モトクロスは、今年2月にモトクロスヴィレッジで開催されたウィークエンドレーサーズ第2戦以来です。第2戦の結果が前年通りという事にかなりショックを受けて、以来、モトクロスには出ない様にしていたのですが、最終戦だけは出てみようかな、という気になっていました。というのは、2年前に初めてのモトクロスをオフロードヴィレッジで経験して、その時と比べてどの程度仕上がっているのか、見てみたかったからです。


20111218_061507
朝一番の様子。メッチャ寒くてバイク降ろす気にもなりません
コースはしっかり霜が降りて、カチコチになってました




■事前準備

   モトクロスのレースに出る前には、出来れば開催されるコースで事前に練習した方が良いと思います。コースコンディションが練習時と本番とで違っていても、コースレイアウトは頭に入れる事が出来るので、やらないよりはやった方が良いのです。しかし、今回は無しで臨みました。というのは、オフロードヴィレッジは保険に加入しないと走れない事になっていて、その保険は1年満期で4月から3月までが有効期限です。つまり、今入っても来年3月までしか有効でなく、かつオフビに練習に行く事は年に1回もない。つまり、最終戦のためだけに、2500円(手数料が900円)を出すのは勿体ないと思ったのです。
   また、通常レースには事前にエントリーし、エントリー費を振り込むのですが、今回は当日エントリーする事にしました。というのは、いつぞやのオフビのレースの様に、地面がグチャグチャだったら目も当てられません。当日エントリーは事前エントリーより1000円高いですが、走れそうなら走るという方針で臨みました。これがまぁ、勝沼やデコボコの様な滑る路面でエンデューロだったら事前に練習もしたかもしれませんが、そこはオフビです。地面さえ乾いていれば、どうにか走れるはずです。思いっきり飛んだり跳ねたりしない限り、怪我はしないでしょう(まぁ、飛べませんし)
   となれば、あとはバイクの準備をする程度しかやる事は残ってません。ところが、こちらもせいぜい良いところ、リアタイヤを新品にしただけ。タイヤはCRF250Rモルゲンシュテルン号を買った時に、モトロマンが先行予約特典でくれたタイヤがありましたので、それを着けました。前は全然減ってないので、交換しないでおきました。あと、気合いを入れるという事で、外装を練習用から本番用に換装しました。もっとも、貼ってるデカールは同じONEのマサカーなので、車号とか搭乗者名のステッカーが増えた程度ですw

20111218_081101
いそいそ準備中の皆さん
前はかなり緊張してましたが、4回目とあって大分慣れてきました

20111218_101719
今回初投入のGoPro HDを付けたヘルメットを怖々被るワタクシ
その後ろでは、MX初参戦とは思えない余裕をぶっかますとっしー殿


■試走でどっきり

   当日は朝0600時に現地入り。陽が上がる前はとても寒くてたまりませんでしたが、受付が始まる頃には陽も昇り、徐々に暖かくなってきました。昨日もそうでしたが、朝一番はブルのデコボコも霜が降りてカチンコチンに凍ってました。まるで火星の地表みたいです。でも、一番苦労するのは試走の時で、本番の頃には大分乾いて大丈夫そう、という印象を持ちました。下見のあと、タイヤの空気圧点検したり、ガソリン入れたりしてから、バイク押して受付に行き、当日エントリーの手続きを済ませ、そのまま車検へ。車検を済ませたら、遠方で開会式やってる音を聞きながら、悠々ウェアに着替えて試走の時間を待ちました。さすがにWERも4回目とあって、ここらの勝手は大分判ってきました。
   自分らの試走は、上級クラスの人が走った後なので、カチコチに凍ったデコボコ地面も多少はならされてるてるかなー、と考えていました。ところが、スタート地点に行ってみると、やっぱりデコボコしてる。というか、霜が溶け始めてグズグズしてる所もある。スタッフの人からも「所々凍ってる所もあるので注意して下さい」と言ってる。注意はするけど、転けたらとにかく痛そうです。
   取り敢えず、試走なのでゆっくり走るつもりでスタート。しかし、目一杯走るつもりでも、ゆっくり走りたくなるほど地面はデコボコしてたり滑りやすそうだったり霜が残ってたりで、1周が過ぎてもなかなか全力疾走に移れません。アチコチで転けてる人がいましたが、転けると心が折れてしまいそうなので、転けない様に走りました。ところが、今度は寒くて指の付け根から指がかじかんで、アクセルやレバーの操作が大変になってきました。幸いというか、3周で試走時間が終わったのですが、それ以上走るのが嫌になるくらい手先が寒かったです。

20111218_102528
若葉クラス第一ヒート
一マス開けでお互い遠慮して並んでますw


■第一ヒート

   延々長時間走るエンデューロと違って、WERは正味8分2本勝負ですから、自分の出番が来るまでは余裕があります。先に始まった上級クラスのレースを何本か観戦して、どんな風に走ってるか見物してから自分の出る若葉クラスの出走となりました。
   いつもの様にくじ引きしてスタートグリッドを選ぶ訳ですが、どこら辺が良いのかはいつもの様にイマイチ判りません。先日のMFJ関東戦の時は皆さん端っこの方を取ってたみたいですが、自分は真っ直ぐ第一コーナーに突っ込める真ん中より少し右側にしようと思いました。と思ったら、先にグリッドに入ったるくす君やとっしー殿が、一個飛ばしで横に並んでいる。サンドイッチされるのも嫌なら、横に並ぶのも嫌なので(スタートで明らかに置いて行かれるのが判ったら落ち込むからw)、自分も一個飛ばしでグリッドに入りました。
   スタッフの人が緑の旗を振ってエンジンスタート。15秒前のプラカード持った人が引っ込んでスタートゲートが降りるまでの緊張感は、中学ん時の水泳部の大会で、スターターが鳴って飛び込み台から飛び込む時をいつも思い出してます。とにかく、走り出したら走りきるまでです。そしてスタート。いつもの様に(笑)ケツから3分の1か4分の1辺りで第一コーナーに進入しました。続いてフープス。飛びきれる程の技量はないし、まだ前の人が詰まってるのでナメて走ってたら、2コーナーの直前で前の人がいきなり転倒! 避けきれず突っ込んでしまい「でぇーーーー!!くっそーーっ!」と叫びながら自分も転倒。転けた人よりも避けれなかった自分に腹立ったという感じです。でも、クラッチから手を離さず即座に起こしたのは、さすがにMX4回目だからでしょうか。
   その後、ほぼビリケツ決定と思いつつも習った事を思い出しながら、出来る限り早く走る様に心掛けました。でも、滑りやすいコーナーでは開けられなかったり、イン側のワダチに入っていけなかったりで、あまりスムーズに走れてる感じじゃありません。そうこうしてるウチに、何人かに抜かれてしまい(エンストしたりスタートゲートに引っ掛かった人がいたらしい)、結果はケツから3番目でチェッカー。まぁ、事前練習なしだったし、こんなもんかなー、という感じでした。

20111218_105036
レース後の赤富士号とモルゲンシュテルン号
自分の方がはねられた泥が多いですw



■第二ヒート

   2ヒート目は1300時半頃という事で、昼飯食ってノンビリしてました。ただ、この昼飯というのが、参加賞代わりのスターキッチンのカツ丼で、これまでの認識では量的に少々物足りない印象を持ってたのですが、今回は大盛りだったのか自分の胃袋が小さくなったのか、完食したら腹パッツンで、スタートグリッドに並んだ時はまだ消化しきってなくて、吐きそうな感じでした(笑)
   そしてスタート。2ヒート目もおおよそケツから4分の1くらいのスタートだったのですが、1ヒート目と違ったのは路面が乾いて1ヒート目よりも全然グリップが良くなっていた事。つまり、1ヒート目ではアクセル開けても多少滑って前に進みにくかったのが、ガガーンと前に進んだという事です。そしてフープスに入った時に余計めにアクセルが開いたのか、プチ暴走状態になってしまい、意図せずフロントアップでフープスを通過する事に。これでビビリミッターが全開に入ってしまい、アクセルを全然開けれなくなってしまいました。
   こうなってしまうとどうにもならないもので、気はせくのですが前に進まない感じ。コーナーでもシフトチェンジがまどろっこしくて、3速のまま通過しようとして余計遅くなったり、立ち上がりでもエンジンのつきが悪くなったりで、そのくせ直線で4速に入れるのは何となく気が遅れて3速のまま引っ張って頭打ちになる様な感じで、全般的にダラダラしたまま8分が終わってしまいました。
   1ヒート目の時もそうだったのですが、たった8分しか時間がないのに、大体5〜6分辺りでタレてきて元気がなくなる感じでした。集中力とかスタミナとか、そういうのが持続しない訳ですが、その頃には大勢が決していて自分だけドンケツで自主トレみたいに走ってる事もタレてくる原因かもしれません。

20111218_150329
颯爽とグリッドに並ぶシャーマン君
ただし、この後、スタートで失敗しましたw
(動画で見ると、ゲートが遅れて落ちてました)



■反省点

   今回、初めてGoProを頭に付けて走ってみたのですが、それで数々の反省点が見つかりました。
   まず、決定的にスタートで失敗している事。他の人はゲートが降り始めたら動き始めているのに対して、自分は完全にゲートが降りきるまで動いていない。その間に他の人は遙か前方に飛び出していて、その差は最後まで埋める事は出来ていませんでした。それでも1コーナーまではケツから4分の1辺りを占めているのですが、2コーナーに差し掛かる頃にはドンケツになっています。最初の競り合いで何か気後れするものがあるのかも知れません。
   次にコーナーの処理が甘い事。特に顕著なのは、ワダチがあるイン側を敬遠してアウトないしミドル側に行ってしまう事。その為、せっかくインから突いて抜けるチャンスを失ったり、逆にインから突かれて抜かれたりという事がありました。また、インからの立ち上がりが遅く、スムーズさに欠けているのが目に付きました。
   撮って貰った動画を見て感じたのは、ジャンプの挙動が中途半端で怪しい事。リアの押さえも甘そうだし、飛び出しのあと下を向いてたりもするので、あれでは勢いよくも飛べないと思いました。もっとも、練習時点でもあまり飛べてませんし、大きく飛ぶのも怖いのですが。それよりも、いきなりズドンと落ちるセクションで、前のめりに落ちてる事が多く、結果的に危ないので速度が落ちる、という具合になっていました。総じて、前傾くの字、コブの通過が甘い、という事になろうかと思います。
   加速に関して言えば、瞬発的にエンジンの回転を挙げて加速に乗るよう心掛けましたが、それでもまだまだアクセル呪縛的な加速であったと思います。スタートの失敗にも共通するかと思いますが、まだまだ瞬発的な加速に耐える体勢が出来てないのだろうな、と感じました。
   減速、というかブレーキの使い方に関しては、以前先生から指摘された通り、直線からコーナーに進入する前に減速すると、コーナーの遙か手前で行き足がなくなる様な感じになっていました。タイトなコーナーではリアブレーキを踏み込む事も出来ない状態で、結果として曲がれる速度で走る、という感じになっていました。
   シフトチェンジも、もっとコマメに出来る様に習った方が良いと感じました。2ヒート目では、ずっと3速オートマ走法になってしまったのですが、シフトを下げたり上げたりする事までに頭と身体が回らず、結果コーナーの立ち上がりが決定的に遅くなってしまいました。そっちの方まで頭が回らないというのは、ベストテク的には「回線が繋がってない」という事になると思うので、自分の仕上がり具合はまだまだだな、と感じました。


成績は奮いませんでしたが
2年前の走りと比べたら、大分マシになったかも……



■成果

   最終戦の結果は、ヒート1が15/17、ヒート2が17/17、総合で17位と2年前同様、まったく奮ってません。数字的に見れば、些かの進歩もなかった訳ですが、そもそもの始まりがオフロードバイクに乗れるかどうかから始まっているので、現時点で順位を云々しても仕方ないか、と思っています。
   それを踏まえた上で、成果として感じているのは、上記に書いた反省点を反省点として感じれる程度に、習った事を出来るだけ実行しようとした、という点です。曲がる、加減速に耐える、そうした事が2年前ではまったく判ってなかった事を考えると、多少は進歩したんではないかと思います。もしこれが何も習わず、自主トレだけでやっていたら、走りの中身は2年前とさほど変わらないものだったでしょう。
   「市貝の本コースを1分50秒切れば、若葉クラスで優勝」と言われているのですが、逆にいえば切れなければレースに出ても仕方ない、という事でもあります。それでもたまに出るのは、練習とは違ってレースでなければ経験出来ない事、例えば雰囲気とか緊張感とかを体験して慣れておく、という必要も感じているからです。また競り合いや競争心というのは、練習でもなかなか習得は難しくて、WERなどの草レースで場数を踏んでおくのも大事だと思います。
   最後に感じたのは、これまではとにかく走れるかどうか、が重大問題でしたが、さすがにその点はどうにかなってきつつあるので、そろそろ広いコースで思いっきりブン回して走ってみるのも良いな、という事でした。スピード感に慣れるにはそうした事も必要だと思いますし、今回走ってみて一番足りないと感じたのは、実のところスピード感でなかったか、と思うからです。