前回のABKでの練習では、自分が如何に単発的な加速Gに弱いか、かつ加速というと、ダラ〜っと加速してしまう癖があるか、という事が明確になって終わりました。この問題を解決しない限り、レースに出たとしても勝負にもなにもならない事は明白です。1月23日はウィークエンドレーサーズ開幕戦で、予定ではこれに参戦するはずでしたが、それをパスしてスクールを受ける事にしました。


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冬本番のBTC市貝ですが、風がなければ意外に暖かい
天気の良いのがありがたいです






=22日=

   この時期のBTC市貝は、道の駅はがに比べても相当に寒いのですが、今回は先月に比べたら、多少マシな感じがしました。それでもあちこちに雪が残っていて、コースの日陰の部分は凍ってる公算が大でした。
   初日、ご一緒したのは、db殿、ビート殿。ビート殿、知らない間にバイクがWRからKTMのSIXDAYSに変わってました。定価の半額程度で買ったとか。今年はこれで頑張るとの事でした。

■パンツずり下げない

   今回受講の最大の目的は、加速Gに遅れない事。しかし、実際には遅れている訳で、遅れない秘訣なりコツなりを習って帰る事です。加速に遅れない人というのは、どんなやり方で耐えてるのか、と期待して先生の話しを聞いたのですが、言われたのは「体重心を上に上げる、その意識を持つ」という事。
   アクセル開けられない人というのは、体重心がドンドン下、つまり足に下がっていって、リア過加重になって余計エンジン回転上がらなくて、かつハンドルにぶら下がる形で加速に耐える事になるから、余計開けられない、という事でした。先生曰く、こういう乗り方は、パンツがずり下がった状態、加速Gが掛かると「パンツずり下げモーメント」になってしまう、との事でした。
   では、どうすれば良いかと言えば、体重を上に持ってくる、前傾くの字で懐に体重を持ってくる、という事でした。この事はスクール通って以来、ずっと習って来ている事です。しかし、具体的にそれをどう実現したら良いか。それは、上に体重を持っていく意識を持つ、という事です。足の方に意識をしない、加速する時は肩を固めて、息を止めて、ぐっと身体を前に出す。毎回フォームチェックの時にやっている、アレを実践する事なのです(爆)

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フォームを習うdb殿
体重が腰の方に行ってしまうと
リア過加重になって、リバウンドを食らうし
加速Gにも耐えられません


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こちらはKTMに乗り換えたビート殿
正しく乗れれば、前後に押されて
下に体重が行かず、Gを余り感じなくなります


■南コースで大変身

   何だか狐に鼻つままれた様な気分で、南コースへ。取り敢えず、一気に加速する時、ジャンプの飛び出し、コーナーの進入、ここで肩固めて、息吸い込んで止めてみる事にしました。するとどうでしょう。何と無しか、体重が上の方でキープされてる感じ。加速しても、加速に遅れない、というか耐えてない感じがします。ウォーミングアップで何周か走ってみたところ、手のひらがジンジン。今まではどっちかというと、指の方が痛かった感じでした。
   さらに走ってみると、加速の時にちゃんと息を止めておけば、体重が上にキープ出来る感じです。そしてキープした時の体重分布というか、Gの掛かり方が何となく判って来た気がしました。そしてどんどんアクセルを開けれる様になっていきました。
   しかし、スピードが上がっていくに従って、段々呼吸が合わなくなってきました。ジャンプの踏切で息が抜けたりすると、体重が下がって前につんのめる様な感じです。その事を先生に言うと、呼吸によって体重を上に上げるんではなくて、体重を上に上げていれば放っておいても息止める様になる、との事でした。

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グリップの握り方も重要
アクセル全閉の時に、奥襟を掴む感じで握る位置がポイントです



■ビッグジャンプで転けて開眼

   いつもの様にランチ樹林のお弁当を食べてから、早めに初級中級コースへ。溶けた霜だか雪だかで、ちょっと地面がグジュってる感じでした。db殿とビート殿に初級コースは譲って、自分は中級コースへ。外側のコブは地面が崩れてて走りにくくてあまり飛べませんでしたが、真ん中のコースは比較的乾いてて、飛びやすくなっていました。
   前回習った要領を思い出しながら、体重が下に垂れ下がらない様に、上を固めて飛んでみました。すると、今までだったら怖かったジャンプの進入が、あまり怖くなくなっていました。そして着地も、ベターッと落ちる感じじゃなくてストーンと落ちて、かつ再加速しやすくなっていました。
   中級コースはそこそこに切り上げ、本コースへ。まずはゆっくり走って、コースの状態を確認しましたが、案の定、三日月コースから先が雪が残っていて滑りやすく走りにくい。しかし、日の照ってるところは乾いていて走りやすい。そこで走りやすいところは、徐々にピッチをあげて走る様にしました。
   確かに、前回よりは大分走りやすく、ジャンプの進入も怖さが半減していました。そこで、さらにピッチを上げて走ろうとしたのですが、ビッグジャンプを飛ぼうとして飛び損ね、前転しかけてフロントが地面に突き刺さり、頭から地面に落ちてしまいました。幸い、大して飛んでなかったのと、地面が柔らかかった事、リアットブレースを着けてたお陰で、右肩を軽く打っただけで済みました。
   そこで先生からアドバイスされたのは、体重は上に上げなければならないが、リアは押さえておかねばならない、という事でした。今までは、アクセルオフにしたら、腰から下は力が抜けてましたが、リアは常時押さえておかねばならない、という事でした。

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初日のランチ樹林
完食すると、午後の練習で胃がもたれる事があるのですが
美味しくで全部たべてしまいました


■本人が自覚する別人の走り

   さっそく先生から言われた様に走ってみました。体重は上に上げる様にして、かつ腰と足はリアを押さえる様に。ただし、今まで見たいに、どーんと体重を掛けるのでなく、一定に姿勢をキープする様なイメージで。
   すると、何だかよく判りませんが、さっきよりも急にバイクの走破性が上がった様な感じです。ジャンプもさらに安定して飛べて着地でき、かつ再加速が早い。そしてビッグジャプを跳んだあと、直線の加速。今までは、ハンドルにぶら下がる様な感じで、必死で加速Gに耐えていたのですが、今回は最初にGが来たあと、徐々にGが消えていって、身体が前にふわぁ〜っと浮いてくる感じ。だから余計にアクセル開けようという気になってきます。そしてブレーキを掛けたら、より明確に減速Gを感じる事が出来る様になりました。
   こうなったらもっとアクセル開けようかー、という気になってきて、ジャンプにも前より強力に当たっていこうという気になってきました。そしてどんな短い距離でも、アクセル開けれそうな所は、どんどん開ける様になっていきました。こういう感覚は今までにない事で、非常に不思議な感じでした。
   前回と今回のどこに違いがあるか、それを口や文章で説明するのは、非常に難しいと感じています。というのも、意識の持ち方を変える、ただそれだけだからで、コツだのテクだの、そういう話しでもなかったからです。日常的な身体の使い方と、バイク乗る時の使い方では、かくも違うんだな、という事は確かです。そしてそれは、スクール通ってないと絶対に理解も体得も出来ない事だなー、と実感して一日目が終わりました。

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こちらの人も別人の走りを体感中
コースの所々に残った雪がトラップポイントでした





=23日=

   先月の車中泊の経験から、この時期のBTC市貝の夜は強烈に冷える事が判りました。そこで今回はハクキンカイロを投入。しかも1個でなく2個。それを足元に入れて寝た訳ですが、威力は絶大。朝まで夢みるほど熟睡できました。夢の中でもジャンプ飛ぶ練習してましたから、一日目の成果はよほど大きかったと見えます。

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暖かい季節にはパドックでご飯炊きますが
この時期は湯冷めしない事が重要ですので
ストッカーでお弁当買って、食べてから温泉に行きます


■習った事を当たり前にする

   二日目は、自分の他にOトさん、いざ酔いのTマスター、魚屋のT社長がご一緒されました。T社長、「一生最後にフルサイズに乗る」という事で、新車のKX250Fで参加でした。
   やはり今日も体重心を上げる、という事がテーマで、みんなでフォームチェックをして貰いました。自分は特にジャンプの飛び出しの時の姿勢をおさらい。低体重心にならず、かつ深く身体を畳むにはどうするか、再確認しました。
   続いて南コースでウォーミングアップ。昨日、ビッグジャンプの所で転けて打った右肩は少し痛みましたが、元気に走りました。とにかく、今までとは加速感が違う。リアが引っ掛かる感じがしない。コブの斜面に当たっていくのが怖くない。特にジャンプは、前のめりだなと感じたらリアに掛け気味にし、アクセルのお釣りが来るなと感じたらリアの掛け方を軽くし、という具合に調整できる様になってきました。
   そして、どんどんアクセル開けて、バンバン斜面に当たっていこうという気になり、最後の方には昨日よりもタイヤ1つ分くらい先に着地する様な感じで飛べる様になりました。こりゃ行けるぞ、という感じです。

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フォームチェックを受けるTさん
今や「ベストテク居酒屋」の異名を取る
宇都宮市内のいざ酔いのマスターです



■本コースではミス連発

   ランチ樹林のお弁当を食べて、早めにスクール再開。他の皆さんは初級中級に向かわれましたが、自分は本コースへ。こうなったら、ドンドン本コースを走って、新しい走りを自分の身体に馴染ませる事です。
   そこで勇躍、本コースに乗り出した訳ですが、坂の下の段が掘れていてリバウンドを受けて危ないこと、三日月コース、長靴コーナーから中級コースに出るタイトターンまで、タイトターンから尖ったコブに向かうまでが、雪が残っていて滑りやすく、非常にミスしやすい状態になっています。実は昨日はあまりに難しいので、三日月コースに行かずショートコースで練習したくらいです。その方が、新しい走りを身体に馴染ませる事が出来るからでした。
   しかし、二日目はそんな甘えた事いうておったのでは練習にならんと思い、全部使う事にしました。
   が、案の定、ミス連発。ミスする度に体重が足の方にずり下がって、ペースやリズムを維持出来ません。滑ったり転けたりする度に「くっそー、もっと走れるはずやのに!!」と歯がみする事しばしばでした。

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二日目のランチ樹林
子供の頃は、カボチャの煮付けなんか食べなかったのですが
最近は食べる様になりました
歳とともに、嗜好が変わるんですかねー



■前の走りに戻っても、新しい走りに戻す

   とにかく、ミスってしまうのは自分が下手なので仕方ない事です。それよりも、ミスっても正しい走り方が出来る事の方が大事です。ミスしやすい所はゆっくり走って処理する事にして、乾いて走りやすい所で頑張る事にしました。
   加速に遅れない姿勢、リアを押さえて走る要領は、とにかくそれを意識する事が大事です。力を入れる所を意識して走る。下に下がってしまった時は、加速し易そうな所で意識を上に上げる様にする。こうやって何度か(といっても、4周走ったらバテてしまうんですが、、汗)インターバルで走ってみました。
   ジャンプはある程度飛んだ方が、むしろ楽な事。中途半端にゆっくり走った方がフラフラして危ない事。そこら辺の事も段々判ってきたのですが、肩が筋肉痛だし、特に昨日地面にぶつけた右肩が重苦しくて、段々バイクを押さえるのが苦痛になってきました。
   最後に先生にタイムを計った貰う事になったのですが、どーにも奥のコースでミスしまくってタイムが上がらない。タイムが上がらないどころか、走り続ける事も出来なくて、コースの途中でスローダウンする始末。自分が思っている以上に疲れ切っていた様で、ここで今回のスクールは終了となりました。

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この時期は揚水ポンプが凍って洗車機が使えないので
ゴムべらでフェンダーの裏の土を落として帰ります
もちろん、落とした土は掃除しますw



   今回のスクールは、これまで(去年の今頃からw)ずっと謎だった、「加速に遅れない」「単発的にアクセル全開にする」「ジャンプの斜面に当たる時と着地が怖くならない」……等々に対する答えを得た気がします。もっとも、その要領は、ずっと先生から習ってきている訳ですが、意識の持ち方、日常的な身体の使い方、といった事の違いから、なかなか習得できずにいた感じです。それが一皮剥けた二日間でありました。

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先生から貰った評価はMVP
でも、自分の中では、まだ十分吸収しきれてない感じ
次回スクールで、完全に体得します!