昨年末の最終戦は、取り敢えずモトクロスのレースってのがどんなものなのか体験するためにお試しで出てみた訳ですが、結果はともかく、意外に面白く、これからも続けようと思った訳です。そして年が明けて、第一戦。前回の最終戦から何回かスクールも行きましたので、どの程度出来る様になっているか、評価試験のつもりでエントリーしました。






■事前練習から見えてきたもの

   本番までにスクールは2回、モトビでの練習も2回行う事が出来た訳ですが、確実に言えたのはセクション通過がスムーズでなく、コーナーは一旦止まって向きを変える、といった処理の仕方になっている為、どうあっても車速は上がらない、という事でした。中間加速の仕方は幸いに理解できましたが、それも路面次第でどうにも出来ない場合も多く、この点については練習不足より経験不足を強く感じました。
   総じて言える事(というより、言われた事)は、「今の時点ではレースに出る、というレベルではない」という事で、その点は認めざるを得ないと感じていました。むしろスクールであれ自主トレであれ、もっとコースで走り込んで、習った事が色々と自然に出来る様になるまで仕上げていかねばならないな、というのが、事前練習までに見えてきた事でした。

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所々、白く雪の残ったコース
午前中の苦戦が十分予想されました


■ところが天気が

   とは言え、取り敢えずは2回コースで練習し、コースの感じもつかんで本番に臨んだ訳ですが、なんとその後天気は崩れ始め、本番前日は一日だらだらと小雪が降る天気。こりゃぁ、コースはグッチャグチャになってるだろうな、と思ってたら、案の定、コースに行っていた人から、予想通りの情報が入り、ホントにシャレならん状態だったら、無理せず棄権した方がいいな、とさえ思いました。
   というのは、今もってマディ路面は全然走れませんし、無理して走ったら転けたり轢かれたり、という事態も十分ありえます。自分みたいなトロトロした走りだったら大したケガはしないだろう、と思うのは大間違いで、思わぬ大怪我、というのも色々ありました。そこで諸先輩方から言われてる事は、「無理だと思った時は走らない」という事です。
   社会人ライダーは、勤めに穴を開ける訳には行きません。だから、怪我して仕事休む、なんてのは許されない訳です。だから怪我しない様に乗らねばなりませんし、怪我しないようにスキルアップも目指す訳です。それでも、ダメそうな時は乗らない、という判断も大事だ、という風に言われています。
   最終的な判断は、現地に向かってからする事として、準備だけは済ませ、いつもの様に炊飯器ケーキ作って本番に備えました。


■寒いとエンジンがストライキ

   開けて14日の本番。今回は余裕をもって0600時前には現地入りしました。お知り合いはまだ誰も来て無くて、さて、さてどうしたもんかと路頭に迷ってウロウロしてるウチに、他のみんながトランポ駐めてる所が判ったので、早速移動し、まずコースを歩いてみました。
   そのコースはというと、夜半まで雪が降ったらしく、所々雪がうっすら残った状態で、地面は半分凍った状態。しかし、陽が昇れば漏れなく溶け出すには違いない訳で、グチャグチャが予想されました。しかし、雨が降っている訳ではないので、それ以上、マディになる心配はないと判断し、頑張って出走する事にしました。
   受付を済ませ(エントリー用紙をファックスするのを忘れてた)ゼッケンを貰って準備開始。まずはバイクを下ろして車検に回し、スポークの緩みなし、という事でパスしたあと、エンジンの暖気をやろうとしたのですが、何度キックをしてもエンジンが掛からない。
   こういうのは前にもあったので、慌てる事なくタンクを外して、プラグを抜いてみると、案の定、黒く濡れている。パーツクリーナーかけて金ブラシでキレイにしてから組み直し、再度キックしてみるものの、やはり始動しない。困ったなーと思っていたら、前にモトロマンのK店長から「キルスイッチを押したまま10回ほど素早くキックして、それから普通にキックしてみる」という方法を習ったのを思い出し、実行してみると、ババ〜ンとエンジンが掛かりました。
   何でも、何かの拍子にFIのタイミングがずれるそうで、空キックを踏む事でタイミングを合わせるのだそうです。

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若葉クラスのスタックポイントとなった
テーブルの登り斜面
去年の自分だったら、恐らく滑って登れないでしょう


■公式練習

   エンジンが掛からなかったりで手間取ったせいで、ウェアに着替えてる間にブリューフィングが終わってしまい、集合写真にだけ納まりました(笑)
   それが終わったら、いよいよ本番。まずは公式練習です。覚悟はしてましたが、やっぱりドロドロ。下見ラップはゆっくり走れ、と言われなくても徐行運転です(笑)いきなり難所化したのは、第一コーナーの次ぎのテーブル。斜面で蛇行して転倒したり、登り切れなかったりで、まるでエンデューロみたいに渋滞してます。自分にも沢山経験がありますが、チュルチュルになった登り坂ほど、嫌でしんどくて泣きたくなるものはありません。転けたバイクをどかし動かしして、渋滞は徐々に解消。自分の番が来ましたが、開けすぎず開けなさすぎず、エイヤと登りきる事が出来ました。レーサーってスゴイなー、新品タイヤってスゴイなーと思いつつ、先を急ぎました。
   しかしまぁ、ここまでドロドロだと、事前練習もヘッタクレもない訳でして、とにかく2速で徐行運転。エンストは良いとしても、転倒だけはしない様に心掛けて走りました。そして3〜4周ほど走って公式練習終了。まぁ、辛うじて走れたからイイや、という事できっちり決勝に出る事にしました。

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晴れの時のマディというのは
周回が進む事にラインも出来て地面が締まってくるのですが
それでも滑りそうな予感で開けられません


■えらいこっちゃの第一ヒート

   自分の出番はお昼前という事で、それまでは他のクラスの人がどんな走りをするか観戦してました。端で見てるのと実際走るのとでは、全然違うのは言うまでもない事ですが、やはり見ると見ないとでは心づもりに差が出る訳です。
   そしていよいよ本番。まずはスタートグリッドの抽選から。自分は2番目に呼ばれたのですが、あわてて最初に入ってしまい注意されました(すんません、、)。とにかくスタートは全開でぶっ飛ばして行かんといかん訳ですが、何せ地面がグチャグチャ。開けて滑って転けてもたまりません。とは言え、出遅れても処置無しなので、どうすべかなー、と思ってるウチに、「15秒前」のプラカードが出てしまい、思考停止。「5秒前」でアクセル半開、ゲートが降りた瞬間、自分も飛び出したんですが、両サイドの方が若干早くて、モロに泥を被ってしまいました。
   実は今回、初めてティアオフを使ったのですが、用意してて大正解。一瞬にして視界は60%オフです。クソっと思ってティアオフを剥がしたら、1枚だけ剥げれば良いのに、2枚とも剥げてしまいました。しかも、慌てて追いかけたのに1コーナーでエンスト(がっくり)。ダメだこりゃー、と思ったのですが、そこは良くしたもので、テーブルを越えた辺りから、アチラこちらでスタックしてるバイクがいて、有り難い事に抜かせていただきました。
   なんだかモトクロスなのかエンデューロなのかよく判らんまま走り続け、バンクの上に掘れたワダチにはまってスタックしたり、インで行くのに自信のないコーナーをアウトから行ってインを刺されたりしながら、取り敢えず転けない事を念頭において走り続けました。出来れば3速に上げて車速を上げたかったのですが、どうにもこうにも、平らそうな地面があっても泥が乗ってる様なところばかりで、とうとう最後まで2速のままチェッカーを受けて強い舞いました。
   結果は11台中8位。辛うじてビリケツを逃れた訳ですが、むしろ泥に助けられた結果かもしれません。

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今回も投入した炊飯器ケーキ
今回は甘納豆入りの抹茶
半分食べたら、うっかり地面に落としてしまいました





■微々たる進歩の第二ヒート

   取り敢えず五体満足に帰ってきた事に満足して(笑)、おにぎり食べたり歓談したりしてお昼を過ごしたあと、午後の部。陽が高くなってから、コースはもうもうたる湯気に包まれ、地面はドンドン乾いていっていました。さらにお昼休みに整地され、午前に比べればかなり走りやすい路面になってきました。
   第二ヒートのスタートグリッドは、第一ヒートで両サイドから挟まれたのを反省して、左側には誰もいない所を選択。しかも右側は今回新設された市販車クラスので出場されたXRだったので、これなら大丈夫、と踏みました。
   が、これがとんでもない間違いで、その赤いXRの人はかなりの手練れだったみたいで、またしてもスタートで失敗。それでもケツから4番目くらいで第一コーナーに突入し、今回はエンストもスタックもなくテーブルを乗り越えていきました。ところが、今度はフープス手前のコーナーでエンストしてしまい、しかもちょっと登り勾配でエンジンが掛かりづらく、これで勝負がついてしまいました。
   結果は、11台中9位。今回も辛うじてビリケツを逃れた訳ですが、自分の腕よりもマシンの性能に助けられたんじゃないか、という印象を持ちました。(同じCRFでも09年モデルの人は、気の毒なことに再始動できないで終わった人もいた)

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スタートで出おくれる一番の理由は
滑って転ける可能性が大だからで
これはこれで大いなる改善点です

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1ヒート目に比べたら走りやすくなっていたものの
スムーズに気持ち良く走る、というのとは
程遠い走りでした


■まとめ

   午前中のマディ、前回と比較してビリケツから脱却、という具合に、「去年の自分だったら無理だった」「前回の自分には判ってない事があった」と、自分の中で前進した部分を感じ取れたのはプラスであったと思います。
   しかし、結果は総合で11台中9位、入賞外ですから処置無しです。再三言われている様に、レースに出るだけお金と時間の無駄、と言われても仕方ない内容です。そのための力を、もっとスクールなり練習なりに投じる段階だな、というのを強く実感しました。
   もっとも、その様に感じられるのも、日頃スクールに通ってる成果の一つだと思いますし、「参加する事に意義がある」的な満足の仕方をしなくなった事は、それも進歩の一つかな、と思います。
   どうせ出るなら、少しはイイトコ見せたいと思うからには、ここは一つ、腰を落ち着けて、じっくりと鍛錬に取り組みたいと思います。


男なら