これまでに様々なバーナーやストーブやコンロを使ってきましたが、このカセットガスジュニアバーナーは「カセットガス」と言うだけで、極めて低い評価しか与えてなかった様に思います。しかし、購入からかれこれ9年以上が経ち、なんだかんだで今でも使い続けているのが、このガスバーナーです。ここ最近、自宅でコーヒーを淹れる習慣が出来、その湯沸かしで再び押し入れから引っ張り出してきたのですが、改めてその利便性、汎用性の高さに気付いたので、ざっくり感想を述べたいと思います。


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9年物のカセットガスジュニアバーナー
でも、ちょっと黒くなった程度で、どこも壊れてませんw




■意外に場所を取らない

   ガス缶が横置きタイプのバーナーというのは、重心が低くて安定感がある一方で、場所をやたら取るという特徴があります。特に燃料タンクとバーナーをチューブで繋いでいるタイプはそうです。
   ところが、カセットガスジュニアバーナーは、カセットガスとバーナーが直結になっているので、アッチとコッチ的な場所取られ感が少ないです。特に小型のカセットガス(これがカセットガスジュニアという名称で、このバーナーの名前の元)を使った場合はその傾向が顕著で、トライアングルスタンドにセットしたトランギアと大して差がありません。市販のカセットガスでは、さすがにボックスティッシュ程度の場所を取る様になりますが、それでもチューブで繋がれた分離型ストーブに比べたら、邪魔っ気感は少ないです。
   チューブで繋ぐ分離型ストーブの最大の欠点は、火が点いた状態では動かすのは不可能、という点であろうかと思います。まぁ、そもそもそんな使い方を想定もしてないとは思うのですが、このカセットガスジュニアバーナーはカセットガスの部分を持てば、動かす事が出来ます。ちょっとバーナーを移動させたい時に、これは有り難い利点です。

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奥のトライアングルスタンドを比べても、大差ありません
地面には熱は来ないので、そのまま置いて使えるのが便利です

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市販のカセットガスを付けても、この程度です
バーナーに直付けなので、邪魔に感じません

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こういう使い方は本来は不可ですが
バーナーを動かしたりする事はない訳ではありません


■載せる物を選ばない

   カセットガスを使うバーナーで、汎用性の話しとなると、「カセットガスだからどこでも燃料が買える」といった話しに終始するのですが、このバーナーの汎用性の高さの一つは、「載せる鍋釜のサイズを選ばない」というのがあると思います。具体的には、カセットガスジュニアバーナーはシェラカップから4リットルのヤカンまで載せる事が出来ます。多くのバーナーは、小型の物は大きく重い鍋が載せられず、大型の物は小さい鍋を載せる事が出来ません。基本的にはソロ用のバーナーですので、大鍋を使う事なあまりないのですが、それでもヤカンで湯が沸かせる能力は、高い評価を与えて良いと思います。これはすなわち、このバーナーが堅牢である事も意味してるからです。

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ソロバーナーとしては大きい部類に入るカセットガスジュニアバーナー
でも、ちゃんと小さい鍋も安定して載せられます

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ソロ用のバーナーとして、この手の物が載せれるのは
他に例を見た事がありません



■火力について

   カセットガスジュニアバーナーを山に持って行ったら、火力が低くて難儀した、という話しがチラホラ見えますが、そりゃそうだろうな、と思います。実際に宇都宮の山の方にあるベストテクコース市貝に持って行った時、飯盒で飯を炊いたら芯飯になったりしましたし。基本的にはソロ用である事、カセットガスを使っている事、どっちかというとツーリングや簡単な車中泊、防災用を目的として作られている事、そうした事を考えた時、登山だったらもっとコンパクトで火力の強いのがあるのだから、そっちを持って行くべきだと思います。
   それを踏まえた上で、カセットガスを使うにしては、そこそこの火力を持っている、という評価を与えています。ちなみに、厳冬期の車中泊では、コレを数分間燃やして、暖を取る事がしばしばありましたが、ヒーター代わりとしても重宝しました。

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ガスだけに、とろ火は得意中の得意です
全開にして使うよりも、中火より下で使う方が全然多いです

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最大火力。結構派手な音がしてます
ただし、バーナーヘッドが小さいので
大きな鍋で料理すると、火の当たる面積が狭く焦げやすいです


■収納性

   このバーナーに限った事ではないですが、ストーブ自体と燃料を入れる容器というのは、それこそタンク一体型のガソリンストーブみたいなのでない限り、パッキングに頭を悩ませるものです。大きさも形も全然違ったりしますから。しかし、カセットガスジュニアであれば、形はともかく、大きさは似たり寄ったりなので、パッキングしやすそうです。
   もっとも、カセットガスジュニアは、普通サイズのカセットガスの半分の容量しかありません(普通サイズは250g、カセットガスジュニアは120g)。なので、ガスが足りなくなったらどうしよう、みたいな考えもあって、普通サイズのカセットガスを持って行きたい気も判らないでもないのですが、1泊2泊の一人のキャンプや車中泊で、120gを使い切る様な事はまずないので、小さいので十分だと思います。

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恐らく、バーナーの大きさとケースは
カセットガスジュニアの大きさを超えない様に設計したのでしょう


(初出:2006年10月26日