アルコールストーブというのは、それ自体はとても小さくて軽いのに、専用の五徳を持ち合わせてない所に、研究と開発の余地を多いに残してくれている、「頭を使わせる」ストーブだと思います。それだけのテーマで本が一冊書けてしまうんじゃないでしょうか。かくいう自分もアレコレ語ってますし、この「大記録」の人気記事は毎日「アルコールストーブについて考察」が1〜2位です。
   その記事の終わりに、「最新のたにし的アルコールバーナー&クッカーセット」というのを紹介しているのですが、その最新というのが今から6年前の話しです。その6年の間も、ヒマのある時にあれこれ考え、新しい装備も付け加わり、いよいよ最終形に近づいたアルストセットが組めたので、改めて紹介したいと思います。


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これが6年前に“最新”だったアルストセット




■入れ物の解決

   前回紹介したセットでは、キャンティーンカップを入れる袋をわざわざ作っていました。しかし、キャンティーンカップにジャストサイズで作ってしまったので、ウインドスクリーンが入れられないという問題が早くも起こっていました。有り体に申せば、適当なケースなりカバーが無かったから、仕方なしに手元にあった布で袋を作った、というのが真相でした。その後、アルストを使った作戦を行わなくなったので、その袋も知らない間にどこかに行ってしまいました。
   ところが、MOLLEのキャンティーンカバーを再入手(サバゲー時代に持ってた物は、袋作る以前に手放してた)してから、状況が変化しました。もともとキャンティーンとカップを入れるためのポーチであるので、相性はバッチリ以上です。しかも、フタがちゃんと出来るので入れ物としても申し分ありません。このカバーが届いた事が、今回最終形に近いアルストセットを組むキッカケとなった訳です。

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本来は右の様にキャンティーンを入れる為のポーチです
しかし、それ以外にも様々に活用できます

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カバーが到着後に、速攻でアルストセットを入れました
まだゴチャゴチャしてて洗練されてません


■入り組み品

   最低限度、キャンティーンカップで湯が沸かせる装備という条件で入り組み品を考えました。逆の言い方をすれば、キャンティーンカップ以外での使い方をオミットしました。
   その理由は、燃料節約のためにフタを導入したのですが、このフタはカップに被せて収納した方がカップもフタも傷つきにくいため、カップにフタをするとトライアングルスタンドはカバーに収納出来なくなった為です。
   もっとも、キャンティーンカップスタンドがあればアルストは使えますので、その意味で言えば他の五徳は必要ありません。むしろカップにスタッキング出来るスタンドの方が、スマートにパッキング出来ると思います。
  1. キャンティーンカップ
     後述するボイルカバーは、新型のワイヤーハンドルタイプのカップの方が、開け閉めが楽です。
  2. トランギアTR-25
       カップの中でこすれない様に、軍手に入れて収納します。軍手は五徳を掴める様に綿の物が良いです。
  3. MSRウインドスクリーン
       折り畳んでカップの中に入れます。
  4. キャンティーンカップスタンド
       使うクッカーがキャンティーンカップのみの時は、このスタンドだけで十分です。カップの外側にセット出来ます。
  5. ナルゲンボトル
       スウェーデン軍飯盒についてきたボトルがパッキングしにくいので代替。最大で250mlのボトルが入りますが、状況に応じて125ml、60mlのものに換えます。
  6. Heavy Cover Inc. Canteen Cup Boil Cover
       新兵器。キャンティーンカップ用のステンレス製のフタです。フタを活用する事でフタなしよりも湯を沸かす時間を短縮して、燃料を節約出来ます。
  7. LIGHT MY FIREファイヤースチール
       いわゆるメタルマッチです。水に濡れても関係なくスパークします。でも、マッチやライターの方がさらに点火は楽ですw
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これだけあれば、十分湯沸かしが出来ます
ボトルは250mlと大きめですが
屋外では予想以上に燃料を消費しますので、これ位あった方が安心です


■収納の仕方

   キャンティーンカップにスタンド(五徳)をスタック出来るのは、とても利便性が高く、これだけでこのアルストセットの五徳の問題は一気に解決してしまいました。まず、カップとスタンドをセットしてカバーに入れます。
   次にウインドスクリーンですが、カップの外側に押し込みます。カップが旧型のバーハンドルだと、ワイヤーハンドルより少しスマートらしくて、ウインドスクリーンを入れやすいのですが、フタとの相性は新型のワイヤーハンドルの方がイイです。
   カップの中に、軍手(綿が良い)に入れたTR-B25と、BICのライター、ファイヤースチールを入れます。今回、燃料ボトルは外に出しましたので、全然余裕で入ります。
   その上からフタを被せ、250mlのナルゲンボトルを置きます。カバーのフタを閉め、サイドのゴム紐を絞れば、中身が転がり落ちる事はありません。

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このセットの強みは、カップにスタンドが合わせられる事
写真はワイヤーハンドルのカップですが
バーハンドルでも同じ様に合わせられます

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ウインドスクリーンはカップの外に押し込みます
ファイヤースチールで十分点火出来ますが
一応、ライターも入れています

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カップにボイルカバーを被せて、燃料ボトルをその上に置きます
ピッタリと収まるところが良いです



■TR-B25以外の入り組み品

   キャンティーンカップに収まるTR-B25以外のストーブとしては、缶入り固形燃料エスビットがあります。どちらもキャンティーンカップに納めた上で、ボイルカバーの上にも予備を乗せる事が可能です。つまり、予備の燃料ボトルを持つアルスト並の時間使う事が出来ます。また、スウェーデン軍アルストのSVEA NC65も入れる事が出来ます。
   これらのストーブを使う場合、キャンティーンカップスタンドはオミットしても大丈夫です。ケイネン160は専用の五徳を備えていますし、エスビットはそれ自体が固形燃料の台です。SVEA NC65にはケイネン160の五徳を一緒にキャンティーンカップに入れます。いずれにしても、キャンティーンカップスタンドは使えないので、あってもあまり意味がありません。
   ただし、いずれもアルコール系のストーブですので、ウインドスクリーンは必須です。

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缶入り固形燃料はケイネン160が
カップの中とフタの上に入れる事が出来ます
フタの上には、ケイネン250も置けます

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エスビット本体と予備のタブが
エスビット本体に入れる分を含めて4〜5箱パッキング出来ます

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スウェーデン軍アルストもケイネン160の五徳入れられます
さらにフタの上にアリゾナストーブも置け
250mlの燃料ボトルもパッキング出来ます

■このアルストセットの使い途

   キャンティーンカップの蓋が投入された事で、これまで以上に効率よく湯沸かしが出来るようになったのですが、キャンティーンカップでご飯を炊くと、どうしてもカップの底を焦げ付かせ易い事から、もし炊飯をする様なミッションの場合は、角形クッカーなどを投入する事として、このアルストセットはあくまで湯沸かしかそれに近いミッションで投入する事にしています。
   ボイルカバーが追加された事により、キャンティーンカップでの炊飯も一応は可能ですが、アルミのクッカーと違い、キャンティーンカップはステンレス製だけあって飯を炊くと底が焦げ付きやすく、焦げると洗ってもなかなか落ちないため、出来れば湯沸かしとして使った方が得策です。蓋は早く沸かして燃料消費を抑えるアイテムとして考えるべきでしょう。

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レトルトパックを温めたり、ラーメン煮たり
アルファ米やフリーズドライ食品に湯を注ぐといった任務に向いています





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