5月にスクールを受けて以来、レースや自主トレが続いた訳ですが、どうにも今一歩走れてる感がしない状態が続いていました。何かが足りないのですが、何が足りないのかよく分からない。加速感とかバランス感覚とかスタミナとか、現象面での不足分は判るのですが、その原因が判らない訳です。ところが、丁度梅雨時期で、行こうと思った日がどんより曇りで、しかも天気予報で雨だったり、その予報が外れたり、という事で、やっと行けたのは苦手な夏の直前でした。

   ところで、今回は予め報告しておきますが、今回習った事は革新的かつ核心に迫る事項が多分に含まれていました。さすがに表現をぼかして書くのが難しいので、触れちゃダメな部分は戦前の発禁本よろしく、伏せ字とさせていただきます。






=2日=

   天気予報では降水確率50%の曇りで、実際にも雨降りそうな曇り空だったのですが、BTC市貝に着いてみると曇ったり晴れたりの天気。空気がムッと暑くて夏を感じさせられました。他に生徒さん来るかなーと思っていたのですが、皆さん関東戦や全日本のレースに出撃してて、スクール受けに来たのは自分ともう一人の二人だけでした。フリー走行の人もいないガランとした状態で、ほぼマン・ツー・マンの濃いスクールになる予感でした。

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本日のスクールは2人だけ
嫌が上にもモーレツなスクールになる予感ですw


■動かすべきところ

   スクールを受ける前に受講申込書を記入して、特に見て貰いたいところも書くのですが、今回は「コブの通過をもっとした方がよさそう」と書きました。前回の谷田部での練習でも、どうにも通過の挙動がアヤシイ感じがしていたからです。
   ところが、今回のテーマは自分が全く予想してない内容からスタートでした。それはコーナーリングの姿勢を作る時に、どこを動かしているか。ベストテクでは、アウト側の肩が高くなるのですが、その時に◎◎を動かして高くしてるかどうかが重要との事。上手く曲がれない人やバランス取れない人(つまり自分の事ですが)は、◎◎動かしてなくて銅像みたいになっている、との事でした。
   これまで自分がコーナーリングの姿勢を取る時、上半身はどうしてたかを思い出してみると、アウト側の骨盤を上げて、全体的に上半身のアウト側を上げていた感じです。せいぜい良いところ、肩甲骨と肩を上げてた程度。ところが、これが大間違いだった様です。むしろ骨盤はアシストであって、◎◎を使ってバランス取ったり姿勢固めたりするらしいのです。
   違いはバイクに跨って、フォームのチェックをして貰った時にテキメン判りました。今までのコーナーリングフォームでは、腰だの足だの腕だので息張っている様な感じですが、先生から習った新しい(自分にとっては新しい)やり方では、身体から出てる部分はむしろ楽です。


■南コースで別人化

   週の間に市貝でも雨が降ったらしくて、南コースのアチコチに水たまりが出来ていました。以前は、ラインを選ぶもヘッタクレもなく、水たまりに思いっきり突っ込んでいく他なかったのですが、水たまりがある時は端っこを避けて走る、というのがベストテクでの流儀です。
   まずは先生が水たまりを避けたラインを走って、そのラインに沿って走る事になりました。そして習った様に◎◎を動かして姿勢を作ってみると、驚いた事に今までにない操作性を感じる事が出来ました。今までは無理矢理頑張ってコーナーに入っていく様な感じでしたが、全然頑張らなくてもススーッとコーナーに入っていける感じ。かつすごくコマメに姿勢を変化させて水たまりを避けて行く事が出来ます。これが自分か!と思えるほどの走りでした。
   ちょっと休んだあと、今度は自分の好きな様に走って、と言われたのでその通りに。とはいえ、水たまりは避けねばなりませんので、アウト側に行くかイン側に行くか。でも、そのいずれも任意で選べました。となってくると、車速もドンドン早くなっていって行きました。ウカっとして水たまりに突っ込みそうになっても、キュッと避けれたのが楽しかったです。

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初日のランチ樹林
とても美味しいのですが、一人で一つ完食出来ませんでした



■初級中級コースでもイイ感じに

   今年は梅雨明けも早いらしいですが、夏が来るのも早いみたいで、午前のスクールが終わった時点でかなりバテてました。今まで、ランチ樹林のお弁当は完食してきたのですが、とても飯食う雰囲気じゃなくて、夜に残しました。
   午後は、初級中級コースでもチェックしましょう、という事で、まずは初級コースへ。コブの通過が甘くなってた感じがしてたので、じっくりとコブの通過を取り組みました。コブとコブの間に水たまりが出来ていて、これを避ける様に走ろうとするのですが、なかなか難しい。まぁ、道幅も狭いので仕方ないのですが。それよりも、◎◎を動かして姿勢を作る要領は初級コースでも効果絶大で、とにかくコーナーが曲がりやすい。今までは腰動かして姿勢を作ってた様な感じだったので、なんとなくムリムリ曲がってる様な感じでしたが、今は上半身がとても軽く、手足も踏ん張ってなくてスムーズでした。
   今度は中級コースへ。奥のコーナーの立ち上がりの所に大きな水たまりが出来ていて、アウト側に行くかイン側に行くしかないのですが、アウト側は一つ目のコブの向こう斜面が掘れてて走りにくく、イン側はもとよりワダチに車体を合わせるのが難しい。でも、◎◎動かして姿勢を作る事で、以前の様な必死さはなく、楽しんで色んなラインをチャレンジ出来ました。
   慣れてきたところで、ジャンプの距離を伸ばしてみたり、真ん中の尖ったコブを飛んでみたりもしました。いずれも今までになく調子よく、ライディングの質がグッと変わった感じ。身体の使う場所が正しくなると、同じバイク乗ってても走りが全然違うんだな、と感じました。


■ところが本コースでは

   大分イイ感じに仕上がってきたので、本コースでも大分違う走りになっただろー、と期待してコースインしました。確かに、コーナーの進入はとても良くなった感じがしました。でも、全般的な加速感はイマイチ。とは言え、本人はこれ以上ないくらい頑張っているつもりなので、一体どこが具合悪いのか判らないのです。
   先生からも「直線ではもっと開けるように」と言われたので、開けてみるのですが、開けきった時にはコーナーが迫ってる、という感じ。ジャンプでも頑張って開けてるつもりなんですが、あまり開かない感じ。そのクセ、何周も走らない内に息が上がってくる始末で、南コースや初級中級コースで上手くできても、本コースでは難しいなー、と思いつつ、1日目のスクールが終わりました。
   去年の同じ頃は、夜の車中泊は虫だのカエルの大合唱だので、エライ目に遭いましたが、今年は虫除けの蚊取り線香を焚いたり、無駄な照明を落としたり、ドアは開けてサンシェードを垂らして通気したり、等々の工夫で、比較的快適に寝る事が出来ました。
   また、アセモ対策にアンダーアーマーを着用したのですが、これが効果絶大で、アセモはまったく出来ませんでした。もっとも、半袖を買ってしまったので、むき身になってる腕は汗だくですし、ロングソックスの部分は汗が溜まってアセモになりました。それ以外の部分は、風が吹けば涼しいですし、干しておけば直ぐに乾くので二日目も着用に困りません(汗くさいですがw)。

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虫除けのために、真っ暗闇の中でお食事
闇鍋状態でしたw



=3日=


   朝0600時頃起床。日が昇る前は涼しかったのですが、日が昇ってからは朝なのにムシムシム〜ンな感じで、早くもバテてしまいました。今日もマンツーマン状態かなー、と思ってたら案の定その通りで、自分ら以外では魚屋のT社長と洋食屋のMマスターがフリー走行に来てただけでした。つまり、今日もかなり絞られる予感です。


■2の加速

   スクールが始まるや否や、先生が開口一番、「2の加速が全然なってない」と言われました。1の加速、2の加速、3の加速は、スクール受けた最初の頃に習った記憶がありますが、自分では出来ているつもりでした。でも、どうやら出来てないらしいのです。
   そこで南コースに移動して走ってみましたが、最初からダメ出しの連続。フリー走行のT社長の走りを見学し、真似しようとするも、どこが違うのか判らん状態でした。そこで先生から改めて1、2の加速の姿勢とアクセルの開け方を習い、2の加速に移る位置に黒パイロンを置いて貰ってチャレンジしましたが、それでもイマイチ判らない。
   そうこうしてるウチに、汗が滝の様に流れてきて、動悸がバクバクして、何だか身体の調子が徐々に悪くなってきました。熱中症の初期段階みたいな具合の悪さです。
   それでも何とか頑張って、「いーち、にーーーーっ!」の加速をやろうとしましたが、自分では出来てるか出来てないか、判らんくらいに頭がクラクラしてました。これまで南コースは2速で回ってましたが、手前のタイトコーナーだけは1速にせよ、との事でしたので、その様に走ったのですが、1速にした方がエンジンの回転具合がよく判る様です。その代わり、加速減速Gは猛烈ですので、たちどころにフラフラになって、コースで立ち止まって休むほどでした。

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やっぱり一人で一食は食べれなくて
お残しした一食は帰りにトランポで食べましたw



■中級コースでノックアウト

   ランチ樹林のお弁当を半分だけ食べて、十分休憩を取ったあと、今度は初級中級コースへ移動しました。昨日は水たまりでしたが、水が干上がってヌカルミになってました。初級コースの方は若干コブの通過をやり、そのまま中級コースへ。ところが早くもバテ始めてました。
   中級コースでも、昨日ならった◎◎を動かしてフォームを作ったり、2の加速に注意して走りましたが、ちょっと走っただけでフラフラ。しかも奥のタイトコーナーの立ち上がりが、グチャグチャのマディになっていて、バランス取り損ねて道を塞ぐ格好で転けてしまい、左足が泥だらけ。バイク起こすだけで、体力のあら方を使ってしまった様な感じで、もうお家帰りたくなってしまいました。
   中級コースが終わって、早めに休憩に戻ったのですが、もう身体は完全にオーバーヒート。ジャージ脱いでウエストベルト外して、モトパンも半ケツまで下げて、T社長から水貰って頭から被りました。
   そこでやむなく先生に「早めに上がりたいです〜」と言ったところ、「本コースで確認せず返ったら、この2日間がもったいない」と言われ、それもその通りだと思い直し、取り敢えず30分ほど休憩して本コースにチャレンジする事にしました。

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アンダーアーマー最強伝説
ちょっと腹回りが気になるけど、これなしで夏はバイク乗れません!



■本コースでオフロードの神の奇蹟

   十分クールダウンしてから、いつもの様に少々苦手意識を持ちつつ本コースにイン。ところがっ!コースに入った途端、いつもと走りが違う事に気が付きました。
   とにかくエンジンのピックアップが良い。ビビッと加速してくれる感じ。そして加速に乗っている方が身体が全然楽。当然、エンジンの回転が落ちるところもあるし、なかなか上がってくれない所もあるのですが、そういうところでも、早く上げよう、早めに上げよう、という意識が働いて、かつそれがバイクと身体の方に反映される。とにかく、昨日とは全然違った世界、走行イメージの中で走ってました。
   タイムは昨日と比べると2〜6秒短縮との事。ショートコースで1分10秒でした。昨日との違いは、昨日は周回するごとにタイムが落ちていったのに対して、今回はほぼ一定で走ってたとの事。つまり、安定して疲れず走っていたのでしょう。家に帰りたくなるほど疲れていたはずなのに、走り終えた時には爽快な気分になっていました。
   この違いには自分でも驚きましたが、先生からも「ここまで変わる奴を初めてみた」と言われました。これまで、判らん判らんで来た訳ですが、判ってしまえばそっちの方が簡単で楽だった、、、これまでにもあったパターンですが、今回ほど強烈な変化は初めての事でした。


   帰ってから、自分の動画を見てみましたが、走り方がこれまでとは真逆になっている事に気が付きました。早めにエンジンの回転を上げて、早めにオフにする。コーナーの立ち上がり、ジャンプの踏み切りなどで「バッ!」とアクセルを開けれる様になっています。
   この要領の走り方で気張るべき所が判ったからには、もっと気張れるんじゃないか、という気にもなってきました。実際、ジャンプなどは中途半端に落ちるよりは、飛びきった方が楽である事も判ってきました。あまり一気に欲張らない程度に、次回もっと頑張りたいと思います。

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久々のMVP
でも、今回ばかりはその手応え十分でした