3月の震災以来、スクールではエア抜きが最大のテーマとなっています。そして古い生徒さんの要望で初級コースに作られた尖ったコブの通過が、ベストテクをより理解するために重要である事が判りました。判ったからには、根詰めて通ってモノにしなければなりません。実は5月21〜22日とスクールを受けるつもりでいたのですが、その日は広島スクールという事で、急遽仕事のシフトを代わって貰い、14〜15日に受講する事になりました。






=14日=

   今年に入って、せっかく作った連休が天気が悪くて潰れてましたが、さすがに5月に入って天気が良い日が続いていて、14日の朝も晴れているのにそよ風が吹いて爽やかでした。BTCは一年で今頃が一番過ごしやすい時期じゃないかと思います。バイク乗るには良い天候でした。

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最近土日のスクールは大賑わいになる事が多かったのですが
今回は久々に少人数での内容の濃いスクールでした



■南コースで再確認

   まずはパドックで一通り、フォームのチェックから。大事なのはエアを抜いた状態で身体を固めるという事。エアが入っていたのでは、骨も関節も固まりません。つまり加速Gに耐えられない、身体が遅れてしまう、という事です。初めて聞いた時は、信じられない気持ちでしたが、自分が思っている以上に身体の中には空気が入っているもので、習ってからは減圧気味で乗るようにしています。
   フォームチェックのあとは、いつもの様に南コースでウォーミングアップ。エア抜きとコブの斜面に当たる時の前傾姿勢と加重の掛け方に注意しました。
   余計なエアを抜いて走ると、固めるべき時にガチっと固まる、というのは理解出来ているのですが、元が好き放題空気吸って生きてましたので、頭で判って直ぐに身体が対応する、という風には出来ていません。コーナーに進入する時、加速する時、そういう時に減圧(まさにそんな感じ)を意識しないといけません。調子が出て来て、ピッチが上がってくると、穴の開いたゴムボールみたいに勝手に身体に空気が入ってきてしまいます。そうなると、段々ライディングが不安定になってきて、リズムも狂ってきて、乗ってておかしな感じになります。それで気が付いて思いっきり息を吐く、という感じです。
   ジャンプは、今までどんな低いコブでも、身体が前に飛び出る様な姿勢でコブに進入していました。だから、ダラーとした飛び方でしたが、これをコブの通過で体感した挙動に合わせようとすると、キックバックを食らって不安定な飛び方になります。身体が前につんのめりそうになったり、ステップから足が浮きそうになった時は、その次は腰を引いてより前傾を深くする様にしました。
   南コースの手前のタイトコーナーは、アウト・イン・インで入って行きたい訳ですが、その気持ちばっかりだとフロントからインに突っ込んで、リアがパイロンに引っ掛かってしまいます。気持ちは大事ですが、内輪差の分も考えてラインを選ばないとスムーズに処理出来ませんし、ラインの自在度も限られてくる、というのを習いました。

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1日目のランチ樹林
きんぴらごぼう以外は完食しましたw



■コブの上にも3年の3回目

   いつもの様にランチ樹林のお弁当でお昼。前回は食い過ぎ防止で半分残したのですが、それだと夕方にはシャリバテ気味になってしまうっぽいので、今回はお残しせずに完食しました。
   午後は初級コースでコブの通過。「コブの上にも3年」の今回が3回目。いきなりバリバリ走らず、まずはゆっくり通過して、減速→加速→減速→加速の挙動の変化を自分の身体で感じるところからお復習いしました。そして、慣れてきたところで短発的に加速を入れ、斜面に当たっていく様にしました。ゆっくり通過するより、加速を入れてきっちり減速してコブに進入して行った方が、挙動のメリハリがよく感じられる様に思います。
   中級コースも走ってみましたが、前回習った通り、一つ目のコブは舐めて、車体を抑えつつ二つ目のコブを小さく飛んで、リアが浮いたところでエンジンの回転を上げて、3つ目のコブを大きめに飛ぶ、という段取りですが、あまり大きくは飛べません。前回よりはちょっとマシになった程度。短切に「バッ!」と開けれれば良いんですが、なんか暴走しそうな感じで開けられないのです。
   この後も初級コースのコブを軽く飛んでみたり、中級コースを走ったりしましたが、次なる自分の課題は「ピックアップのいいアクセルワーク」という事になりました。つまり、短切に「バッ!」とアクセルが開けれるかどうかです。その課題は翌日取り組む事になりました。

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あまり泥も付かなかったので、洗車せずそのまま温泉へ
車中泊するにも、今は良い季節で、ぐっすり寝れましたw





=15日=

   2日目も爽やかな晴天。路面も昨日は少し湿っていましたが、夜の内に完全に乾いたららしくて、砂埃がたつほどのドライ路面になっていました。二日目は、上級生の人たちと受講。ここ最近、自分が一番上級、というケースが多かったのですが、今回は久々に「自分が一番素人」のシチュエーション。スパルタンなスクールになる予感でした。(的中します)

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ベテランの皆さんとスクール受けるワタクシ(一番奥)
ベテランの人が多い時は、スクールの内容もその人たちのレベルに上がるので
結構アゴが出る一日になったりします




■「コブの上にも3年」の時代を経験してきた人達の通過

   いつもの様に、パドックでフォームのチェック。この頃はエア抜きした状態でフォームを固める訳ですが、固まり方が以前とは比べものにならないほど強力です。当初、よく判ってなかった自分も、スクール数回目でようやくその理屈が理解できるようになりました。
   続いて南コースでウォーミングアップ。今回は皆さんベテラン揃いなので、自分が追いつくといった事はなく、全力で走る事が出来ました。エアを抜いて固めるトコ固めて、というのは大分判ってきた(つもり)ので、ジャンプの時の飛び出しのアクセルワークや前後バランス等々を注意して飛びました。
   お昼の前に初級コースのコブの通過やっとこか、という事で、全員で移動。先輩方のコブの通過を見学させて貰いました。やはり「コブの上にも3年」の時代を経験してきた人達の通過は、自分らとは完成度が全然違って、とても安定して見えました。
   自分もお復習いで通過をやり、軽く飛ぶ練習もしました。とにかく、「バッ!」と開けるタイミングと開け方に注意して、少しずつ飛ぶ距離を伸ばす様にしました。

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ようやくサマになってきたコーナーリング
一昨年の今頃は、これが全然判らなくて、かなりヘバってましたねぇ


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大分元気よく飛び出せる様になりましたが
これが迫り立ったコブだったりすると、やっぱりまだ怖いです


■ダメ出し連発

   ランチ樹林のお弁当でお昼を摂って、十分休憩したあと、再び初級コースへ。中級コースはベテランの皆さんにおまかせして、自分はひたすら初級コースのコブをを通過したり軽く飛んだりを繰り返しました。
   もちっとやるかなー、それともそろそろ本コースに行った方がイイかなー、とか思っていると、先生から「そろそろ本コース走った方がいいでしょ」と言われ、本コースへ。大震災以来2ヶ月ぶりの本コースです。最初はゆっくり、呼吸やフォームなどを注意しながら、コースの状態を見て回りましたが、非常に良いコンディションで走りやすそうです。
   そこで、自分なりにピッチを上げて走ってみた訳ですが、何周か走ったところで先生から「全然アクセル開いてない!」と言われました。自分ではかなり開けてるつもりだったのですが、端で見てると全然だそうです。そこで少し休憩して再度チャレンジ。とにかく、2速でイイから回転を思いっきり上げてみる、コブを通過したり飛んだり、つまりリアが浮いた時はアクセルを開ける。直線の半分、仮に5メートルだったら2.5メートルは加速する、そういった事を心掛けて走ってみました。
   ようやく、高い回転域のエンジン音がどんなものか判ってきて、爆発的な加速がどんなもんかも体感出来ました。そこで先生から、その調子で3速で飛べるところは飛んでみる、と指示が出ました。ところがやってみると、先生からは再度ダメ出し。確かに爆発的加速、という感じではありません。
   こんな具合で、2時間ほど走った頃には、もう体も頭もフラフラで、音上げそうになっていました。問題なのは、自分では言われた通りの事をやっているつもりなのですが、それがどうもダメらしいという事。となると、一体何をどうしていいか訳が分からなくなっていました。

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二日目のランチ樹林
この時期になると、お寿司系が出てくるんですよねw



■やってるつもりと忘れてる事

   しかし、こうなったら出来るまで終わりません。先生から説明を聞き、見本を見せて貰い、走ってダメ出し食らって、、この連続です。そこで何となく見えてきたのが、「アクセルを開けるとセクションが直ぐ迫ってくる。直線の中間まで加速してオフにしたのでは、回転が上がりきらない」という事でした。
   先生も目一杯教えてるのに、なかなか出来ん自分にホトホト手を焼いてる、という感じでしたが、申し訳ないなーと思いつつも、やるべき事はやっているつもりなので、どうにも処置無しです。手の平の破れたマメはズキズキ痛いし、肩関節や肩甲骨の内側は筋肉痛で熱持ってくるし、呼吸も減圧気味で頭がボーッとしてました。でも、先生が止めというまで、自分から止める訳には行きません。
   肩で息してフラフラになった何周目かに、先生からアクセルワークについて注意がありました。曰く、自分のアクセルワークは、アクセルのオンオフしかない事、巡航中は全閉にはしない事、エンジンの回転が落ちた時はビギニング調整をしなければならない事。自分はアクセル全閉ににして、加速に移る時はアクセルをガバ開けして加速の姿勢を取ってるそうです。ところがエンジンの回転はいきなりは上がってこない。ようやく上がってきた頃にはセクションの手前、という感じです。
   そうではなくて、アクセル開度1〜2ミリでモニョモニョ調整する事で、エンジンのツキがよくなって「バッ!」と回転を上げれる、との事でした。これは今までにも何度も習ってきていますし、自分でもやっているつもりだったのですが、全然出来てなかった、という訳です。
   もうフラフラでしたが、再度チャレンジ。コーナーはゆっくり、ジャンプは飛ばず、とにかく直線で加速できるのだけを考えて走りました。ギャラリーコーナーに向かう直線の手前の、上級生の人が思いっきり飛ぶビッグジャンプを飛ばず舐めて行く時に、今まではそこのギャップをほぼ惰性で走るか、あるいはアクセルをオンオフしてギクシャクして走ってましたが、右手に注意して、1〜2ミリのモニョモニョする様にしました。そうしながら息を吐ききって少し吸って、加速に耐える姿勢を作って、思いっきりアクセルを回してみました。
   すると、今までにはない加速感。もたつくところがなく、バババーと加速していく感じ。今までよりも早めに回転が上がっていく感じがしました。だから、早めにアクセルオフにも出来ますし、その方が減速もスムーズな様な感じです。先生からもやっとオッケーが出ました。

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スクール通うことに対して、アレコレご意見を頂く事もあるんですが
自分みたいな鈍感は、独学自習では一生気が付かないまま終わり
って事が多いと思うんですよねぇ。。



   オッケー出たあとも、さらに2回、本コース(ただしショートコースでw)を走り、最後に南コースで自分でも別人化してる事を確認して、本日のスクールは終了となりました。終わった時間は1800時ちょっと過ぎ。最後の最後には、自分の間違いが判って良かったです。
   年に何回か、煮詰まってグラグラになる時がありますが、「自分には向かんかなー」と思ってしまう事もありますが、こういう時こそ辛抱のし時。これを乗り越えた時、一皮剥けた走りになってきた訳です。

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本日の評価
今日習った事は、半年後くらいには出来てる様になっている
・・・・かもw