今年もモチュールカップ最終戦の季節が来ました。前回の第5戦は参加するつもりだったのですが、前日の試走でまだ治りきってない右膝がおかしくなり不参加となってしまいましたので、今年は最終戦を入れて3戦しか参加出来ない事になりました。とか言いつつ、実は最終戦の前に風邪を引きかけてしまい、体調的にかなり微妙な感じになってしまいました。かつ、仕事が忙しかったりウチの前が工事でトランポが回せなかったりで、バイクも整備できないままでした(故に外装も練習用のまま)。そこへ持ってきて、前日のコーステープ張りはザンザン降りの雨の中。いやはやもう、嫌んなっちゃうという感じだったのであります。
■試走段階で戦意喪失
今回は前回同様、獣道もロックセクションがある谷底もカットされる、“比較的容易”なコース設定となりました。まぁ、前日の設定時にはかなりの雨で水たまりがアチコチに出来、うっかり大坂登ったりするコースにすると、登れない人はいないまでも、かなりの難所化してしまう可能性もあったので、走りやすいコース設定となったのでした。ただし、走りやすいのは上級者での話しであって、自分は安全運転でいかないとヘタに転けて治りかけの膝をまたやった、なんて事になったらヤバイな、という風に思っていました。最終戦当日は、昨日の雨がウソの様に、空一面晴れ渡り、日の当たってる部分は早くも乾き始めていました。ただ、それは日の当たり続けてる部分だけで、当たってない所は相変わらず湿ってて、うっかりアクセル開けるとヤバイに違いありません。今回は前日に試走をしていないので、下見ラップが試走になりました。取り敢えず、リアサスはノーマルに戻し(練習時は2周締めてる)、タイヤの空気圧は前7後6に合わせました。
しかし、みんなの後に付いて下見に行ってみると、取り敢えずどうにか走れはしたものの、とてもじゃないがグリップしてる様に感じません。特にヤバかったのは、中級コースの広場で、行ったり来たりのシケインが三重になってて、滑りやすい(というか滑る)上にデカイ水たまりなんかあったりして、絶対転けたくない。桑畑コースも早くもワダチが深くなってるし、アクセル開けても掻いてばかりで前に進まない感じ。こりゃイカン、という事で、タイヤの空気圧を前6後5に落としました(ホントは後を4くらいにしかったけど、5以下にするとビードが落ちる可能性がある)
ここで考えました。頑張りたいには頑張りたいけど、無理は出来ない師走の年末。怪我だけは絶対不可です。また、気張って走ったとしても、今の自分では1時間も走れば息が上がって先が続きません。限界まで体力消耗したら、後に待ってるのは怪我だけです。となれば、ここは手堅く完走だけはして最低限度の名誉を守る事を優先すべきではないか。それが現時点での自分の精一杯であろう、と判断したのでした。
■ヘタクソが上級者と一緒に走る時の心得
こうして始まった最終戦ですが、いつものルマン式のスタートでなかなかエンジンが掛からず、いつもの様にビリケツでスタート。とは言っても、これからの2時間半の長丁場に備えて、全然慌てません。下見ラップの時に滑りやすい中級コースで転けてますので、それ以上転けない事、極力エンストしない事をメインにゆっくり走りました。モチュールカップの何が難しい、といっても、こちゃこちゃコーナーが多くて、思いっきり開けられる場所が少ない、という事なのですが、それでも直線がまったくない訳ではありません。ただ、開けきった時には次のセクションが迫ってるので開けられないだけです。根本的に加速に対する取り組み方が、まだまだダメなのですが、走ってる時はそれどころではないので、ただただ駒を前に進めるので精一杯です(この事については、あとで先生からアドバイスがありました)。
そうこうしてるウチに、まだ2周目の途中にも関わらず先頭集団にラップされてしまいました。その後、中間集団からも団体さんでラップ。難しいのは団体さんからラップされる時で、自分にとって難しいセクションで絡まれるのは非常に困る。その様な訳で、排気音に注意して、難しいセクションに早く辿り着いて突破するか、逆にアクセル緩めて抜かれやすいところに退避するか、考えながら走らなければなりません。
本当の初心者の場合は、後ろの事は一切気にせず、とにかく前向いて走れと言われます。うっかり気にしてラインがふらついて邪魔されても困るからです。その前に、その場その場を走るのさえママならない訳ですから、後ろなんか気にしてる余裕もありません。その意味では、多少は後方を気にして走れるだけの余裕が出来てきたのが、大きな進歩かなー、と思ったりもしました。
■ゆっくり走ってるんだから疲れないでしょ
こうして走り続ける事1時間。いい加減腕が上がって肩とか疲れ始めてましたが、転けたり止まったりしてないせいか、バイク起こしたりキックしたりがないのであまり疲れません。ついでにいうと、アクセルも大して開けてないので加減速Gがあまり身体に掛からないのか、息も上がりません。まさにいつぞやキッズに言われた「疲れないでしょ」なのです。大して疲れてなかったので、1時間過ぎても走り続けていたのですが、さすがに90分でピットイン。給油をしました。今の自分の走りなら、100分くらいは無給で走れるみたいです。12CRFモルゲンシュテルン号の給油口には、通称「茶漉し」と呼ばれるフェールスクリーンを付けていますが、バッフルスポンジを入れてあるので、意外に給油がし易かったです。あまりダラダラ休んでると、ケツに根っこが生えてしまって再スタートするのが嫌になりますが、今回ばかりは全然疲れてないので、さっさと再出発しました。
後半からは、大分コースも乾き始め、ホントに難しいのは数カ所になりました。なので、走りながら自分とたっぷり向き合う事が出来ました。まず、今の自分の走り。誰が見ても、タルい走りです。これがスクール70数回通った人の走りかと思うと、自分でも嫌になります。でも、それ以上の走りは安全が担保出来ない以上、仕方ないじゃないか、とも思います。とにかく、途中で投げずに走る、それが今の自分にやれる事です。
そんなヘタクソはレース出るな、という意見もあるかと思います。他のレースだと邪魔扱いされるんだろうな、と思います。モチュールカップでは、危ない抜き方されたり悪態つかれたりする事はないので、自分でも出れてる訳ですが、それでも邪魔には違いないんだろうな、と思います。ただ、難しいコースを上級者と一緒に走る、というのは、それだけで色々勉強になる事も多いですし、場数を踏む事も出来ます。その意味で、モチュールカップはヘタクソが上級者と一緒に(安全に)走れる数少ないエンデューロレースだと感じます。
走りながら、正直なところ「いくら頑張っても芽が出ないかなー」と感じない訳ではありませんでした。上手い人なら、こんだけスクール通えば、何らかの成果を挙げてるんじゃないかな、と思う訳です。しかし、始めた時点でのレベルが、人並み以下の以下からスタートなんだから、何度も通い詰めてやっとこのレベルになった訳です。スクール通ってなかったら、もっと早い段階で止めてたかもしれません。むしろ、スクール通ってるからこそ、いつかは上手になるんじゃないかな、と希望持って続けられる訳です。取り組むもののない人生ってのは、詰まらないんじゃないでしょうか?
とか何とか考えているウチに、ラスト1周になりました。最後くらいは遠慮せず走ろう、という事で、よっぽど早い人でない限り、ラインを譲る事なく走りました。遅くても自分なりにアクセル開けて走れば、それなりに楽しいもんだなー、とか思いつつチェッカーを受けて今年最後のエンデューロレースを締めくくりました。
■最後の先生からアドバイス
今回の最終戦、ゆっくり走っただけあって、2時間半たっぷり習った事をお復習いする事が出来ました。それもあってか、あまり転けず、止まったりエンストしたりする事が1〜2回だけだった、というのは、ある意味成果だったかもしれません。しかし、相変わらずあまりアクセルを開けられないクセは直ってません。走ってる本人の感覚からすると、開けようにも直ぐに次のセクションが来るし、開けようがないという感じです。そんなトロ臭い走りを見てた先生からアドバイスがありました。
自分の様に、直線でもアクセル開けられない人は、ブレーキをあまり使ってない、との事。トレール車乗ってた人に多いらしいのですが、トレール車はエンジンブレーキが強いので、アクセルオフにしてエンブレで減速するクセがある。ところがレーサーはエンブレは強くないのであまり減速しません。となると減速出来る程度にしか加速もしなくななる、との事でした。だから、減速する時は、しっかり前後ブレーキを使って減速する事で、より突っ込みが良くなるそうです。
こうした事は、自分ではなかなか判らない事です。こういうアドバイス貰えるところに、スクールに通い続ける意味があるな、と感じつつ家路につきました。
コメント
コメント一覧
僕は、ゆっくり走ったとしても、2時間半は絶対に持たないっす。
ところで、ウエア新調してません??
このウェアは、去年新調したやつですww
本番用&二日目用なので、谷田部ではまずお目に掛かれませんww
どうりて見慣れない赤ウエアなわけです。
なぜに、本番用に赤を選んだのか!? こだわりが気になりますねぇ。また、今度教えてください。
最初は、日頃練習用に着てるのを本番用にするつもりだったんよ。
ところが、全日本出てる先輩から、同じの着てた人が、他のウェアに紛れて目立たんかった、
と聞いて、急遽、赤いのを本番用にしたんよねー
でも、本来のパーソナルカラーは黒、、、