オプティマス123Rでトラディッショナルなバーナーの味をしめた訳ですが、背中に荷物を担いで出掛けるとなると、少しでも荷物を軽くしたい。そこで目をつけたのが、オプティマスに輪を掛けてトラディッショナルに見える(古さならオプティマス123Rの方が古い)トランギアTR-B25だったのです。


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●タンク容量/113cc●燃焼時間/56分●サイズ/径7.5×高4.5cm●重量/110g




■アルコールバーナーの魅力

   アルコールバーナーは火力が弱い、という事で敬遠されがちなバーナーなんですが、確かに弱いです(爆)。具体的にどう弱いかと言うと、ガソリンやガスのバーナーなら、キャンティーンカップの水が4分もあればボコボコ沸いてきますが、アトランギアTR-B25では10分たってもチロチロと細かい泡がガップの底から上がってくる程度です。トランギアTR-B25、元はストームクッカーのバーナーとして使われるもので、ストームクッカーにはフライパンも付いているくらいですから、フライが作れるほどの火力を発揮するはずです。もっとも、風から保護され熱が逃げない構造のストームクッカーならそれくらいの火力があるのでしょうが、むき出しではかなり弱まるのかもしれません。
   しかし、それでも立派にメシも炊けますし、ラーメンも作れます。特にメシは弱い火力が幸いしてガソリンバーナーよりフックラ炊けます。火力が弱くて困るのは、メシ炊いた後にラーメンがなかなか煮えないとかその程度で、「そういうもんだ」と思えばどういう事ない程度の不便さにしか感じません(爆)。
   風には弱い、と言うか、風に吹かれても火力を落とすまいて必死になって燃えてくれるんですが(かなり健気です)、その分燃料消費が激しくなります。

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こういう状況下では、あっという間にアルコールがなくなります
(2005年12月31日、本須賀海岸にて)



■TR-B25のタンク容量

   ところで、これまであまり気にもしてなかったのですが、TR-B25にはどのくらいのアルコールが入るのか。メスシリンダーで計ってみました。
   いつも入れる量は、入る容量一杯いっぱい、ヘッドの回りの穴からアルコールが染み出してきたら慌てて入れるのを止める、といった感じでした。カタログスペックでは50ccと書いてあるのですが、実際は113cc入りました。どうりで飯盒メシが3回も炊けたはずです。一応、50ccのアルコールで25分燃焼するそうですが、113ccだと56.5分燃焼する計算で、大体3回はメシが炊ける時間、燃えるという事です。

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本当はアルコールを入れっぱなしで保管しない方が良いらしい



■TR-281…トランギアの悩ましい悩み

   トランギアTR-B25は、もともとはシステムクッカーのバーナーとして使う目的で開発されたと思うので、これ単体では使う様には考えられてなかったと思うのです。とは言え、こんだけコンパクトなモノをコンパクトに使えないというのは些か問題と考えたのか、トランギアの方でも簡易な五徳を出しています。

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トランギアTR-281
アルミの打ち抜き製で、軽い割には結構重い物が載せられます


   この五徳も、やはり元はミニトランギアという、簡単な鍋とフライパンのシステムクッカーに組み込まれていたものでした。今のところ、トランギア純正の最小の五徳がこれですが、シェラカップの様な鍋底の小さなクッカーを載せる事は出来ません。ただ、そこそこ頑丈ですので、4合炊きの飯盒とか載せても大丈夫です。
もっとも、この五徳をしても嵩張る感は否めません。しかも形が形だけに、このままではパッキングするのもためらわれます。結局、他のクッカーの中に収納する形でないと行けませんので、バーナー自体のコンパクトさが活きない事になってしまいます。

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飯盒とかなら大丈夫ですが
キャンティーンカップや細口コーヒーポットはギリです

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収納はこういう形を取らざるを得ない
しかも、入れれるクッカーは大きめになってしまう


   この五徳は、上がイケイケに開いてますので、火を消す時に火力調整キャップをポンと被せて消す事が出来ます。というか、それがこの種のアルコールバーナーの正しい火の消し方なので、それが出来る様に考えて作ったのでしょう。これがバーナーヘッドに載せるX型の五徳だと、まずX型の五徳を外さねばならないので、ちょっと面倒です。

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火の消し方は至って簡単
もっとも、時々失敗して、斜めに被ったりする事がありますがw


(初出:2005年10月24日