全戦参加を企図したモチュールカップの第三戦目。事前にスクールも受け、角が丸くなったタイヤも新品に換え、自分の仕上がり具合を楽しみに臨んだ訳ですが、結果はまさかのDNFでした。


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前後ともタイヤを新品に替えて
やる気満々で臨んだのですが……





■準備でアヤがつく

   この時期は、雨が降ったり止んだりなので、洗濯や整備がなかなか進まない訳ですが、それでも少しずつ片付けていき、レース前日にオイルもタイヤも交換し、エアクリーナーも用意して、準備万端で本番を迎える事が出来ました。
   で、思った以上に早く用意が終わったので、ゴロゴロと昼寝をしていたのですが、扇風機(ウチにはエアコンがありません)の風の直撃を食らって寝てたせいか、鼻風邪を引いてしまいました。この時期の風邪って、布団被って寝てる訳にもいかないので、とても困るのですが、初期症状ですので薬局で薬買ってきて、多めに飲んで寝ました。
   明けて11日。朝0230時に起きて0330時頃出発。早めにパドックに着いて、スタート地点に近い所を陣取る為です(笑)。凍らせた2リットルのアクエリアス2本やら、おにぎりやら、何だらかんだら荷物が多く、それをまとめて持って行ったまでは良かったものの、現地に着いてバイク下ろした時に、オイルを塗ってガイドを填めたエアクリーナーを持ってくるのを忘れた事に気が付きました。
   実は予備のエアクリーナーは常備しているのですが、それに填めるガイドは一つしかありません。「あ〜、今日は見学かなー」と思っていたら、スクールの先輩がCRF250R10のガイドを持っていて、貸してくれて、あわや棄権を回避する事が出来ました。

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相模川からやってきたshunさん
ビニテ切り貼りのゼッケンが猿ヶ島チックですw

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ライダーズミーティング
周回数の多い人はガス欠に注意、との事でした
自分も45分くらいでガス欠の心配が出来るほど
走れる様になりたいです


■下見と準備

   今回のレースは、第一戦と同様にパドックから桑畑コースに向かう時計回りとの事でしたが、谷底のロックセクションをカットした代わりに、a-かぁ坂を登る、との事。事前にその情報に接した自分は、まずは自分の足で歩いてみる事にしました。
   コースに入って直ぐ判ったのは「うへぇ!滑る!」でした。前日まで雨が多少降ったからでしょうか、平らな所でもニュルッと滑るところがあり、こりゃぁタイヤ換えてなかったら大変な事になってたかもしれんなー、と思いました。そして問題のa-かぁ坂。確かに下はグジュってるのですが、滑るという感じではありません。坂は、上に行くほど傾斜がきつくなっているのですが、地面が意外に締まっていて、ライン取りさえ間違わなければ、エイヤっで登れそうです。もっとも、左のラインに行ってしまうと、うっかり谷底に落ちてしまう危険を感じました。
   パドックに帰って、タイヤの空気圧の調整。日頃のスクールでは、前後とも0.8くらいにしているのですが、前回は前0.7後0.6にしても大変だったので、今回は前0.6後0.5まで落としました。ほぼJNCC斑尾大会の時と同じです。ここまで落とせば、新品タイヤと相まって強力にグリップしてくれるはずです。

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下見ラップに臨むワタクシ
この時点までは、ガンガンにやる気でしたw




■下見ラップで

   これまでの下見ラップは、全クラス同時に出発でしたが、前回の激ゲロ坂でのスタックを鑑み、今回からはAA、AクラスとA2クラスで分けて出発する事になりました。自分はパドックの出口に一番近いところに陣取っていたので、A2クラスでいの一番に出発する事になりました。
   下見走行は何時も緊張するものですが、失敗するにせよ成功するにせよ、取り敢えず1周走って帰ってきたら、それなりに自信がついているものです。今回もいつもの様にドキドキして走り出したのですが、タイヤが新品で空気圧も下げたせいか、タイヤが跳ねる感じがなくて、がっちりグリップしてる感が満点です。それ以上に、以前の様にリアがどないなってるか判らんのではなくて、浮いてるのか滑ってるのか、足の裏を通じて判る感じがします。
   その様な訳なので、いつもなら苦手な桑畑コースの下りのカーブもグチャったワダチも、スタンディングのまま通過。「おぉ!オレにしちゃー、調子良いぞー」と思いつつ、桑畑コースを出て、初級コースの左脇の入口がアップダウンになってる脇道へ。入口のところで、誰か転けてるのをチラ見して登り坂を上がろうとしたら、勢いたりなくて頂上でエンスト。「やってもたー」と慌ててキックするものの、なかなか掛かってくれなくて、後から来た人に次々抜かれてしまいました。
   やっとこ掛かって、クラッチ切ってギア入れて、減速姿勢で今度は下りを降りようとクラッチ繋いだ瞬間、フロントがズリンと滑って、右肩から地面に落ちてしまいました。この種の転け方はよくやるのですが、今回は肩がかなり痛い。バイクを起こそうとすると、ズキーンと痛んで力が入らない。とは言え、狭い小径を塞ぐ様にバイクが倒れているし、後がつかえてもいるので、ウンウン唸りながらやっとこバイクを起こし、しばらく肩を押さえて痛いのに耐えてから、再出発しました。
   ところが、右肩が痛くて、フォームを維持するにも難儀する始末。辛うじてa-かぁコーナーを曲がり、a-かぁ坂までやってきましたが、案の定、登坂に失敗。ところが、バイクを下に下ろすのが大変。何をしても右肩が痛くて、変な方向に向いたバイクの向きを直す事が出来ません。ギリギリ痛む右肩を辛抱しながら、ようやく下までバイクを引きずり下ろし、再チャレンジ。2度と転けたくなかったので、エンジンの回転を落とさない様に気をつけて、クリアしました。

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下見ラップ後、思わず肩を押さえるワタクシ
普通、転けても帰ってくる頃には
大体痛みが治まってくるものなのですが…

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タイヤを新品にしただけあって、素晴らしいグリップ感でしたが
咄嗟に滑った時には、為す術もなく転けてました


■リタイアの決断

   何とかa-かぁ坂を登り切ったものの、右肩はいよいよ痛い。まさか折れたりヒビが入ったり、という事ではないとは思うものの、バイクのレースを続ける雰囲気じゃない。そこで頭をよぎったのが職場の事。
   すでに一人が長期入院で居なくなっていて、この上、自分までが抜けたら、職場には相当迷惑かける事になる。その前に「バイク止めるか仕事辞めるか」といった切羽詰まった話になってしまうでしょう。そうなっては非常に具合が悪い。まだまだ理想とする走りが出来てない以上、今、止めたら今までの努力が水の泡です。
   確かに、たった1周でリタイアというのは、非常に格好悪い事です。でも、打ち所が悪くて痛い事も確か。この次、何かミスったら、堪えようもなくて大コケしてしまうかもしれません。その前に、痛い身体で走っても楽しくはありません。とても残念でしたが、リタイアする事にしました。
   パドックに戻ったのは自分が一番最後。その数分後には、本戦がスタートしました。集計係をしてたぱっつぁん君に撮影に行って貰う事にして、自分は集計係をやる事に。自分が走れない代わりに、他の人の走りを十分見学させて貰いました。

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スタッフのお手伝いをするワタクシ
右腕をダラリと下げると肩が痛いので
ウェアを掴んで肘を上げています


■敗因と反省
   やっぱり、一番の敗因は、転けてる人に注意が行って、コブを越えきらずにエンストした事だと思います。初級コースの脇道は、どちらから出入りしても苦手で、毎回エンストしたり滑って転けたりで、気を抜けないポイントなのです。ここをエイヤと乗り切ってしまえば、いくら滑りやすい下り坂でも、フロントを取られて肩から落ちる、なんて事はなかったと思います。
   しかし、あそこはベストテクコースによくある「曲がった先が急な上り坂」というやつで、失敗しないまでも、なかなかスムーズに通過できないセクションです。言い換えれば、そうしたセクションをミスする事なくスムーズに通過していければ、タイムも車速も上げれる訳で、自分はまだまだ練度が低いなぁ、と感じます。
   転け方については、日頃スクールで習っている様に、うっかり手を出したりせず、グッと肩を固めて落ちていったのですが、まぁ、打ち所が悪かったとしか言いようがありません。むしろ、ヘタに手などついていたら、手首とかやっていたかもしれませんので、この落ち方で良かったのでは、と思っています。
   翌日、整形外科に行き、レントゲンを撮って貰いました。写真では写っていないのですが、鎖骨の肩に近い方が折れてるのでは?と疑われましたが、取り敢えず湿布貼って、痛み止め飲んで、仕事に行ける程度の怪我ですので、大事とってリタイアして正解だったと思っています。
   今回の失敗は、肩が治ったら、積極的にスクール通って自主練習も取り入れて、秋の第四戦でリベンジしたいと思います。

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ブービーメーカー賞という事で
ナスとお米を頂戴しましたw