結論から言うと、しょーもないマシントラブルで事実上のリタイアとなった今回の大会。終わった後は全然疲れて無くて、いささか物足りないまま終わってしまいました。走ってるその瞬間はしんどくても、終わってみると「もうちょっと走りたかったなー」と思うのはいつもの事で、その思いが次のエントリーの原動力になってる思います。





*ハンドガードの功罪について

   エンデューロ用の装備として、CRF250Rランスチャージ号には、アンダーガード、ラジエターブレース、アーマーハンドガードを付けている訳ですが、その内アーマーハンドガードだけは今のところ、コレと言った恩恵を感じた事がありません。
   ハンドガードは、書いて時の如く、木とかにぶつかった時に手を守るためのものですが、自分の様にナメクジの様にしか走れない人は、よしんばぶつかったとしてもあまり大した事がないのが実際のところです。木にぶつかるより、地面に転ける方が圧倒的に多いのです。
   ところが、地面に転けると、このハンドガードがお辞儀したり空見上げたりします。地面にめり込んだ時などは、バイク起こすのに要する力が通常の倍要ります。そして、いくらがっちり固定しても、明後日の方向を向くのを防止する事は出来ず、かつガッチリ固定しているとおかしな方向を向いた時、腕力で戻す事が出来ません。その様な訳で、自分は転けるの前提でボルトを緩めにしておき、振動でボルトが抜け落ちない様にテーピングするのが慣わしになってました。
   ところが、本来はハンドガードはガッチリ固定するのが当然の事で、去年までFDでJNCCの車検を受けていた時も、その事は言われてました。そこで今回はこれでもかとボルトを締めて参戦した訳です。結果は、スタック坂で右に何度か転倒した時に、ハンドガードのグリップ側の固定具がグリップにめり込み、グリップを動かない様にしてしまいました。
   今から考えたら、今回の様なコースだったら、別にアーマーハンドガードじゃなくて、普通のモトクロス用のハンドガードでも良かったかな、という気がします。リタイアした後、坂の脇で他の人のバイクの見物をしてましたが、アーマーでない人も結構いました。次回からは、下見や試走の後に、アーマーを付けるか普通のハンドガードで行くか、決める事にします。

20110612_111549
XR時代からエンデューロ用に付けているアーマーハンドガード
いっそ、軽いプラスチック製に変えようかと思う今日この頃


*ガムテ蛇腹作戦

   汗だくで下見ツアーから帰ってきた時、一緒に参加した人から言われたのは「ガムテで蛇腹作ってフェンダーの裏に貼った方がイイですよ」という事でした。一体どうするのか、と思って見本を作って貰ったのですが、お世辞にも見栄えが良くありません。ですが、蛇腹になったガムテが振動する事で泥の付着を防ぐ、という事でした。いわば、即席のマッドオフみたいなものです。
   半信半疑ではありましたが、まぁ効果あるならやってみるか、という事で、リアフェンダー、フロントフェンダー、そしてアンダーガードの下に、ガムテがなくなるまで貼り続けました。結構手間の掛かる作業ですが、この手の作業は好きな方です。貼り終わった後に試走してみましたが、意外や意外、泥はほどんどフェンダーの裏にほとんど泥は付いていませんでした。翌日の本番では、試走以上のフカフカウッドチップのコースを走ったのですが、やはり泥はほとんど付着せず、転かしても起こすのに余計な力が要りませんでした。
   マッドオフは一旦貼り付けるとキレイに剥がれない、という風に聞いているのですが、このビニテ蛇腹は元がビニテだけに剥がすのは簡単です。当然剥がした後はキレイなので洗車も楽です(ウッドチップの泥は意外にひつこい)。かつマッドオフより遙かに安価です。見栄えの悪さや手間を辛抱すれば、これほど良い泥対策はないな、という風に感じました。

20110611_152323
実にチープな対策ですが、安かろう悪かろうではありませんでした
ただ手間が掛かるので、準備段階で済ませておいた方が良さそうです

20110612_105714
この蛇腹無しだったら、もっとべったり泥が付いています
車重が重くならないだけでなく、洗車も楽です



*トライアルタイヤについて

   最近、トレール車やレーサーにトライアルタイヤを履かせるのが流行っている様です。履かせている人ちょっと乗らせて貰ったのですが、確かに反則的なグリップの良さです。あれならガレ場などはかなり楽に走れるんじゃないか、と感じました。
   しかし、爺ヶ岳のコースは8割以上がスキー路面を活用したアップダウンの土のコースで、しかも深いウッドチップが敷いてある部分が多い。トラタイヤが威力を発揮するウッズセクションやガレ場は僅かでしかありません。確かに通常のモトクロスタイヤでそういうセクションを突破するのは大変なものがあるのですが、それ以外の場所では、むしろイボイボタイヤの方が走破力がある様に感じました。
   仮によしんば、CRFにトラタイヤを履かせるとしたら、18インチのリアホイールを手に入れる必要があり、これがかなり高い代物です。あれば便利だし、また楽しいと思うのですが、他にも色々入り用ですので、ちょっと手が出せないな、というのが率直な感想でした。

20110611_112356
トライアルタイヤは魅力的ですが
18インチホイールを入手するのが困難です



*ライディングについて
   これまで参加したJNCCでは、かなり疲れた印象があるのですが、今回はそれがあまりありません。途中でやめてずっと休憩してたから、というのもあるのですが、それ以前にあまり疲れた印象が残っていません。
   今回のコースで一番疲れたのは、ウッズセクションとロックンロールリバーですが、疲れたら休めそうなところでゆっくり走りながら休憩し、そしてまた気合い入れて走る、というのを繰り返していました。
   一番大事なのは、あまり転けない様にする事。転けるとバイク起こすだけで体力を消耗してしまいます。転けるくらいなら、ゆっくり走ったり止まったりした方がマシ、という感じです。
   それでもウッズセクションでは毎周2〜3回は転けてましたし(ロックンロールリバーは絶対転けない様に慎重運転だった)、その他の場所では3周目辺りからボテボテ転け始め、最後に止めを刺された時は、スタック坂が大渋滞で二進も三進も行かない状態だった訳ですが、不思議に今までの様に激怒したり悪態ついたり、という事がありませんでした。
   これはあまりカリカリ怒ったのでは、余計に疲れてしまうというのを経験的に覚えたのと、失敗してリカバーする方法を勉強して、あまり負担に感じなくなってきた、というのが影響してると思います。最後に撃沈したスタック坂でも、モトクロッサーの大パワーを活かして30cmずつでも前に進もうとしてましたし、まぁ疲れたら止まったらイイやくらいの考えでしたので、去年の「しねばいいのに」みたいな感情はほとんどありませんでした。この辺りが、この一年の一番の成果だったかもしれません。

SN3J0120
その他の工夫としては、ゴーグルの曇り解消のために
ROKO SPORTSのクイックストラップを装着
しかし、スタート直前にストラップが外れて大慌てしました
結局のところ、最大の曇り防止は走り続ける事のようです




Ruhm und Ehre