく完走

   滑りやすいコースも、2周走り終えた時には大体慣れてきました。チェックポイントのタイマーを見ると、2周で大体15分弱。決して速くはないはずなので、このあとはペースを維持して転けない様に走って、後ろから追い抜かれない様にするだけです。
   その後も順調に転倒する事なく周回を続けたのですが、特筆すべきはあまり疲れなかった事。トレール車だけに極大な加減速Gが来ませんし、やばそうな路面でもバランス取るのが上手くなったのか、前ほど体力を消耗しませんでした。これまで続けてきた水泳のお陰で、どんなけ走っても全然息が上がらないため、余計なところで気を揉まなかったのも良かったです。それでも残り12分辺りになると、去年負傷した左肩の調子が悪くなり始めたので、仕方なく上半身に負担の掛からない乗り方(つまり、下半身に重心を置く乗り方)に変えました。
   バイクの方は、オイル交換を行ったお陰でしっかりシフトチェンジ出来る様になっており、操縦する上で何も気を使わず走りに専念出来ました。ギャラリーコーナーではジャンプセクションもありますが、ショート確実のダブル以外は出来るだけ飛ぶ様にし、かつサスを底突きさせない様に着地できるコツを掴みました。お陰で、本コースではかなりタイムを稼げた様です。
   今回は涼しい気候でもあるし60分という事もあって、ハイドレーションは背負わずに行きました。そもそも転けた時くらいしかハイドレーションから給水する事はありませんし、60分くらい何も飲まなくてもやっていける自身があったからです。現に50分くらいまでは全然喉も渇かず、少々口の中が乾く程度でした(そんな時は犬歯を舌先でしゃぶると唾が出ます)。
   天気の方は、とうとう雨が降らず終いでしたが、ずっと曇っていたため、ウッズの中はやはり薄暗い感じでした(トレール車のヘッドライトが明るく感じる)。そこでいつも使っている黄色の遮光レンズの入ったゴーグルをやめ、クリアのゴーグルに替えたのですが、これも正解。試走の時は黄色を使ったのですが、クリアの方がウッズの路面状況がよく見えて、早め早めの対処が出来ました。
   そうこうしているウチに、チェッカーのタイマーを見たら、残り3分。これが最終ラップになるのか、あるいはもう1周あるのか判りませんが、ここで気張って転けても詮無い話しですので、気持ちに余裕を持ってしっかり走り、もう1周くらい行けるかなーと思いつつ、やはりこれが最終ラップで、無事チェッカーを受けました。


コースはこんな感じで滑りやすかったですが
前日の試走に比べたら、走り易かったです



■結果

   今回の走りは、自分でも全然速く走れてないなーと感じてましたが、事前の作戦通り、安定して走る事を主眼においた結果、一度の転倒もなくノーミスで終える事が出来ました。お陰で、ブーツ以外のウェアはキレイなままでしたw
   気になるリザルトは、Dクラス27人中6位入賞。60分クラス総合では51人中20位でした。TEAMつぼ焼きからは、60分クラスに自分ふくめ4人が参加していましたが、周回数は1人のDNFを除く3人が周回数7周でしたので、自分が特別速かった訳ではない事は、この事からも判ります(他の二人は総合順位で27位と28位)。5年前に出た時は、今回と同じ様なコンディションで、総合順位56人中45位でしたから、それなりに成長はしてるんだなー、と感じました。
   今回は前日にタイヤを交換したのが、かなりレースの中身に反映したと思う訳ですが、これにしても5年前には自分でほとんど出来なかった事で、ライディングの面だけでなくメンテナンスの面でも相当に自在度が上がったのが、今回のリザルトに反映したかな、と思ってます。10丁のフロントスプロケに替えた事で、どんな坂でもノロノロと登っていきましたが、逆に加速できるストレートではモタモタしてる感じは拭えませんでした。この点は乗り手の加速意識の問題だと思うので改善していきたいところです。
   ブレーキが効かない滑る下り坂に対する苦手意識は、前々からの課題なのですが、これはホントにどうにかしなければなりません。今回は幸いにコースがカットされたから良かったものの、もしも使うとなっていたら、かなりリザルトを下げた事になったと思います。どういう方法が良いのか判りませんが、もしかしたら、トリンバでの練習で何か見出せるかもしれない、と淡い期待をしています。その為にXR230を買った訳ですし。
   TEAMつぼ焼きとしては、今回久々の大量参加となったのですが、やっぱり部隊で参加するのは面白いもんだなーと感じました。今後も、あまりハードルの高すぎない、楽しめるレースでみんなで参加出来たらいいな、と思ってます。

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今回参加のTEAMつぼ焼きの隊員の皆さん
また一緒に参戦しましょう!