このところ、週末になると天気が悪くて、今月初めの二つのレースも、いゃ〜んなコンディションでした。しかし、そこで感じたのは、「もっとバランスが上手に取れて、かつガッチリ固まれば、もっと繋がりよくスムーズに走れるのではないか」という事でした。
   そこで、土曜日にリンクやステムなどのグリスアップと言った整備をやって、日曜日にスクールを受けに行く事にしたのですが、またしても週末に天気が崩れる予報。予報を見越して、洗車機の試運転マフラーの換装は先に行ったものの、土曜日は一日中雨で、しかも鼻風邪ひいてしまって、日曜日はどうするかなー、みたいな感じになってしまいました。
   しかし、ここで受けなければ、次に受けれるのは5月になってしまいます(先生がスズキワークスの監督に就任したので、シーズン始まったら転戦されるから)。4月はヒーローズとWERの第3戦に出場するため、それまでに受けておく必要がありました。そこで多少風邪が残ってましたが、元気に出掛ける事にしました。


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鬱蒼と立ちこめる霧
道中の4号線でも、いきなり信号待ちの車が現れたりで
かなりビビりました




■体幹トレーニング

   宇都宮に迫るにつれて霧が濃くなり、BTC市貝に着いても霧が出っぱなしだったのですが、取り敢えず雨は夕方かららしいのでバイク降ろして準備を始めました。これまでだと、前日に雨が降ったとなれば、コースはエライ事になってるに違いないので、そういう時はスクール受けても身に入らないという事で敬遠していたのですが、去年の8月に雨の翌日に受けて以来、その考えを改めていました。むしろ、こういう時だからこそ、受けておくべきと考えた訳です。
   その霧も先生が来る頃には消えていました。その先生曰く、画期的なテーマが見つかったとか。もはや完成形ではなくて、完璧形だそうです。最終奥義っぽいものらしいです。とは言え、それが何なのか、自分らには判りません。先生の話しを掻い摘んで書くと、コーナーとかワダチとかでフラフラする人は、体重心はあっても軸がない、という事だそうです。ヨットのマストの根っこの部分が折れていて、タライ船みたいになっている状態で、路面の状態でユラユラゆれてしまう。その話しを聞いた時、自分は体重心に軸というか棒が刺さっている、あるいは軸の周りに体重心があるとイメージしたのですが、そうではないのだそうです。
   では、バイクに乗ってやってみましょう、という事でフォームのチェックを受けたのですが、骨盤立てて、肩固めて、前傾して、立って、コーナーリングの姿勢とってみー、の時に、これまでの自分の意識の持ち方、姿勢の固め方だと、あっさり身体が起こされてしまいます。起こされまいとすると、肩だの腕だの、要するに身体の外側で耐えなければならない。そうじゃなくて、腹筋の外側に力入れて〜っと言われました。が、最初は力が入りません。というのも、そんな格好でそんな所を力ませた事がないからです。というか、バイク乗ってる時に、胸から上、腰から下は意識してましたが、腹なんか全然意識してませんでした。でも、だからこそマストの根っこが折れてる状態だったみたいです。
   あれ、あれれと何度か意識してやっているウチに、取り敢えず力は入る様になってきましたが、それでもまだしっくり来ない感じ。なんか、最近流行の体幹トレーニングやってる様な気分でした。

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フォームのチェック
日頃意識してない事ってのは、最初は違和感があるものです


■グチャグチャの南コースで違いを体感

   空はどんどん曇っていき、こりゃ夕方まで持たんかもー、とか思いつつ、南コースへ。案の定、コース全体が水貯まってグチャグチャです。最初は一速で恐る恐る走ってみましたが、奥のダラダラコーナーからコブを飛んで着地した辺りまでがグチャグチャ。こりゃ、危ないなーと感じました。
   そこで、早速習った要領を試してみました。始めのウチは、まだ実感がなかったのですが、段々コツが掴めて来て、コーナーに進入する時に、グッと力を入れて固める要領が判ってきました。すると、これまでグチャグチャの時にはよくフラついてた奥のダラダラコーナーが、段々フラつかない様になってきました。実際にはリアが振れたりもしてたのですが、グッと抑えている様な感じ。滑って怖い〜っという感じがドンドンなくなっていきました。
   慣れてきたところで、「加速は下、アクセルオフで先」の目線も組み合わせて、アクセル開ける様にしました。そしてコーナーの時や車体が振られた時に、マストの根っこが折れない様に意識しました。すると、走れば走るほど、これまで意識して出来る様になり、身体が反応してくるのが判りました。「これが路面に教えられるって奴かなー」とか重いながら、泥の中でアクセル開けて走っていました。
   ただ、走りながら感じたのは、腹回りの肉がすごく邪魔、という事でした。今まで、腹回りなんか全然意識してなかったので、邪魔もヘッタクレもなかったのですが、意識する様になると、贅肉がプニプニ邪魔して、言われた事が出来てないんじゃなかろうか、と思うくらいです。この3年ほどで大分太ったとは感じてましたが、体機能的に太ったのを実感した瞬間でもありました。

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本日のランチ樹林
誠に自分好みの内容だったのですが、ダイエットモードなので1/4でストップ
残りは帰りの道中に食べました


■本コースもグチャグチャ

   実は月末のモチュールカップの開幕戦に向けて、ブルを入れてコースを徹底的に改修したとの事。なのに雨で乾く暇もないという事で、本音を言えばあまり走って欲しくない時期なのですが、やっぱ習った事は試したい。でも、初級中級コースはそれはもう、エライ滑りようなのは見るまでもなく判るので、本コースのショートコースで試しましょう、という事になりました。
   とは言え、本コースの方もかなり地面がユルユルです。しかもジャンプやフープスが尖っているから、ちょっと怖い。大事なのは体幹トレーニング(笑)の方なのであまり無理せず、むしろ目線だの側腹筋だのに意識を集中して、習った事が出来るかどうかの方をメインに走りました。しかし、それらは走り出した途端に、ビビーンと身体の方に情報が入ってくる、というか反応するというか、これまでとは違う乗車感覚を感じる事が出来ました。
   ショートコースはa-かぁ坂を下らず左に逸れて、左のタイトコーナーを登ってビッグジャンプに向かうのですが、このタイトコーナーが曲者でした。ただでさえ滑りやすい上に、表土が10cmほどグズグズで、1回目は一発で登れず、一旦下まで降りて思いっきりアクセル開けてようやく突破しました。ところが、2周目の時に、皆さんここでスタックしてしまい、もちろん坂も掘り返してしまう状況。このまま無理して走っても、せっかく整備したコースがメチャクチャになってしまう、という事で本コースを走るのも中止となりました。

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ものの見事にグチャグチャ
しかも予報より早く雨が降り出しました



■南のエンデューロコースを楽しむ

   そこで、南コースとその周辺のエンデューロコースで実走行をする事に。つまり、パドックの下を通って、大坂を下り、ケモノ道を降りて、また坂上がって南コースに復帰する、という道順です。実をいうと、ケモノ道を下っていくの、苦手だったりします。モチュールカップで崖落ちした事はありませんが、練習で落ちた事があって、以来ちょっと苦手です。案の定、立ったまま通過しようとして、転けてしまいましたが、山側に転けたので助かりました。
   何周か走ってみて感じたのは、「これは面白い」という事でした。そんなに開けれた訳ではないのですが、しんどさがない。かなり楽に走っている感じなのです。今までだったら、3周も走れば結構疲れたと思うのですが、全然疲れません。あと、車体が振られたりすると、これまでなら止まるほど車速が落ちたり、実際に止まってたりするのですが、今日は逆に開けて取り敢えず通過、みたいな感じです。おいおい、何だかスゴイな、と感じました。
   面白いのでもっと走ろうと、2本目を走り出したところで、ポツポツと雨が。まだ1400時頃なのに、予報より早めに降り出しました。それでも面白がって走っていたのですが、ケモノ道をいざって降りていると、急にバイクが動かなくなってしまいました。何度やってもエンスト。泥の中走って、まさかクラッチが滑ったのかとも思いましたが、トレール車じゃあるまいし、そんなヤワなクラッチじゃないはずです。バイク降りて(狭いケモノ道ではバイク倒したらアウトなので、注意が要った)足回りを見てみると、チェーンがガビガビに張って動かなくなっていました。どうやら、チェーン周りが泥で埋まってしまって動かない様でした。
   仕方ないので、指で取れるだけの泥や土を取り除いてみると、辛うじて動いてくれたので、それで何とかトラブルクリア。雨はいよいよ本降りになってきて、これ以上走って濡れたら、風邪をぶり返しそうだったので、今日のところはこれで上がる事にしました。

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いよいよ本降り
さすがにバイクは雨洗車という訳にはいかず
しっかり洗車しました

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マディの時は何もかも泥だらけなので
着替えた後も仕舞うに仕舞えず、取り敢えず積んどけ状態ですw


   今回は、あえて路面のコンディションが悪いと予想されるのを狙って受講したのですが、かなり効果が高かったと思います。バランスを取る姿勢を作るのが受講のメインでしたから、バランスを大いに取らねばならないコンディションであったからこそ、学ぶものが多かったと思っています。これがドライなコンディションだと、路面に助けられて違いを感じ取りにくかったかもしれません。
   でも、見方を変えれば、自分もこんなコンディションの時にスクール受けよう、という気になるほど、上達したという事かもしれません。ベストテクスクールを初めて受けたのは、2009年3月の事ですが、あれから満3年経ちました。あの時も朝方雨が降って、路面が悪かったのですが、走りにくいというよりちょっと怖かったのを覚えています。リザルト的にはずっとビリ続きでも、やはりこの3年で上達した事が多いにあったと思います。
   石の上にも3年、という言葉がありますが、考えてみれば、第1回目のスクールの時から今日に至るまで、習いに来るスタンスにはブレるものがなかったな、と思います。バイクの上では、まだ軸はブレまくりですが、一個の生徒としては、軸はブレてないな、とか思いながら帰宅しました。

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今回もMVP
自分も徐々に違いの判る男になってきたかな?