前回スクール行ったのは6月の事ですから、4ヵ月ばかり間が開いてしまいました。その間、モチュールカップには出ていましたし、自主的な練習もやってきたのですが、スクールを受けなかったのは、左肩の調子が戻らない状態で受けても性根入れて習う事は出来ない、と考えていたからです。習うからには、まずは身体を万全にする。その様な訳でリハビリに専念していました。
   この間にもスクールの方では、いくつか新しいテーマが見つかり、しかもそれは完成形の上をいく完結編とか。その一部はモチュールカップの前日に少し習ったりしていたのですが、理論は解るけど身体の方では解ってない、という感じでした。ようやく左肩の方も目星がついてきて、同時にそろそろスクールで習わない事には「あと一歩の所が解らない」という時期になりました。





=13日=

   以前はスクール前日が遅番で、少し仮眠摂って朝0400時に起きて出発、といった事が平気で出来たのですが、最近は前の日に休みを取って英気を養わないと、なかなか身体が言う事を聞いてくれません。日に日に衰えてるなー、と思う訳ですが、逆に今鍛えなかったら、これから先は衰える一方だと思います。自分がモトクロッサーでコースを走るのも、まずは健康の為です。講釈はともかく、朝0400時に起きて出発。英気を養ったお陰で、安全運転でベストテクコース市貝に0730時に到着しました。
   いそいそと準備をしていると、他の参加者の皆さんも順次到着。初日は生徒6名のスクールとなりました。ベルギーで開催されたモトクロス・オブ・ネーションズの面白い土産話しを先生から拝聴したあと、スクール開始です。

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先生に見せて貰った各種パス
やっぱ、本場の話しはすごく面白くて勉強になりました


(お詫び)
   これから書く内容は、スクールでは最新のテーマで、まだ習った人もそれほど多くないとの事です。つまりまだ企業秘密の段階です。ですので、核心に触れる部分は解禁になるまで伏せ字とさせて頂きます。


■胴体に串を刺す

   目下、スクールで最新のテーマは「□筋を固める」この一言です。焼き鳥に串を刺した状態、とでも言いましょうか。腕だの足だのには太い骨が入っていますが、胴体には□骨が入っているものの、これは可動する骨です。これをガッチリ固めない事には、姿勢は固まらないし、加減速Gをベクトル転換出来ない、という訳です。文字で書けば「ああ、なるほど」と思う訳ですが、問題は□骨なんて日頃意識してない、という事です。意識してない物は、固め様もないという事です。
   実は自分はこのテーマを9月のモチュールカップの時に先生から習ったのですが、帰ってきてから、マッサージ師の友人に「どないしたら□筋を意識する事が出来る様になるんや!」と聞いてみました。すると、まずイス腰掛けて、胸張って□筋伸ばして、耳、肩、肘が一直線、垂直に並ぶ様に姿勢を正す。その状態をキープしてるウチに、□筋を意識する事が出来るようになる、と言われました。以来、ヒマがあったらその姿勢を取る事で、何となく□筋を意識出来る様になってきました。
   背筋を固める事が出来る様になったら、□骨をグニャグニャ動かさず、頸椎から骨盤に至るまで、ヨットのマストの様にビシッと固めて、倒し込む。微調整は背筋を軸に、□筋や肩甲骨を動かして行う、こういう感じでした。

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背筋だの□筋だの肩甲骨だの
このスクールに通う様になってから意識する部位が増えましたw


■○首はどうなってるのか?

   □筋に加えて、自分の様にアクセル開けられない人間の、開けられないメカニズムはどうなってるのか、の解説もありました。アクセル開けられない端的な理由は、加速に置いて行かれそうになるからなのですが、いくら習った通りに身体を前に持って行って加速に耐える姿勢を取っても、○首が起きていたのではダメなのだそうです。正しくは左○首を折るのだそうです。
   手首が起きていると、姿勢が固まらず加速に置いて行かれる身体の使い方になってしまうそうです。しかし、○首を折ると、内側の筋肉でガッチリ姿勢を固める事が出来、加速に置いて行かれない。実際にそうやって姿勢を固めてみると、○首を起こした時よりも楽に姿勢を固める事が出来ました。アクセルオフの時は○首を緩めて起こしても良いそうですが、オンの時は○首を折ってガッチリ姿勢を固める。アクセル開けられる人は、こういう事が無意識に出来ているそうです。
   コーナーやジャンプの進入の時は、減速姿勢で入っていきますが、その姿勢でアクセルを開ける、という事がほとんどです。その時に○首が折れていないと、加速に置いて行かれるのでアクセルが開けられない、という話しでした。実際に自分はそんな感じです。
   問題なのは、自分は○首も結構固い様で、折る意識は持ってもなかなか折れてない事。うっかりすると伸びてしまいます。まぁ、癖といえば癖ですので、意識し続ける事で□筋を意識する様になった様に、直していくしかないな、と感じました。

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この姿勢でもアクセル開けられる様になるには
左○首を折って加速に耐えれる様にならないといけません


■南コースで試す

   スクール当日はピーカンの晴れでしたが、週半ばに降った雨が南コースには残っていました。しかも、前に来た生徒さんが目一杯頑張ったのか、手前も奥もコーナーはエライ掘れていました。ともかく、どう走っても泥水を被るので、フロントフォークにフォークスキンを被せておけば良かったです(あとで被せました)
   取り敢えず、習った事を意識しながら走ってみたのですが、なかなか思うように出来てる感じがしません。□筋を意識したらアクセルを開けてなかったり、アクセル開けたら手首がお留守だったり。特に出来てないなー、と感じたのは左○首を折る事で、一体いつ折っていつ伸ばして良いのか、それさえも初めのウチは解りませんでした。そこで、「オンの時は折って、オフの時は伸ばす」という原則通りにやってみると、徐々にいつ何をやるのかが解ってきました。要するに、アクセルオフにした時以外は、大抵は折ってる感じです。例えば、コーナーに進入する時に、ブレーキングをしますが、その時には既に折る。試しに折らずにコーナーに入っていくと、姿勢がガクガクで定まらない事が解ってきました。
   問題なのは、解っていてもなかなか○首が折れない事。姿勢的に、左腕は伸びていますので、そのまま○首も伸びてしまい易いのですが、伸びたら姿勢が定まらないのが解ってきましたので、意地でも○首を折ろうと必死です。あまり折れなくても、折る意識を持つだけでも違うかなー、とか思いつつ、とにかくガチっと姿勢が固まる感じを体感する様にしました。

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初日のランチ樹林
最近は身体動かすと腹が空く体質になりました
メチャ美味くて完食


■中級コースでジャンプの飛距離を伸ばす

   お昼を食べてから、初級中級コースへ。まず初級コースでコブの通過をやって、感覚を覚ましてから、中級コースに入りました。路面は走りやすいドライ。でも、奥のコーナーを立ち上がって一つ目のコブの手前が、何条にも深く掘れていました。とにかく、一つ目は飛ぼうとせずに合わせて行って、二つ目のコブで大きめに飛ぶ様にしました。
   とは言えども、なかなか思うようにコブの向こう側まで飛べません。あとちょっと何ですがショートしてしまいます。そこで先生から言われたのは、「空気吸い過ぎ」という事でした。つまり、目一杯空気吸って、息張ってるから、全然加速にも耐えられないし、路面の変化にも身体が反応しない、との事でした。確かこの話しって、去年の大震災の時に習った事で、以来気を付けてやってきたのですが、忘れていた様です。
   そこで言われた様に、アクセル開ける前に息を吐ききって少し吸って止めると、アクセルを開けやすくなりました。それを繰り返しやっているウチに、呼吸、手首、背筋、アクセル、それぞれの動きがピタっと合う様になってきました。これが解ったところで、さらにアクセルを一気にガバっと開けろと言われました。ダラっと開けるのではなく、短切にバッと開ける。前から言われてますが、これも意識しないとなかなか出来ません。しかし、加速に置いて行かれにくくなったせいか、ガバ開けしてもあまり怖くありません。
   そうやって短切なアクセルワークに気を付けているウチに、コブの向こう側まで飛べる様になってきました。

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良い天気だったんですが、そこここに残った水溜まりで
うっすら泥化粧になってしまいました



=14日=

   この時期の車中泊は、暑くもなくそれほど寒くもなく、意外に快適です。一応、長袖シャツの上からスウェット上下を着たのですが、シュラフのサイドジッパーを閉めるのを忘れて、そのまま寝てしまいました。でも寝冷えや風邪もなくぐっすり熟睡。お陰で元気に二日目のスクールを受ける事が出来ました。


■レバーの位置を上げる

   二日目も昨日と同じテーマで、初めて受ける人は徹底的に仕込まれていました。自分も怪しかった○首の折り方を改めて習い直し、感覚を掴もうとしました。
   パドックでフォームチェックのあと、南コースでウォーミングアップ。昨日よりは大分感覚が掴めてきましたが、それだけにバイクのセッティングで違和感を感じる様になりました。それはレバーの位置が低すぎる、という事です。コーナーに進入する時に、クラッチやフロントブレーキの操作もするのですが、手首を折った状態でレバーに指を掛けようとすると、レバーが遠すぎるのです。レバーに指を合わせようとすると、手首を起こさない訳には行きません。どうやらこれが手首を折りにくい理由の様です。
   そこでレバーの位置を5ミリほど上に上げてみました。するとこれだけで、グッと○首を折ってハンドルを押せる様になりました。その状態で走ってみると、あらら不思議、コーナーの進入でとても手首を折りやすい。○首を折る事で、脇、肩、背筋がグッと固められ、ギャップなどでふらつかず車体を抑える事が出来る様になりました。
   バイクのセッティングは、乗り手が乗りやすい様に行うものですが、間違った乗り方をしていると、セッティングも間違ったものになるんだな、と感じました。

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先生から姿勢を仕込まれるワタクシ
レバーの位置は修正前です


■ジャンプの挙動

   お昼を食べてから、初級中級コースへ。とにかく、昨日出来た事を今日もやって、習った事をより確実に自分の物にして帰るのです。昨日に比べれば、大分姿勢がカッチリしてきた感じがして、飛ばずに合わせていた1つ目のコブも飛んでみようか、という気になってきました。
   しかし、飛んでいるウチに、ちょっと違和感を感じる様になりました。というのは、空中に飛んだあと、フロント着地になるように、減速姿勢で降りようとするのですが、それがまるでバイクが勝手に先に行ってしまって、自分がそれに引っ張られてる様な感じに思えてきたのです。そしてそうして着地した時は、首がガクっと後ろに折れて軽いムチウチ状態の着地になっています。
   これじゃダメなんだろうなー、と思ったら、案の定、その事を指摘されました。どうやら自分は、ジャンプの斜面に入る時に、姿勢が浅くてバランスの幅が狭く、飛び出してから姿勢を直そうとして膝を折って腰を下げている様です。要するに、挙動が全く真逆になっている訳です。
   それを指摘されてから、ジャンプの飛び出しの時の姿勢に注意する様にしたのですが、一旦ついた癖、というか、もともとそういう飛び出し方をしてたのは、早々簡単には直らないようで、上体の半分伸ばし、下半身の半分押さえも、出来てるかどうか判らん様な感じでした。恐らく、加速に耐えられない○首で飛ぶため、中途半端な姿勢しか取れないんだろうなと思います。

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二日目のランチ樹林
ひじきは食べれますが、無理して食べませんw


■ブレーキを使っているか?

   最後に本コースで実走行。久しぶりに本コースを走った訳ですが、やはりいつ走っても難しいな、と感じます。まぁ、教習用コースですから難易度が高めなのは当然ですが、そろそろ気持ち良く走れる様になりたいものです。
   ともかく、習った事に意識を集中して走ったのですが、スローペースならともかく、ちょっとペースを上げると習った事が頭からすっ飛んでいく感じです。それでは意味がないので、とにかく多少ゆっくり気味でも習った事を確実に出来るように走りました。
   何周か走ったところで、アドバイスが入りました。それは「立ったまま加速するのは難しいし、加速に遅れそうにもなる。ジャンプ飛んでストレートに入ったら、サッと座って一気に加速してみる。まずはエンジンの回転をピークパワーまで回さないと」というものでした。そこで、ともかく着座して加速に耐える姿勢をして、アクセルをガバ開けする様にしました。どうしても気ばかり急いて、直ぐ立つ癖がありますが、立っているより座った方がまだしも耐えられる様です。
   今度は先生から呼び止められて「ちゃんとブレーキ使ってる?」と言われました。というのは、速度が上がり過ぎればブレーキ使って、曲がったり飛んだり出来る速度に落とせば良いのだが、ブレーキ使わずエンジンブレーキを頼りにしているから速度も落とせず、そこから開けるのも怖くなって、自然にダラダラした走りになる、との事でした。そこで、ちょっとの距離でも開けてブレーキ掛けて、という具合に走る様にしました。
   ともかく、ビッグジャンプを通過した後のストレートで、着座して最大加速を入れて、ブレーキングして本部の前の緩やかなコーナーを通過する、というのを繰り返しているうちに、ようやく走りにメリハリが少し出来てた様に感じました。

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東京の方では雨が若干降ったそうですが
市貝の方はぱらつく程度で辛うじて持ちました
日が落ちるのが早いので、急いで洗車して撤収態勢に入りました


■癖、身体の使い方

   この2日間のスクールで感じたのは、「意識しない事には、人間は楽な方法で身体を使うもんだ」という事です。それがたまたまバイク乗る上で合致した使い方なら良いのですが、自分の場合、ことごとく反対である事が多いです。まぁ、それは仕方のない事でもあるので、何が反対で何が間違っているのか、それをベストテクスクールで習っている訳です。恐らく、習わなければ、一生知らずに終わっている事ばかりです。
   習って感じる事は、「バイクの乗るというよりも、如何に身体を使うか」という事でした。例えば、水泳には水泳に必要な身体の使い方がある様に、バイクにはバイクに必要な身体の使い方がある。それを知らなくても泳げますし、バイクも走らせる事が出来ますが、正しい使い方を習う事で、より効率的に身体を使う事が出来、結果、楽しく泳いだり走ったり出来るようになる訳です。
   癖というのは、普段何気なくやっている身体の使い方で自然に身に付く事ですが、それは人に指摘されない限り気が付かないものです。また、指摘されたら意識して直そうとしない限り直らないものでもあります。その意味で、自分はまだまだ意識してない癖が色々あって、直ってない結果があの走りんだなー、と感じました。

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ハンコが3級の方にめり込みそうになりました