全戦参加を誓ったモチュールカップ。その最終戦がやってきました。今年は第2戦が左肩負傷で欠場した他は、すべて参加する事が出来ました。しかし、第3戦から第5戦に掛けて、左肩の不調で実質的には途中リタイアするレース内容となっており、かなり不本意な次第です。最終戦はどうにか途中で大休止を入れず2.5時間入りきりたい気持ちで参加しました。


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コース設営に精を出す先輩方
深い水溜まりが4ヶ所くらいあり、水抜きしましたが
マディゾーン化してましたw




■試走で作戦立案

   ベストテクコース市貝に到着してからしばし仮眠を取ったあと、先輩方とコース設営の作業を開始。前回まで結構ドライ路面なレースが続いていたのですが、さすがに12月とあって霜がアチコチに降りていて、それが溶けるとぐっしょりになる感じです。しかも深く掘れたワダチには水が溜まり氷まで張っている状態。出来る限り水抜きはしましたが、それでも獣道方面とロックセクションの三段目は使わない事になりました。
   お昼休みにウトウトするほど眠くて、試走するよりは寝たい感じだったのですが、やはり事前の試走は大事という事でいそいそ準備して走り出しました。この時期、1600時を回ると一気に日が落ちてしまうので、試走時間は1時間程度。疲れない程度に4周走る事にしました。最初の1周は2速オートマ走法でゆっくりコースを確認しながら走行。4ヶ所ほど掘れたワダチに水が溜まった所がグチャってましたが、その他は概ね乾いていました。さすがに林間コースの日陰の滑りやすそうで、特に桑畑の上り坂がグネグネする感じでした。2周目からはピッチを徐々にあげ、4周目には本番同様の走りをしました。
   問題はやはり左肩で、しかも前回よりも疲れるのが早い。4周目にして既に軽く怠い感じです。もって1時間といったところ。それ以上無理して走れば、前回同様、劇的な激痛に襲われそうです。となれば、無理をする前に休憩して肩を休ませるより他ありません。どの程度の休憩を取れば良いか判りませんが、とにかく疲れたなと感じたら休む、この作戦でいく事にしました。

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試走の後のCRF250Rモルゲンシュテルン号
これだけ見れば、エライこっちゃの状態ですが
身体の方は全然汚れてませんでしたw


■下見ラップ

   眠かったお陰か、夜は相当冷え込んだにも関わらずぐっすり寝る事が出来ました。0700時に起床したものの、トランポの中も外気と変わらないくらい寒くて、ガスバーナーを炊いて温度を上げてからようやくシュラフから抜け出せる感じでした。
   昨日の試走では、バイクにかなり泥がついてしまい、しかもこの時期は凍結するとかで水道が止まっていて、洗車機が使えなかったのでかなりマディな感じで置いておくほかありませんでした。それを見た他の参加者の人は「ええ〜〜っ」という感じだったのですが、実は汚れるのはブーツから下だけで、ウェアの方は全然汚れてなかったのです。
   さて、ライダーズミーティングも終わり、いよいよ下見ラップ。自分は昨日すでに試走を済ませているので、コースの状態は大体把握しているつもりでしたが、路面の状況は昨日より良くなっているかもしれません。取り敢えず皆さんの後に遅れない様に走り出したのですが、昨日試走した時はおおよそ霜が溶けた午後、しかし、午前一発目の下見ラップではまだ霜は凍った状態で、滑りそうな路面もまだカチカチでした。マディゾーンは昨日の試走でダイブ泥が飛んだみたいで、早くもラインが出来ている所もありました。事前にクラッチの遊びを調整したせいか、エンストし易くなっていたので、調整しもって走り、パドックに帰る頃にはどうにかしました。
   今回はBクラスは自分含め3人程度と思われたので、要するに完走しさえすれば入賞は間違いない、という訳です。となれば無理はせず2.5時間休まず走りきる事が大事です。その様な訳で、疲れたら休む。大体1時間で5分程度という作戦でいく事にしました。

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今回参加の皆さん
最終戦はいつもよりも人数が多めです

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下見ラップのあと、ロキソニンを投与
痛み出して飲んでも遅いからです


■始めの1時間

   下見ラップスタートから30分後、本戦スタート。いつもの様にルマン式でキック始動の自分はバイクから2メートル離れた所から駆け寄ってスタートなのですが、自分が走り出した時には既に3分の2ほどはパドックから出た後でした。まぁ、誰かと競争するよりも、これから2.5時間走りきるのが目的ですから、ゆっくりスタートも作戦のウチです。
   ともかく、今回まず難しいと感じたのは、桑畑コースのワダチだの登り。慎重に突破して、大胆にアクセル開けて行きました。中級コース付近もウカーっとすると滑って転けそうなので慎重に。MXコースはイイ感じのコンディションなので飛べたら飛ぶという感じで行き、コーナーは下りの右コーナーで使用でしたが、ラインというかレール状のワダチが出来ていたので、素直に通れば問題なし。むしろ、その先の坂の上りは、トロトロとアプローチすると蛇行して登り切れなくなる可能性があるので、出来る限り早めに開けて登りました。その後、ロックセクションはカットされているので、南コースの下を回り、やはり獣道もカットなのでパドックの側道を通って南コースからスタート地点に戻る、という感じです。滑る所だけ注意すれば、あとは気持ち良く走れるコースで、実際走っていて楽しかったです。
   とは言え、前回までと違って滑りやすくなっている事だけは違いないので、最初の内はなかなか3速に上げる所が少なく、早くも2周目くらいからトップ集団にラップされました。安全運転を心掛ける関係上、背後からそれらしい爆音が聞こえてきたら、安全に抜いていって貰える場所を考えて走る様にしました。その様に心掛けておけば、モチュールカップでは強引な抜き方をする人はいませんので、自分の走りに専念する事が出来ます。
   そうこうしているウチに、段々と左肩の方が怠くなってきました。ハンドルに付けた時計を見てみると、スタートから約30分くらい経過していました。ピットインするにはチト早い。1時間まで辛抱してみる事にしました。前回までの3戦では、怠いなー痛いなー、と思っているウチに走れなくなったというケースでしたが、今回はそれを見越して無理になる前に休む作戦です。ともかく、ピットインするまで、出来る限り自分の走りに徹し、ミスして転けたりしない様に注意しながら(それでも滑ってポテ転けしましたが)、1時間後にピットインしました。
   ともかくヘルメット脱いで休憩。バイクに給油して、自分も給水して、トランポに腕掛けて肩を後ろに来るようにストレッチなどして、かっきり5分で再スタートしました。

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例によって例のごとく、遅い出だしww
後には数台しか残ってませんでした

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出来る限り、習った事を忠実に実行しようとするの図



■次の1時間

   当初はそれなりに順位を気にはしていましたが、ピットインした以上は、どこがどうなってるか自分ではもう判りません。あとは自分の走りに徹するまでです。早い人が追いかけてきたら迷わず避ける。自分が誰かを追い抜く事はまずまずない事なので、目は前に、耳は後ろに、それぞれ注意しておけば良い訳です。
   走り出して直ぐ感じたのは、たった5分の小休止と言えども、肩の調子はすこぶる良くなった、という事でした。確かに5分のロスタイムが出るのは痛い事ですが、そのまま走り続けて激烈に痛くなって走れなくなるよりは、たった5分休んだだけでスタート前と変わらない調子になるなら、その方が遙かに良い訳です。
   路面のコンディションは次第に良くなってきて、3速で巡航出来る所が増えてきました。今回、出来るだけ肩に負担を掛けないようにする為、仮に低速になっても3速で行けそうなところはシフトアップして行く作戦です。その方が加減速Gが身体に掛かり難いからです。また、座っていける所は座って余り肩に加重かけない様にしました。
   その様な訳で、これまで2速でないと危ないかなー、と思ってた所も、果敢に3速でアタックする様になりました。かなりの箇所を攻略できましたが(その分楽になった)、桑畑コースとかの滑りやすい荒れた路面のところでは、文字通り滑ったり蛇行したりで、2速の方が安定して走れました。
   やはり30分した辺りから左肩は疲れ始めたのですが、それでも転けてリカバーするのに手間取るほどではありませんでした。そのまま1時間まで走り続け、時間通りにピットイン。給油、給水、ストレッチをし5分後に走り出しました。

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早い人に追いかけられるワタクシ
譲るべきところでは、早め早めに先に行って貰ってました

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2時間近く走っても、体力的にはかなり余裕でした
やはり水泳の威力は絶大のようです


■最後の30分

   2回目の休憩の威力も絶大で、左肩の疲れは消えていました。しかも残り時間は30分、疲れ始めた頃にはレース終了です。ラップタイムは、大体8〜9分くらいで走っている様ですので、あと4周ほど頑張れば見事完走です。路面コンディションはドンドン良くなって、この頃にはほぼベストコンディションになっていました。最後の4周、気張って走る事にしました。
   モチュールカップに出てていつも思うのは、抜かれる際に上手な人の走った後を走る事で、走りの勉強が出来るという事。「ああ、そこはそういう風に走るのかー」みたいな感じです。そして同じ様に走ると、これまでの自分の走りとは全然違うんだな、という事が判ります。AAクラスの人には6〜7周、A-2クラスの人でも3〜6周は抜かれるので、その度にラインだのフォームだのの勉強をしてる、という訳です。
   その一方で、自分にもそうした事を感じる余裕が出て来たな、と思いました。以前のモチュールカップでは、1時間も走ったら青色吐息で息してるだけでも精一杯という感じでした。ところが今回は、左肩は気にしてましたが、それ以外で身体の事で気になるところは一切なし。息もまったく切れませんし、バイク転かせて起こすのもストレスない。水泳やったり筋トレやったりの効果は、じんわり地味に効いている様でした。
   とは言え、やはり2.5時間走ると疲れてくるのか、土手に乗り上げてコースに落ちたところで弾かれて、コースを塞ぐ格好で転けてしまいました。しかもコース幅の狭いところで、フロントが半分崖落ちしそうになりました。後続が迫ってる予感がしたので、慌てて起こして向きを変えて再発進。恐らく最終周になるはずだったので、ヤバそうなところは慎重に、その他は大胆に走り、最後のトップストレートで全力加速。ところが、突っ込みすぎて曲がりきれず、ブレーキ掛けたらエンスト。あと5mでチェッカーという所で、押してゴールする羽目になりましたw

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チェッカー前でまさかのエンストww
エンジンかけ直すより押した方が早かったです

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夜は氷点下になるとの事で、水道はストップ
洗車機が使えなかったので、こびり付いた土だけ落として帰りました


■総評

   総合順位18位、Bクラス4位。3人しかいないと思ってたら、実は4人居て、しかも3位の人とは同周回。どうやら半周遅れくらいで負けたらしいです。5分×2回も小休止で負けた様なもんですが、仮に小休止を3分にして切り上げても、1時間置きに休まねば戦闘力を維持出来なかった訳ですから、4位たり得るだけの条件を持っていた、という事です。ラップタイムは大体8分40秒くらい。前回よりコース長は短い訳ですから、ゆっくり走った事が知れるタイムですが、レース全体での平均ラップタイムは、今年の開幕戦の時より3分ほど縮める事が出来ました。
   今年は、4月の左肩の負傷がつきまとい、7月の第3戦以来、ずっと事実上の途中リタイアが続いていましたが、今回小休止を挟む事で、2.5時間走りきれる事が出来たのは大きな収穫でした。休まなければさらに1周多めに走れた計算ですが、モトクロッサーである以上、給油はしなければならない訳ですし、ケツに根が生える様な大休止でなくても、十分戦力回復になると判れば、積極的に休止を作戦に取り入れるのはアリだと思います。
   ライディングの質に関しては、タイム的には最下位であったものの、今までみたいに乗りにくい、怖いといった感じがほとんどなく、むしろ若干コースを攻めるイメージで走れたのは大きかったと思います。何より、楽しんで乗れたのは良かったと思います。ここ最近のスクールで、ベストテク完結編を連続して習っているのですが、それは自分の走りを素晴らしく向上させてくれているな、と感じました。
   走り方が見えてきたところで、来年こそは上位を狙える様に、全戦参加で頑張りたいと思います。

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3位ヅラで並んでますが、実は4位ですw
(3位の方は用事で先に帰られました)

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翌日洗車した時に、リアタイヤのブロックが飛んでる事に気付きました
ブロックが飛ぶ走りをしたのは、今回が初めてです