自分はもともとミリタリーの趣味を持っていましたので、キャンティーンカップを使うのはごくごく普通の事ですし、キャンティーンカップの便利の良さを昔から認識しているのですが、世間様ではそうではない様で、チタンのカップやクッカーが全盛の様です。しかし、自分と同様にキャンティーンカップが大好き、という人もときたま居るのですが、自分を含めそうした人の多くが考えるのが「蓋があれば良いのに」という事です。アルミホイルで代用する人も居るみたいですね。
   ところが、キャンティーンカップの産地である米国では、軍の制式ではないのですが、しっかりした蓋が売られています。ヘヴィーカバー社のキャンティーンカップ・ボイルカバーです。こんな蓋が製品としてあるところを見ると、米国にはれっきとしたキャンティーンカップ文化があるようですねw


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カップスタンドが軍制式なのに対して
ボイルカバーは民間会社が作った民需品です
しかし、しっかり商品として成り立っているところに
キャンティーンカップ文化の成立を感じますw




■ボイルカバーの特徴

   さて、遠路はるばる届いたボイルカバーですが、まず第一印象はアメリカ製品にしては、随分立派なパッケージで来たな、という事。このまま石井スポーツやエルブレスに並んでても不思議じゃないパッケージです。
   蓋の材質はステンレスです。アルミとかだったらもっと軽かったと思うのですが、キャンティーンカップ自体がステンレスですから、同じ材質にしたのでしょう。逆に言えば、かなりしっかりした出来映えで、まさにヘヴィーカバーですw
   このカバーの芸の細かいところは、裏面がピカピカに磨いてあって、サバイバル用のシグナルミラー代わりに出来るという事。まぁ、こんなもん日頃持ち歩くかー、と思わないでもないですが、せっかくのステンレスですから、磨いておけって事だったんでしょうね。

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ボイルカバーのパッケージ
パーフェクトにアウトドアグッズですw
ちなみに、製造国はなんと世界の工場・中国ですw

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ガタツキもなくしっかり蓋が出来ます
米国プロデュース・中国製造とは思えない仕上げの良さです


■ボイルカバーの運用

   このボイルカバーは言うまでもなく、キャンティーンカップ用に作られた蓋なのですが、新型のワイヤーハンドルタイプのカップのサイズに合わせて作られている様です。ワイヤーハンドルの方に被せると、取っ手を持ち上げただけで直ぐに蓋が外れますが、旧型のバーハンドルの方は少しカップが狭いらしくて、蓋を押し込むと取っ手を持ち上げても蓋が抜けません。バーハンドルの方でも使えない訳ではないですが、テキパキ使うならワイヤーハンドルの方が楽です。
   この蓋がもっぱら活躍を期待されているのは、蓋を開けた状態よりも閉めた状態の方が、早く沸騰するという役割においてです。特に火力が弱く燃料消費が大きいアルコールストーブなどでは、蓋の有る無しは大きな違いとなって現れます。また、焚き火の灰や落ち葉などが入らない様にするといった役割もあります。どんな家庭でも蓋を持っている鍋はある訳で、それと同様の働きですね。
   このボイルカバーは、キャンティーンカップに被せた状態でキャンティーンポーチに収納する事が可能です。むしろボイルカバーを被せる事でキャンティーンカップをコンテナ化する事が出来、アルコールストーブやガスバーナーなどのセットを組む事が容易になりました。

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新型のワイヤーハンドルなら、開け閉め自在です

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旧型のバーハンドルだと、ちょっと硬い感じ
使えない訳ではありませんが



■キャンティーンカップで炊飯

   蓋が来たからには是非ともやってみたいのが、キャンティーンカップで飯炊き。むしろ、これにチャレンジしたくて蓋を欲しがる人が多いんじゃないか、と思います。かくいう自分も、随分昔に挑戦した事があったのですが、ものの見事にカップの底を焦がしてしまい、しかもなかなかキレイにならなくて、以来キャンティーンカップで飯炊きはしなかったのですが、今回再チャレンジしてみました。
  1. まず、米1合を研いで、水200mlを注ぐ。出来れば少し浸水させた方が良い。
  2. カップをストーブに掛ける。出来れば弱火で。
  3. 噴いてきたら蓋を上げて蒸気を逃がす。でないと派手に噴きこぼれる。
  4. 微かにでも焦げた匂いがしたら、火から下ろす。水が残ってても下ろさないと、カップの底が焦げる。どうしても水の量が多い様であれば、カップを持って火から遠ざける。
  5. 火から下ろしたら、しっかり蓋を閉めてじっくり蒸らす。アルミホイルよりもボイルカバーの方が遙かにしっかり蒸らせる。むしろその為の蓋であると言える。
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米1合に水200ml入れるとこんな感じです

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アルストは火力が一本調子なので
むしろ火力調整が出来るガスストーブの方が良いかもしれません

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沸騰すると盛大に噴きこぼれてきますので
蓋を浮かせて蒸気を逃がします
噴きこぼれが少なくなったら、焦げる前に火から下ろして
フタして蒸らします

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まだ水分が残った時点で火から下ろしますので
ちょっとウルウルした出来映えですが、芯まで柔らかくなっています

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微かーに焦げっぽい匂いがしたら、底が焦げています
焦がすとなかなかキレイになりませんので
焦がさない様に炊くのが腕の見せ所です


   焦げてしまうのは、キャンティーンカップが悪いというより、ステンレス製品全般に言える事かもしれません。まぁ、出来ればアルミクッカーで炊いた方がイイでしょう。しかし、蓋があればこの様な芸当も出来ますので、キャンティーンカップの使い途も広がります。