アルコールバーナーで有名なトランギアはスウェーデンのメーカーですが、そのスウェーデン軍が採用している飯盒にも、TR-B25と同じ構造のアルコールバーナーが入り組みされているのは、結構有名な話しです。ところが、このNCバーナーは、TR-B25に比べるといまいちパッとしない印象です。パッしないだけに、自分は過去に2回もこれを手にしながら、いずれも手放してしまっています。その理由は、飯盒は日本の兵式飯盒の方が使い勝手が良いし、バーナーもTR-B25の方が使い勝手が良くて、かつアクセサリーも豊富という事で、あえてこのNCバーナーを使う必要も、手元に置いておく必要も感じなかったからです。
   とは言え、はやり何となく気になるのも事実で、自宅でコーヒー淹れたり飯盒でメシ炊いたりする機会が増えた事を受けて、三たび購入の運びとなりました。


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スウェーデン軍制式アルコールバーナー、SVEA NC
本来は飯盒&風防の入組品ですが
さすがに飯盒は使い途がないので、別個に買いました
スウェーデン軍飯盒については、このブログが詳細です




■TR-B25との比較

   まず、見た目にSVEA NCの方が大きい訳ですが、TR-B25がタンク直径68mm、高さ42mmに対して、SVEA NCはタンク直径83mm、高さ47mmとかなり大きめです。ちなみにタンクの高さはどちらも24mmでした。タンクが大きいだけに入れれる燃料の量も多い訳で、燃焼時間はTR-B25より長めです。

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タンクの高さは同じですが、バーナーヘッドがNCの方が伸びています
ちなみに、バーナーヘッドは若干NCの方が大きく
キャップに付いている液漏れ防止のゴムは
TR-B25の物が使えません

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見るからにNCはデカいタンクです
タンクの底には、スウェーデン軍の紋章とNC65 SVEAの刻印があります


   火の付き方にも違いがあって、TR-B25は低く横に拡がる感じですが、NCの方は高く真っ直ぐ上がる感じです。恐らくバーナーヘッドに開けられた穴の大きさの違い(TR-B25よりNCの方が穴が小さい)から来る差だと思いますが、実用上は大して差を感じませんでした。

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左がTR-B25、右がNC
無風状態では火力に大きな差はありません
むしろ、タンク容量が大きい分、TR-B25より長時間使えるのが特徴でしょう


■五徳の解決

   このSVEA NCは、先に述べた様に飯盒の入組品なのですが、その飯盒には専用の風防兼五徳があって、これにバーナーをセットして使います。ところが、このNCの不幸な点は、この使い方以外に使いようがない、という事でした。つまり、TR-B25の様に市販の五徳がまったくなく、TR-B25ほど使っている人が少ないせいか、五徳を自作している人もあまり見かけず、精々良いところ、トランギアのトライアングルグリッドを使ってる人が居る程度です。
   実は自分も、トライアングルスタンドみたいなのを自作しようかと思ったのですが、このサイズのバーナーです。トライアングルスタンドみたいな形だと、相当大きな物になりそうで、場所取ってしかたないと思いやめにしました。
   そこで目を付けたのが、ミニトランギアに入っている純正のTR-281。パッと見た目にSVEA NCが入りそうに見えましたし、中の爪を広げればあのデカいタンクも入れれそうに感じました。そこでやってみると、あつらえたみたいにピッタリ収まりました。

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トランギア純正のTR-281
アルミ板の打ち抜きで作られているので
中の爪も簡単に広げる事が出来ます

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入れてみると、これがピッタリwww
これに収まるという事は、角形クッカーにも使えるという事です


   問題は、TR-B25よりもNCは背が高いという事です。つまり、TR-B25で最適化された五徳だと、バーナーヘッドから鍋底までのクリアランスが狭くて、熱効率が悪いかもしれない、という事です。実際に使ってみると、一番火力の強そうな部分は逃してる感がない訳ではありません。しかし、TR-B25に使うアリゾナストーブでも同じ様に、純正五徳よりも火の高さが低くなる五徳もありますので、まぁ、気にしても仕方ないかな、とも思います。

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こちらがTR-B25をセットした場合
恐らく、これが一番熱効率が高い高さなのでしょう

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こちらはSVEA NC。高さがTR-B25の時の半分くらいです
火が十分に出る前に大きな鍋を載せると
火が消えてしまう事があるので要注意です


   ところが、カリタのコーヒーポットの様に、五徳の内側に底がめり込んでしまうと、バーナーヘッドと底とのクリアランスがさらに少なくなって、勝手に火が消えてしまう事がわかりました。これではさすがにTR−281は使えません。アリゾナストーブはそのままではSVEA NCのバーナーヘッドに被せる事は出来ませんので、逆さまに載せるより他ありません。もっとも、バーナーヘッドと鍋底のクリアランスの問題で、トランギアTRーB25の時もこの様にして使う事があるので、このやり方で問題がある訳ではありません。

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このくらいの高さの方が、実は熱効率が高かったりします



   そこでさらに閃いたのは、ホワイトプロダクトの缶入り固形燃料、ケイネン160の五徳を使う、という事です。この五徳は、トランギアTR-B25にはバーナーが小さくて使えませんでしたが、NCは大きいので行けそうです。実際載せてみると、しっかり使えました。しかも五徳を広げてバーナーに被せる事で、角形クッカーに納める事も出来ました。バーナーの縁に五徳を載せてるだけなので、うっかりするとずれて鍋が転ける心配がありますが、アリゾナストーブよりも火が素直に上がるので、自分はこちらの方が使い勝手が良いと感じました。

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載せる時は、五徳を少し締めて、縁にちゃんと乗る様にします
コケネンの時ほど五徳が熱々にならないので
綿の軍手を着けていれば、五徳を外す事も出来ます

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五徳を広げてバーナーに被せる事で
角形クッカーに仕込む事も出来ました。
予備でアリゾナストーブがあれば完璧でしょう


■フタの注意事項

   もう一つの問題点は、消火の際にはTR-B25と同様にフタを被せて消火するのですが、TR-B25は火力調整蓋を被せて消火出来るのに対して、NCはゴムパッキン入ったフタそのもので消すしかありません。となると、熱々のバーナーヘッドにパッキンのゴムが当たる訳で、劣化が心配です。ちなみに、TR-B25のゴムパッキンは小さいので互換がありません。つまり、大事に大事に使う必要がある、という事です。
   TR-B25の火力調整蓋でも消せるのですが、NCのフタにはセット出来ないので、持ち運びに難があります。まぁ、TR-B25のフタのゴムパッキンも15年も持っているので、大丈夫じゃないかと思うのですが、自分はずっと火力調整蓋で消火してましたので、ダイレクトにパッキンが火に当たり続けたら、意外と脆いかもしれません。
   そこで考えたのが、フタを被せて消火したら、さっと取り外して、逆さま向けにして被せる、という方法です。これだとバーナーヘッドの小穴から揮発したアルコールが逃げるかもしれませんが、大穴の方は塞いでいるのでそうそうアルコールが無駄に揮発する事はないでしょう。しかも直でゴムパッキンに熱が当たらないので、比較的パッキンを守りやすいと思います。

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上がTR-B25のフタと火力調整蓋、下はSVEA NCのフタ
ゴムパッキンに互換性はありません

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火を消したら、直ぐにこういう感じにする
揮発や引火の危険は最小限に抑えられるでしょう


■付属ボトル

   以前、スウェーデン軍飯盒を買った時にも、付属でボトルが付いてきたのですが、今回も付いてきました。スリークラウンのスウェーデン軍の紋章の下に「RODSPRIT MYCKET BRANDFARLIG GIFTIG」と書いてあるので、グーグル翻訳で調べてみると「変性アルコール、メッチャ可燃性。毒」という意味らしい事が判りました。まぁ、アルコールですから無色透明なんで、水と間違えてもいけませんし、ちゃんとエタノールが入ってるという風に書いておかないと、うっかり飲んで良い気分になって、目潰れましたー、でも困りますしね。
   ときにこのボトル、容量は300mlくらいなんですが、屋外で使うと考えて、仮に飯盒に風防をセットしても、2回も補給したらなくなってしまう量です。さすがにこれだけじゃ足りないのか、1リットルくらい入るボトルも使っている様です。もっとも、1リットルもアルコール担ぐのって、結構しんどいと思うのですが、その辺は北欧人はへっちゃらなのかもしれません。

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ポリ製ですが、そこそこの強度があります
キャップもプラですが、液漏れしません