今年は手の骨折ったりと、色々アクシデントがあってスクールになかなか通えないのですが、前回5月に行ってからもなかなか日程が合わないまま、夏に入ってしまいました。今年の夏は激烈な猛暑で、行けば熱中症間違いなし。そうならなくても、大バテして習ってる事もロクに身にも頭にも入らない事確定でしたので、思い切って暑い盛りは外す事にしたら、前回のスクールから5ヵ月も間が開いてしまいました。流石にこんなに間が開くと、最新のテーマとかがどうなっているのか判らないので、今回は初心に返って素の状態で臨む事にしました。
■時間
先生としばし歓談したあと、最新のテーマについての座学を受けました。これまで習ってきたベストテク理論の中でも、もっとも論理的な話しで、話しを聞いた時には判ったつもりになったのですが、数日経った今はちょっと理解が怪しい感じです。覚えている限り箇条書きしてみると、- 早く走れる所は時間が短く、危ない所やゆっくり走らねばならない所は時間が長い。
- 時間感覚が一本調子の人、例えば早くしか走れない人は長く走るべき所でゆっくり走れず、ゆっくりしか走れない人は短く走るべきところでもゆっくり走ってしまう。
- 巡航速度が上がるにつれ、時間は短くなり動作も短切になる。
この時間感覚は、遅い人だけの問題ではなく、速い人でも問題になるようです。
■腹から力をぬく
まずはいつもの様に、パドックで軽くフォームチェック。今日は自分と最上級の先輩方2人だけですので、基礎的な解説は一切オミット。この5ヵ月の間に新しく出たテーマだけ追加で習いました。身体から余計な空気を抜く、というのは、東日本大震災当日に習って以来、励行してきているのですが、実際上手い事行ってるのかと言えば、なかなかそうとも言い切れない。今回習ったのは、「エアを抜いた腹で踏ん張ってる」という事でした。曰く、腹で踏ん張るのは、パンパンに膨らましたビーチボールの上で踏ん張っているのと同じ事で、加重も掛けられなければ、路面の状況や変化も伝わってこない、という事だそうです。さらには、腹で踏ん張ってしまうと、手足を自由に動かす事は出来ないとの事でした。
実際に、空気を抜いた状態で腹で力んでみると、身体はあまり自由には動かせません。例えば、加速や減速の姿勢を取って膝をゆっくり動かそうとしても、非常に動かし難い。動かないというより、意識が腹にばっかり行ってしまう感じでした。
そこで、腹で力まない様にしてみると(その代わり、きっちり脇や肩甲骨周りで締める)、手足や身体が動かし易い。意識が腹で止まらず、手足の方にまでちゃんと行ってくれる様な感じでした。
南コースでウォーミングアップ
ジャンプの時に、エンジン音の切れが悪いのに注目
■南コースで熱中症
フォームチェックのあと、いつもの様に南コースでウォーミングアップ。このところ良い天気続きだったのか、よく乾いていて走りやすかったのですが、奥のダラダラコーナーがえらく掘れてて、アウト側とイン側にがっつりラインが出来ていて、うっかりインに入ると難しい。というか、久々の南コースは難しかったです(汗)続いて、今朝の座学で習った事を実際に走って試したのですが、自分は先生から「膝を曲げず、伸ばしたままコブに当たっていく様に」言われました。ところが、実際にやろうとすると、これが難しい。どうしてもコブに当たる時に膝が曲がってしまいます。そこで意識して曲げずに行こうとすると、コブに当たった時にガンと突き上げられる感じがするので、どうしてもアクセルを開けられない。しかも反動で前のめりになってしまう感じがする。そこで、いつもの様に飛ぼうすると、どうしても膝が曲がってしまう。屈伸して飛び上がる様にしないと、ポーンと飛べないんじゃないか、と思ったりしてました。
とは言え、習った通りの事はやろうと頑張りました。ともかく、膝に意識を集中してみると、確かにコブに当たった時にショックを吸収する様な感じで曲がっているので、意識して曲げない様にする。でもどうしても曲がってしまうので、膝の裏がビンビンに張るほど意識して、足を突っ張る様にしてみる。すると、コブを飛んだ時に前に放り出される様な感じになるので、そうならない様にどの程度まで身体を引けば良いのか考えて走る。前に放り出されないのは、自分が思っているよりも後ろの位置でした。
そんなこんなで昼過ぎまで走っていたのですが、次第に身体は熱くなるし、ウトウト&生あくびが出るし、動悸がするなーヤバイかも、と思ってたら、ホントにヤバイ状態になっていて、トランポの荷室に倒れ込んだあと、ゼーゼー荒い息が止まらなくなってしまいました。気温は30度まで上がるとの予報だったのですが、どうやら熱中症の一歩手前まで行ってしまった様です。30分ほど倒れてたのですが、少し落ちついてから日陰の風通しの良い所に移動してクールダウンすると、ようやく回復しました。
■5年越しの弱点
十分休憩摂ったあと、今度は初級コースへ。初級コースにある3つの尖ったコブの通過を、これまでみたいな膝を使ったやり方でなく、敢えて反るほど伸ばした状態でやってみました。直ぐに判った事は、これまでの膝を曲げるやり方だと、斜面に車体が当たってもそれほど衝撃らしいものを感じなかったのですが、膝を伸ばして突っ張っていると、グンっと膝が突き上げられる感じがします。今までの様に、斜面の直前でアクセルオフにしたのでは、ちょっと危ない感じがしましたので、少し手前でオフにして、余裕をもって斜面に当たっていける様にしました。今度は中級コースに移動して身体を慣らしてから、コブを飛んでみる事にしました。一つ目のコブが軽くU字に削れてて、外側の斜面から進入するとリアが振られてかなり怖かったです。そこで、一つ目は合わせる程度にして、二つ目を飛ぶ様にしました。そして前回来た時くらいには飛べる様になったのですが、そこで先生からダメ出し。曰く「膝が曲がってる」との事。本人は全然そんなつもりがなかったのですが、曲がってるらしいです。
そこで注意して、膝を伸ばす様にしてチャレンジしてみたのですが、やはりダメ。アクセルの開けが足りんのかと、思い切って開けてポーンと飛んでも、ダメ。何度やってもダメだらけです。自分ではちゃんとやってるつもりなので、一体なにがダメなのか、さっぱり判らなくなってきました。
ダメ出しされた事を要約してみると、「ギャップに合わせてボヨンボヨン動いてる。アクセルを開けるタイミングが合ってない。加速→減速→加速の2拍で飛べば良いのに、余計な1拍が入って3拍で飛んでる。余計な1拍が入ってるから加速が乗っていかない」等々といった感じでした。
アクセルオフを早めにして、減速で斜面に進入すると
アクセルの切れがよくキレイに飛べる様になってきました
初級コースのコブの通過
コブの頂上で止めが入るくらいでやれれば良いのですが
なかなか難しいです
■スクールならではの改善
どうすれば良いか、ほとほと困った訳ですが、困ったままにはしておかないのがスクールの良いところです。まず言われたのが、思いっきり開けるのが怖ければ、ハーフスロットルくらいでイイから、まずはタイミングを合わせるコツを飲み込む事。そして、アクセルオフにするのを早くして、減速を長く取って、そのまま斜面に当たって行き、当たった所でアクセルを開ける事。そして、具体的な飲み込み方として、平らな地面(パドックでやってみた)で、加速→早めにアクセルオフ→減速姿勢のまま、斜面に当たったと仮定して、足を踏ん張ってアクセルオン、という要領で感覚を覚えてみました。そこで、まず南コースでやってみました。最初はなかなか感覚が掴めてなかったのですが、徐々に斜面に当たった時に足でグッと踏ん張る感じが掴めてきて、そのタイミングに合わせてアクセルを開けれる様になってきました。徐々にピッチを上げていくにつれ、アクセルも短切に開閉する様にしました。ゆっくり走っている時は時間もゆっくりですので動作もゆっくりで構わない訳ですが、早くなるにつれ時間も早くなり動作もそれに合わせて早くしないと間に合わない、という訳です。
今度は初級コースでコブの通過をやってみました。アクセルオフのタイミングを早め、明確に減速姿勢でコブの斜面に当たっていく事で、足(特に膝)に加重が掛かる感を感じる事が出来ました。ただし、南コースに比べると、コブとコブとの間の距離は短く、早めにアクセルオフにしようとすると十分加速が入れられず、加速を入れようとするとオフにするタイミングが遅れ、という具合でした。アクセルを開ける長さより大きさが問題なのですが、その点はまだまだでした。
最後に中級コースで飛ぶのも含めてやってみたのですが、アクセルオフを早めて減速姿勢で入っていく、というのを意識すると、どうしてもアクセルを大きく開けるのを忘れがちになってしまう。10回に1回か2回くらいは上手に出来る時があるのですが、後は自分でも判るほどイマイチ。一応、頭では理解しているつもりなのですが、ガバっと反動が来るのが怖いのかあまり足を踏ん張れず、アクセルも「ハハーン」と長く開けすぎで、キレイに決まった飛び方は出来ませんでした。
膝が曲がらない様に、アクセルは切れ良く
と注意してやってるつもりなのですが
どうにも上手く出来ません
■まとめ
今回のスクールを受けつつ感じたのは、「初心に帰った」という事ですが、もっと突き詰めていけば、もっと早い段階で取り組むべき欠点、不得手な事柄を今取り組んでる、という感じでした。今回習った様な事は、いわばオフロードの法則的な事らしくて、本番のコースもその法則に則って走っているとの事。つまり、その法則が身に付いてないから、今をもってしてもイマイチな走りなんだと感じました。今回は、膝を曲げて下から来る反動を逃がす乗り方になっている事に気が付いたのですが、下から突き上げられる衝撃が怖いから逃がす乗り方になる→反動で飛んだり、アクセルを開けるタイミング=サスを沈めて押さえる、といった事が、体感的に理解できてないんだろうな、という風に感じました。これを身に付けるには、やはり「コブの上にも3年」をやらない事にはいけなさそうです。
今回は、習った事を十分やれなかった訳ですが(10回に1〜2回の成功体験では、体感的に理解できない)、「自分の何がダメで、何をすべきなのか」というのを知り得たのが、今回のスクールの成果であると思っています。
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