夏にはベストテクサマースクールというのがお盆に10日ほどあるのですが、猛烈に夏に弱い自分はシーズンオフを決め込んで、前回のモチュールカップ第3戦以来、3週間ほどバイクに乗ってませんでした。こうも期間が空いてしまうと、前回習った事を忘れてしまうんじゃないか、と不安に駆られたりする訳ですが、それ以上にバイク乗ってないと身体がダブついてきて嫌になります。
   その様な訳で、どうしてもスクール行きたかった訳ですが、天気の方は一足早い秋雨らしくて思わしくない。そこで先生に電話入れてみたら「明日には曇りになるでしょう〜」という事でスクールは実施されるっぽい。こちらも聞いたからには行かない訳にいかなくなり、元気だして行く事にしました。


20110820_104647
I井さんとK合さんとは、今回初めてお会いしたのですが
いつもこの大記録を見て頂いているようで
初めてお会いした、という感じの出会いではありませんでしたw






=20日=

   初日はどんより曇り空。まぁ、雨が降らなくて幸いでしたが、バイクのフロントフォークにはシールスキンを付けて泥対策をしておきました。
   受付の時に書く受講票に、「特にみてもらいたいテーマ」というのがあるのですが、「コーナーの進入」「滑る路面で安定して走る」と2つ書きました。コーナーの進入は、これまで撮った動画を見ていて、緩やかなダラダラコーナーでダラダラ走っているのがかなり気になっていて、それを改善できたら少しは車速をキープして走れるのではないか、と思った事。滑る路面云々は、もともと苦手ですし、今回の路面はまさに滑る路面になっているはずなので、徹底して見て貰おう、という訳です。

20110820_113929
余計な肉が付きすぎて、外見には何やってるか判りません(爆)
でも、外側から判らない身体操作、意識があるからこそ
スクールに通って習う意義がある訳です



■サツマイモ

   今回初参加の人がいるという事で、ざっと現代のバイクの構造とその働きの解説があり、基本的なベストテクフォームの説明がありました。今になってみれば、何の気無しにやっている事なので、先生から言われた事は当たり前に聞こえるのですが、初めて参加した人には少々詰め込み教育だった様です。でもまぁ、これは最初はみんなそういうもので、通っているウチに理解できる様になります。
   続いて上級生から順にフォームのチェック。今回、またも新しいテーマが見つかったとの事で、それは肩甲骨を動かす、というもの。それを聞いた時、まず思ったのは、「肩甲骨は固めるんじゃないの?」という事でした。でもまぁ、言われた通りにやってみる事に。しかし、やってみると先生から即座に「あ〜ダメダメ、これじゃサツマイモだわ」と言われましたww
   自分的には、前回習った様に、背筋を動かしてコーナーリングフォームを作ったつもりなのですが、それではいかん様です。そこで先生から言われたのは、腕、肩をガッチリ固めた状態で背筋を動かしてみる、という事でした。最初はスゴク違和感がありました。そんな動作、日常生活じゃやった事がありません。右向け右と言われれば、身体全体が右向くものです。しかし、肩をあまり右に向けず、身体の中身だけ右に向く、これが大事らしいのです。
   そうこうしているウチに、何となく判ってきたのは、こういう要領で身体を動かす事で、肩甲骨が動くようになり、かつガッチリ肩も固められる、という事。この要領でいくと、今までのやり方は、肩とか腕の力でハンドルを押さえようとしてる感じです。そして、バランスの軸だの捻り戻しだのというのは、判っている様で判ってない感じでした。

20110820_120438
全員で先生のお手本を見学
習った通りの事をやれば、正しく乗れる訳で
正しく乗れれば気分も良いのです(笑)



■南コースで確認

   お昼の前に南コースで確認しましょう、という事でコースイン。案の定、アッチコッチに水たまりが出来ていました。いつもの様に、まずはいきなりバンバン走らず、習った身体の動かし方をゆっくり走りながら試してみます。バイクの上でフォームを作ってる時は、イマイチ判らなくても、実際にバイク乗ってみると何となしか判る様な感じです。
   慣れてきたところで、徐々にピッチを上げていきました。何度か走ってみて判ってきたのは、手前のタイトコーナーで大きく膨らんでしまう事。前はもっとイン側に入れたのですが、どうにもダメです。先生曰く、アクセルをコーナーの途中で開けてるから、との事。つまり、車体がまだ真っ直ぐになってないのにアクセルを開けるから、アウト側に膨らんでしまい、かつアクセルワークもセクションに合いにくい訳です。そこで、出口でもっと辛抱して、車体が真っ直ぐになるのを待って、アクセルを開ける様にすると、若干良くなってきました。
   走りながら感じたのは、バイクに乗る時の身体の構造は、先生がよく言うように、手はグリップ、腕はハンドル、肩はアッパーブラケットなんだな、という事。ハンドルはクランプを介してトップブリッジに固定されている訳ですから、腕がグニャグニャ動くなんてのはあってはならない事。また車体が寝ればハンドルが自然操舵で傾く訳ですから、そうならない様に肩甲骨を動かす事で肩を捻り戻す。今まであまりよく分かってなかったのです、ようやく何となく理解出来てきた気がしました。

20110820_125835
初日のランチ樹林
涼しかったせいか、ほぼ完食いたしました



■滑る中級コースで

   お昼のあと、初級中級コースへ移動。午前の南コースでジャンプが怪しい感じになっていたので、まず初級コースでコブの通過をやってみました。地面は南コースよりも滑る感じになっているので、車勢をラフに扱わない様にしつつ、ゆっくり過ぎるとかえってフラフラするので、それなりに開け気味で走りました。
   思った通り、最初の内は感覚が鈍っていて、コブの通過がピタっと決まらない感じでした。そこで、まずはじっくりと何度も通過する事で感覚を呼び覚まし、慣れてきたところで軽く飛ぶ様にしました。やはりコブの上にも3年で、こうした練習は間を開けずやった方がいいな、と感じました。
   中級コースの方は、水たまりはないものの、見るからに滑りそうな感じ。まずは先生が見本を見せてくれたので、それをしっかり頭に叩き込んでからチャレンジしてみました。確実に判った事は、滑る路面では中途半端にゆっくりだと、かえって車勢が安定せず滑りやすいという事。そこでバンクを過ぎて直線に入ったら、元気よくアクセルを開ける様にしました。
   そうやって走ってみると、確かにリアは振れてる様なのですが、転けそうな感じはしない。早めに回転を上げて、早めにオフにして、減速態勢に入るのであまり転けそうな感じがしない。少々振れても無意識のうちにバランスを取っている感じでした。
   それでも地面が滑りやすいので、ジャンプはあまり飛べない感じで、むしろ真っ直ぐ飛ぶ様にするにで精一杯な感じでした。車体が振られて斜めにアプローチした時は、着地も斜めになってしまうので少し怖いです。それでも去年の今頃だったら、飛んだりはおろか、走る事さえママならなかったのですから「継続は力なり」で、大分進歩したなぁ、と感じました。


先生も言うように、以前の自分はこんな走り出来ませんでした(汗)




=21日=

   やっとこ寝付けたかなぁ、と思った朝0500時、にわかにテントがバラバラと雨の音を立て、シュラフに雨水が浸水するに及んで強制起床。外を見れば、結構派手に降ってました。といぼね君も起き出して、こりゃダメだという表情。もう帰るつもりで荷物を片付けに掛かってます。しかし、こんな天気でも地方のスクールじゃやってる写真を見た事があります。案の定、I井さんやK合さんに聞いてみると「このくらいならやるっしょー」との事。先生に電話もしましたが「やるよ〜」との事で、ならば少しでも寝ておこうと、ジャガンナート号の助手席で寝入りました。
   お陰で、先生が到着した0900時には頭はすっきり。ウェアを着込んだらなおやる気が出ました。あれほど降ってた雨も小雨に変わり、自分にとっては初めての雨天スクールの始まりです。

20110821_011900
仕方なしにベストテクタープの下に退避したものの
雨漏りしてました(泣)



■どこが軸でどこで捻り戻すか

   昨日と同様、パドックでバイク立ててフォームチェック。昨日の段階では、判った様な、いや判ってない様な感じだったのですが、手、腕、肩をガッチリ固めた状態で、背筋を動かすようにすると、今まで肩の筋肉で肩甲骨周りを固めてた感じだったのが、内側の筋肉で固めている様な感じ、しかも息張って固めるのでなく、自然に固まる様な感じがしてきました。その状態でハンドルを切ったり戻したりすると、ほほう、肩甲骨が動くってこんな感じかー、という風になってきました。
   今まで、理屈では肩を固めてバランス軸を捻り戻して、というのを理解しているつもりでしたが、実際にバイクに乗ると、どこがどうなってるのか判らない状態でした。だから、滑る路面ではバランス取れないし、コーナーの進入も肩を固めて入っていけませんでした。それがようやく、どこをどうすれば良いか、コツが分かってきました。

20110821_102112
二日目は朝から雨
雨でもスクールはやるんだって事を、初めて知りました


20110821_124804
二日目のランチ樹林
きんぴらゴボウ以外は完食です


■滑る本コースにチャレンジ

   昼には上がると先生が予報した雨は、その後も小雨になって降り続け、初級中級コースは昨日以上に危ない状態になってそうでした。自分としても、初級中級は昨日やっているので、本コースで試してみたかったので、お昼を食べてから本コースを走ってみました。
   まずはゆっくりコースの下見。全般的に濡れている感じですが、初級中級コースよりはマシです。今回もショートコースで走ったのですが、a-かぁ坂を下らず左にショートカットするコースが滑りやすく、その先の左のタイトコーナーを曲がった後の登りはうっかりするとズルズル滑ります。その後も、グジュってたり水たまりがあったりで、あまり開けられないので、今回はスピードよりもバランスと割り切るこ事にしました。
   とは言え、開けれるところは開けていかねばなりません。でも路面は滑るし、ジャンプはショート気味だし、前回走った時に比べたら、走りにくい事は確かです。実際、a-かぁ坂の手前で左に入った滑る路面で、アウト側を走ろうとして滑って転けて自分だけ崖に落ちたりしました。しかし、走ってて何となく面白い。自分でちゃんとバランスとって走ってるなー、という感じがします。今までにはない楽しさを感じました。
   3ヶ月ほど前はこうした路面の時、胴体は何にもしてなくて、車体が滑るたびに怖い思いをしてアクセル開けられない、という状態でした。今回は滑ろうがコブに引っ掛かろうが、ともかく走ろうと出来たところをみると、動くべきところが動く様になったかな、と思います。
   最後に再び南コースを走ってみましたが、みんなが走りまくっているので午前より路面が若干荒れていたものの、何の気無しに、バランス取るとか意識する事もなく走ってました。むしろ、本コースの方が背筋や肩甲骨を動かしたり固めたり、というのを明確に意識してた様です。つまり、大分使える様になってきたんだな、と感じつつ、今回のスクールを終えました。

20110821_124116
南コースもかなりズルズルになってました
でも、雨の日の方が学ぶ事が多い気がします


20110822_115951
特に見て貰いたいテーマをズバコンに押さえたスクールでした
他のコースも走って試してみたいです