今月はモチュールカップ最終戦、WER最終戦と、成績の奮わないレースが2回もありました。3年頑張ってきて、確かに走りの中身は大分良くなった訳です が、まだまだそれが成績に反映されない、となると多少どころか、かなりガッカリだった訳です。しかし、ここで諦めたらこれまでの努力はすべて水泡に帰して しまう、というものです。ツライと思う時こそ、踏ん張りどころです。





=24日=

■身体の外側が伸びるか

   今回は夜に毎年恒例のベストテク忘年会があるので、昼から来てる人がいるかなー、と思ったのですが、大勢の生徒さんが集まってました。
   まずはいつもの様にフォームチェック。背筋を伸ばしてアウト側を高くして、というのは頭では判っているつもりでも、実際にやってみるとしっくり来ない。そ こで先生にフォームを作って貰うと、身体の外側がビキビキと音を立てて伸びていきました。日頃、背筋を伸ばすなんてあまりやらないのですが、先生曰く「背 筋を伸ばすと、ナントカという物質が出て身体に良い」のだそうです。どんな物質なのか判りませんが、ネットで調べてみると、基礎代謝量が1.5倍に増えて ダイエットに良いそうです。
   フォームのチェックのあと、いつもの様に南コースでウォーミングアップ。ずっと晴れ続きだったのか、砂埃がたつほどカラカラに乾いていました。その代わ り、コーナーの立ち上がりは相当掘れていて、トロトロ突っ込んだらフラついて危ないです。みんな掘れたところを避けてアウト側を走る様にしてました。
   慣れた頃合いを見て、徐々にピッチを上げていったのですが、奥のコーナーは乾いてるせいか、うっかり姿勢を間違うと車体がインに倒れ込み過ぎたり、ちょっ とした石ころを拾って滑りそうになったりで、ヒヤっとする事が何回かありました。また手前のタイトコーナーでも、ギクシャクした感じをムリムリ曲がってる 様な感じでした。

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A野さんのバイクは、懐かしのDR350
10年ぶりの復活だそうです(バイクもライダーもw)


■アウト側の足

   そこで先生からアドバイス。車体を傾けてコーナーに進入して着座する時、アウト側の足で踏ん張ってゆっくり着座する様にしなさい、との事。今までは車体を 傾ける事にばかり頭が行っていて、アウト側の背筋伸ばして車体を傾けたあと、イン側の足で踏ん張る様にしていました。しかしそれだと、足出して着座する 時、どうしてもドシンと座る形になってしまいます。まずこれがよろしくない様です。
   そこで、言われた様に着座の時にアウト側の足で踏ん張って、ゆっくり着座する様にしてみました。すると不思議な事にコーナーがスムーズに曲がれる様になり ました。今まではちょっとしたギャップがあったりすると、直ぐにフラフラして不安定になっていたのが、アウト側の足がダンパー代わりになるのか、じんわり 座れてとても安定感がある。コーナーが安定するから、立ち上がりもスムーズに加速に移れて、ジャンプの挙動まで良くなってきました。
   徐々に判ってきた事ですが、車体を寝かす時に、上半身のアウト側が伸びると同時にイン側の足にも加重が掛かりますが、車体が寝たあとはアウト側の足を踏ん 張る様にする(といっても、ステップ加重という意味ではないですが)。そうする事で、斜めに寝た車体を上から地面に押さえつけ、ベクトル転換しやすくする 様です。
   お昼を食べてから、初級中級コースでも試してみましたが、非常にコーナーが曲がりやすい。まず、アウト側の足の方で車体を押さえているので、車体の寝かせ がキープされてる感じがします。また着座も今までがドカっと座り込む感じなら、今回は羊羹を包丁でゆっくり切る様な感じ。地面のデコボコとか気を遣わなく ていいので、立ち上がりの加速に集中できる感じでした。

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先日、関東戦で力戦したNMR殿、一年ぶりのスクールだったとかw
習う事盛りだくさんでしたね


■本コースをスムーズに

   初級中級のあと、本コースへ。大分陽が傾いてきて西日がキツイので、早めに習った事を試してみました。
   まずは2速でゆっくり走ってみたのですが、その時点でスムーズに走れてビックリしてしまいました。まるで、本コースが簡単になったのかと思うほどです。今 までだったら、入る下りの右コーナーや、登り左コーナーはスゴイ苦手で、その後三日月コースに向かう登りの右コーナー、そ して中級コースに出る左コーナーなど、どれもこれも上手く曲がれない所ばかりなのに、今回は全部ノーミスでした。
   そこで、徐々にピッチを上げて、3速メインで走ってみました。3速で走った方が、フープスも2個飛びが出来るし、ギャップに引っ掛かりにくい ので、かえって走りやすかったりします。それでもアウト側の足を踏ん張る事でどんなコーナーでも安定して通過する事ができ、いつも以上にスムーズに走れる 事が判りました。
   3回ほど走って、今日はこれから忘年会もあるし、そろそろ上がろうかなー、とか思ってたら、足の具合が悪くて先に上がってたdb殿から走りを見たいと言わ れてしまいました。仕方ないなー、という事で3周ほど走って戻ってみると、先生から「直線でもっと開けて」と言われました。前から言われてる事ですが、本 人は至って必死で走ってるので、これ以上どないせい、という感じです。
   そこで、ショートコースで更に数回走りましたが、それでもダメ。自分もどうしていいか判りませんが、先生もどうして自分がこうもアクセル開けれないか見当がつかん、という感じでした。

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いつも恒例のランチ樹林のお弁当
ご飯てんこ盛りですが、完食しました(腹がきついですw)


■今年最後の課題

   アクセルをガバっと全開にする、ジャンプの斜面でバッと歯切れ良くアクセルを開ける。これは随分前からの懸案事項でした。忘年会の席上でも、上級生の人達から、「加速に耐える姿勢が出来てないのではないか? 」「ブレーキが使えてなくて減速できる加速しか出来ないのではないか?」「直線の6割までは開けて、あとはオフにすれば良いんだから」「あとはやるしかないでしょ」等々の意見が出たのですが、そういうのを踏まえた上で、開かないものは開かない状態なのです。
   アクセルを開けるには、手首を回して開ける訳ですが、いざ走り出してみると、手首が動かない感じなのです。開けるつもりがないのではなくて、文字通り動か ないといった感じです。開けるにしても、一気にガバっという風には開かず、だら〜んという感じです。従って急加速ではなく緩加速しか出来ません。ジャンプ もお釣りがくる様なアクセルワークが精一杯です。
   これまで70数回スクールを受けてきて、ライディングも全般的に良くなってきましたが、いよいよ自分の一番解決せねばならない課題が明確になってきた様です。それを解決できたら、レースの成績にも多少は影響を及ぼせるでしょう。

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毎年恒例のベストテク忘年会
酒飲めない自分は、いざ酔いさんに来るのは忘年会の時だけですw



=25日=

   明けて25日は、忘年会で2〜4ヒートまで行ってしまう人が多いので生徒さんの数は少ないだろうと思ってたら、少ないどころか自分一人ww db殿のお友 達が沢山フリー走行に来てましたが、自分は先生とサシでスクールとなりました。そういえば、マンツーマンでスクールを受けるのは3月の大震災以来です。こりゃぁ、シゴかれるなーと思ってたのですが、先生も2ヒート目までお付き合いしたとかで、ちょっとお疲れ気味だったので助かりましたw

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当初は車中泊の予定でしたが
パドックは夜マイナス4度という事で、急遽、ニューイタヤに泊まりましたw


■手首はどうなってるか?

   二日目のテーマは、ずばりアクセルワーク。アクセル開けようにも手首が動かない事を正直に先生に話しました。そこで先生から言われた事は、自分の走りはア クセル開度2〜3ミリのビギニングの状態の手首になっているのではないか、という事でした。つまり、それ以上開かない手首になっている訳です。
   どういう事かと言うと、自分はアクセルの上から手をおいて握って2〜3ミリのビギニング操作をしていました。ところがこれだと、まずアクセルをガバっと開 けようにも手首が回しにくい事。加速に耐える姿勢が取りにくく、ジェットスキーみたいにハンドルにぶら下がる格好になりやすい事。この手首で思いっきり加 速しようとすると、じわーっとしかアクセルが開かないので急加速は無理で、セクションの手前でようやくピークパワーに達する様な加速になる。しかもハンド ルにぶら下がっていつまでも加速Gに耐えるハメになってしまう。総じて加速に耐えられないので加速しようとしないし、またその手首ではGを受けない加速し か出来ない、との事でした。
   ではどうすれば良いのか。先生曰く、「アクセル開度15mmの手首を作る」との事でした。つまり、奥襟をつかむ様に手首をアクセルの奥に回して握り、アク セル開度15mmまで一気に回せるよう手首に余裕を持たせる握り方をしなければならない。また、アクセルの遊びの部分を感じる事で、アクセルを回してエン ジンの回転を上げる位置を知る必要がある。等々
   実際にバイクにまたがってやってみると、今までの自分のアクセルの握り方では、アクセルを開けようとすると体が後ろに反ってしまいアクセルが開けられませ ん。ところが、奥襟をつかむ様にアクセルを握ろうとすると、自動的に体が前に行って加速に耐える姿勢を作ります。どうやらこの辺りにコツがありそうです。

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となりのタウンエースはdb殿の
フリー走行の人は沢山いましたが、スクールは自分一人でした


■遊びを感じる

   それでは実際にやってみましょう、という事で南コースを走ってみました。今までは上からグリップを掴む様にしていたのですが、これだとアクセルが回しにく いくせに、アクセルオフにしてからもうっかり開いたり、という事がありました。そこで、アクセルをオンにする時には奥襟を掴む様にして、逆にオフにする時 は手首を上に折って手の平でグリップを押せる様にする様に心掛けました。
   走り始めの時は、加速の15mmの手首と減速の手のひらでグリップを押す手首の切り替えが難しく感じましたが、減速から着座に移る時に手首を持ち替えて 15mmの手首にするのと、アクセルオフにしてブレーキを掛ける時に減速に耐える手首に変えるのを、そのタイミングが判ってくると、徐々に切り替えが上手 く行く様になってきました。
   この辺りが判ってくると、コーナーの立ち上がりやジャンプを飛んだあとの加速が、今までよりもクイックに太くなってきました。今までは徐々に回転が上がっ てくる、という感じでしたが、15mmの手首をする事で、いきなり「ばーーーっ!」と加速する感じです。奥襟をつかむ様な手首をするせいか、加速を入れる 時は自然に体が前に行くので、加速に遅れない姿勢になっているのが特徴的でした。
   走っているうちに段々判ってきたのは、アクセルの遊びの部分。奥襟をつかんで少し戻した時に、「クン」と当たるようなところがアクセルのゼロの位置。それが判ってからガバッとアクセルを開けるのが余計に楽になりました。

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今年最後のランチ樹林
最近、完食すると腹が苦しいくせに、スクール終わる頃には腹が鳴りまくり
一食に食える分量が減ったのかな


■ジャンプの斜面の加速の仕方

   お昼を食べてから初級中級コースへ。初級コースの尖ったコブで体を慣らしてから、中級コースへ。路面は昨日の同様にドライなので、バンクを下る辺りからアクセルを開けて、直線に入る頃には全開にする感じに走れます。
   南コースでやった様に、減速姿勢からコーナーに進入して着座する時に手首を15mmの手首に持ち替え、アクセルの遊びを感じつつ、バンクを下る時に2〜3 ミリの位置でビギニング調整して、直線に入る時にアクセルを一気に開ける。すると、今までとは全然違う太い急加速を体感する事が出来ました。また、ギャッ プを越える時にアクセルを戻しても開け直しても、ほとんどGを受けない、つまり加速に乗ってる事も理解出来ました。
   そうやって何回か走っているうちに、バンクから下って直線に入る時の加速で、フロントが浮く様な感じがしてきました。今まではどんなに頑張っても、車体が 文字通り浮く様な事はなかったのですが、短時間、短距離で一気に回転が上がるので、そういう現象になっている様です。
   コーナーリングも、アウト側の足で踏ん張ってゆっくり着座するので、非常にスムーズで立ち上がりの加速の入れやすくなっています。ただ、加速が良くなった だけにジャンプが少々怖くなって、昨日ほどは飛べなくなっていました。先生曰く「未体験ゾーンの加速に体がまだ慣れてない」との事でした。
   そこで先生から貰ったアドバイスは、アクセルは一本調子で開けるのではなく、フロントがジャンプの斜面の当たる最初はゆっくり、リアが沈むタイミングに合 わせて太く一気に開ける、というものでした。また、二つ目のコブで距離を伸ばすためには、コブに当たるまでアクセルを開けるのを待つのではなく、手前 1〜2mくらい前から開けて行く事なども習いました。
   習った通りにやってみたのですが、最初のうちはタイミングがなかなか合わず、前のめりの姿勢のまま飛んでしまう事が多く危なっかしい感じでした。そこで進 入の姿勢を自分が思っているよりも後ろ気味にして、リアが斜面に押さえつけられる感じを感じれる様にして、習ったアクセルワークで飛ぶようにすると、徐々 に距離が伸びる様になりました。

■本コースでの頭の切り換え

   1500時過ぎになると急速に陽が傾いて西日が強くなります。寒くなる前に本コースを走ってみました。
   15mmの手首が判ったおかげで、ビギニング調整や急加速がやりやすくなり、MXコースは昨日よりも楽に昨日と同じくらいの元気良さで走る事が出来る様に なりました。それだけでなく、フープスの次の急な下り坂や、緩やかなシケインなどで、急加速を掛けたりもして ました。
   ところが、a-かぁ坂からのビッグジャンプまでの間が、昨日ほど上手には走れず、上手く曲がれなかったりシフトミスを連発して、どうしてもギクシャクして ロスしてしまいます。その度に回転を上げてちょっとした直線でも加速を入れる様にするのですが、つながりが悪い感じで気持ちよく走れませんでした。
   一番の懸案事項である、ビッグジャンプからの直線の極大加速は、さすがに前の様なダラーッとした加速ではなく、ジャンプの後に手首を変える事で一気にアク セルを開けれるっぽい感じになっているのですが、それでもまだ開けきってない感じ。違いは判るのですが、まだまだ開けれるんちゃう?という感じでした。
   こんな感じで、本コースの方はあまり上手に走れなかったのですが、あとで先生から言われたのは、下のコースはクネクネ細かくて、今までみたいに2〜3ミリ のビギニングの車速で走る分にはスムーズに走れるものの、加速が入れれる様になったばかりの人はGに耐えれなかったり、車勢を乱したり、という事になるの で、MXコースに帰ってくるまでは、手堅くミスなく走るよう頭を切り替える、という事でした。

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南コース、初級中級コースまでだったらMVPだったとかww
でもまぁ、問題解決にたどり着いたのは大きな前進です


   今年は総じて鳴かず飛ばずの一年だった訳ですが、最後にきてその原因がはっきりし、解決の糸口を見出せたのは良かったです。なかなか成績に反映されない事が多いと落ち込む事もありますが、上手くいかない時はそれなりの理由がある訳ですが、自分一人ではなかなか判らないものです。
   自分がスクールに通い続けている理由は、その判らない事がスクールに来る事で解決されていくためであり、その感動が大きいからでもあります。その様な訳で、来年に希望をもって年を越す事が出来ました。