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エンデューロ に参加中!
   そもそも、自分がベストテクスクールに通おうと決心したのは、去年から数回参戦したエンデューロレースの出来映えが、あまりにもお粗末すぎて、これじゃ楽しめないどころか、危ないと感じたからでした。特に、4月のベースキャンプEDでは、もっと走れると思っていたのが全然ダメで、途中でイヤになってしまって棄権したくらいです。以来、今年一杯は訓練期間と考えて、一切のレース活動を自粛する事にしたのでした。
   それにも関わらず、今回、モチュールカップに参戦する事に決めたのは、ベストテク初級の卒検の意味を持たせるためでした。実は、当初は中級卒検のつもりでエントリーしたのですが、夏の間に5級を終える予定が、修了する事が出来ず、その前にレーサーが納車され、そのレーサーに乗ってみたら、とてもじゃないが今の自分のレベルで5級修了はあり得ない、と考え直し、初級卒検という風に考え直したのでした。


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■参戦準備

   その様な訳で、モチュールカップには、グレート・ストライカー号(XR250)で参加する事としました。ランスチャージ号(CRF250R)が来るまで、9級から5級第5段階まで、ずっとグレート・ストライカー号で受講してきましたし、また来たばっかりのレーサーでレースに出ても、乗りこなせないし、壊すしで、ロクな事がないと考えたからです。パワーも加速感もないバイクですが、乗り慣れている事、アクセル開けてる限りどこでも登っていく事、2速だったら大抵の坂は安全に降りれる事がメリットです。
   参戦にあたっては、久々にレース仕様に車体を転換させました。つまり、ライト無しのライトカウルに付け替え、テールランプ、ウインカー取り外し、そしてタイヤはちびたAC10からまだ3回しか使ってないS12に履かせ換え。オイルも2000km近く交換してなかったので、今回初めて自分でフィルタと一緒に交換。ゼッケンは、勝沼のレースの時以来、「55」を付けっぱなしにしてたので、そのまま55番です。もっとも、サイドカバーは半年の自走でのスクール通いでボロボロになりましたので、新しく白のカッティングシートを貼り直しました。
   今回のレースの要目は、無事に帰還する事、習った事が出来る事、出来る限り早く走れる様にする事。この3つ。優先順位もこの順番です。他の人と競争したり、という事は一切考えませんでした。というのも、「ベストテクのレース」な訳ですから、参加者はほぼ全員、スクールの上級生。競争になる訳がない、と考えたからです。これまでのレースと同様、疲労感、恐怖心など、自分との闘いである、と考えました。


■モチュールカップの雰囲気

   トランポのバイクをランスチャージ号からグレート・ストライカー号に積み替え、ピカピカの新車であるランスチャージ号は、小汚いシートを被せられ、自宅で留守番。2台積みで行っても良かったのですが、前泊で車中泊するつもりでしたので、下ろすのが面倒で置いていく事にしました。
   世間様は、シルバーウィークの初日という事で、1800時に出発したものの、国道4号線に出るのに1時間も掛かってしまいました。もっとも、4号バイパスに出てからは、ほとんど渋滞もなく、3時間ほどでベストテクコース市貝に到着しました。
   着いてみてビックリしたのは、なんと大家族らしい集団が、楽しげに大バーベキュー大会やっていた事。まぁ、前泊する人もいるだろうとは予想していたのですが、ご婦人やお子ちゃまがワイワイキャッキャと集団でいるとは、まったく想像してなかったのです。それこそ、走りを追求する上手な人たちが、ピリピリとしたオーラを出しながら、最後までバイクの整備に打ち込んでる姿を想像してたのです。確かに、早そうな赤いバイクが3台ばかり泊まってましたが、すごい楽しそうな雰囲気です。
   その隣に、パーフェクトに商用車丸出しのジャガンナート号を駐め、貧乏くさくビール瓶ケースの上でカップ麺のお湯を沸かし、そそくさと粗食を腹に収めたあと、もそもそと台所みたいな板張りをした車内で寝たのですが、予想外にファミリアルな雰囲気に、走る前から負けた気分になってしまいました。やっぱり一人は寂しいもんです。

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バイクを上げ下ろしする際につかう踏み台の上で
独り寂しく粗食の夕ご飯

食べたら直ぐ寝ました

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板張りをしたお陰で、床に寝ても何の不都合ありませんでした
折り畳みベッドが無駄になったかなぁ


■出走前

   モチュールカップ本番20日朝。かっきり0700時に起床して、15分ほど車内でウダウダし、朝飯に買ってきたパンだのおにぎりだのを腹に入れて、外に出てみると、隣の大家族以外にも、ちらほらと参加者のトランポが集まってました。今回、スタッフで参加のa-かぁ殿も、前の晩に到着してた様です。
   今回、コースのテープ貼りなどで頑張ったa-かぁ殿から、是非先にコースを下見した方がいい、と言われ、カメラを持ってのそのそと出発。南コースのコブの脇から下のコースに降りて、パドックの下を歩き、林間コースへ。幾つかクネクネしたコーナーを曲がり、その先に、、、話しには聞いてましたが、ベストテクコース特徴の「消える魔球」的下り坂がありました。しかもワダチ付き。斜度45度くらい、高低差は10mくらいでしょうか。距離は15mくらいに見えました。恐らく、去年の自分ならブルって降りれなかったでしょう。もっとも、自分の足で降りるのは、ちょっと無理です。むしろバイクの方が楽に降りれるんじゃないか、と思いつつ、これが一番キツイ坂なら、後は見なくても大丈夫、と考えて引き返しました。そこへバイクに乗って下見に来たワタナベ先生とすれ違いました。先生もそこの坂が大丈夫か心配してくれましたが、あれ以上のキツイ坂がないなら大丈夫、と返事すると安心して先に行かれました。

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受付した時に貰った参加賞
実に実用的ww

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電球のマークみたいなシール
車検がバイクはこれを貼ります
何枚も貼ってる人がいました(それだけ出てる)


   下見(ちょっとだけだけど)のあと、受付を済ませ(例によって受理票を忘れた)、参加賞を貰い、着替えたりボケっとしてたりすると、知らない人から「たにしさんですよね!」と声を掛けられたりしてました。意外とこのホームページが見られてる様で、有り難い事です。
   やはり声を掛けてくれた人で、今回、スタッフで参加のY岸さんに自分の動画を撮って貰うのをお願いして(首からカメラ3台ぶら下げてた、、笑)、いよいよ 開会式。集まった出場者は約27名。全員スクール生かと思いきや、そうでない人、初めての人も結構いたみたいです。
   先生から、今回のコースで危なそうなところ(南コース下と東コースの林間のぼっこり落ちるところ)の注意、下見アップ30分の取り扱い(30分経っても帰ってこない時は、そのままレース開始。あと下見も周回数に入る)等々の説明があり、今回初出場の自分も質問。「途中、どうしても棄権したくなった場合はどうしたら良いですか?」との問いに、「チェックポイントの前 で待ってて、チェッカーフラッグ振ったらゴールする」と言われました(笑)

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開会式
下見ラップやスタート方式など
間違えたら困る説明を聞き逃さぬよう注意しました


■下見ラップ

   まずは、下見ラップから。ちょっとドキドキしながら、皆さんの後を付いて出発。これで失敗したら、今日一日は、ツライ日になりそうです。
   南コースを回って、コブの手前から降りて、パドックの下を走り、林間コースへ。そして、今朝引き返した激坂へ。ギアはセカンド。十分減速して、減速姿勢を取って突入。ドドーっとあっという間に下に付いてしまいました。が、ここで油断がならないのがベストテクコースです。一見、最初のが凄そうに見えても、実は次の方がもっと怖い、ってのが良くあります。案の定、山と木の間を抜ける下り坂がそうで、ラインを間違えてフロントが谷の方に落ちそうに。ヤバイと思ったら、今度は左コーナー過ぎて直ぐの上り坂。ガリガリとアクセルを開けて突破。南コースの下を回って、MXコースへ。連日の晴れで良く乾いて、砂利がフカフカしてます。それを注意しつつ周回して、フープスを越えて、東コースへ。中級・初級コースは、クネクネとしたタイトコーナーの連続。それを過ぎたら、谷沿いの林道っぽいコース。ここは土でした。所々、湧き水があるとおぼしき所がグチャって居て、一カ所「!!!」とビックリマークが3つも出ているボッコリ落ちる箇所がありますが、それ以外は注意さえしていれば入りやすいコース。それを抜けると、またMXコースの周回路を抜け、パドックへ。
   下見アップの感想は、「取り敢えず走れたやん、オレ」という事で、ちょっとだけ自信が付きました。大体今まで、走った事のないコースを走ると、エライ大変で棄権したくなる事が多かったのですが、今回はやれそうな気持ちになれました。

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これが「消える魔球」的下り坂
自分の足では降りれません




■半年ぶりの出走

   残りの下見アップの時間を十分休んで、いよいよスタート時間。スタート方法はルマン式という事で、バイクリフトの上にグレート・ストライカー号を置いて、自分は4m後方に位置しました。そして、先生が持つ日章旗が振り下ろされると同時に、ドタドタと駆け寄り、セルスイッチを始動。こういう時、セル付きは有り難いものです。でも、他の人たちよりもスタートが遅いのはいつもの通りでした。
   本番とあって、皆さんバリバリ走られるのに釣られて、自分もいつもの15%くらいパワーアップして付いていきました。2度目とあって、「消える魔球」も難なくクリア。むしろその後のフロントが取られる二つ目の下りの方が怖いくらいです。そして、上り坂でエンストしない様に注意して、MXコースへ。この分なら3速でも大丈夫だ、と踏んで3速でMXコースに入った途端、フロントが滑って頭、左肩、左肘の順番で転けてしまいました。肩と肘が結構痛かったのですが、それ以上にまだおニューのヘルメットが傷だらけになったのが痛かった。
   その後は、ともかく「無事に帰還する」が第一目標であった事を思い出し、2速で巡航する事に決定。左肩が痛い事もあって、なかなかペースが上がらず、イライラすると余計ヒドイ目に遭いそうなので、とにかく完走を目標に走り続ける事にしました。
   走りながら感じたのは、ベストテクコース市貝は、ホントに色んなシチュエーションに富んだコースだな、という事でした。難しいと感じたのは、タイトなコーナーが多い、という事。この半年でみっちりコーナーリングを習った筈ですが、いざ本番となるとバイクの正面に座ってしまい、全然曲がれません。他の人の走りを見て、やっと「ああ、腰を捻らないと曲がれないんだ」という事に気が付きました。桑畑方面の林間コースは、しっとりした土の道で、上質な林道のよう。走っててホッとするくらい楽しめました。今回はMXコースはジャンプはカットされていたので、トレール車でもなめて走れば十分走れます。モトクロッサーやエンデュランサーで来てた人は、ちょっと飛んでたみたいですが。
   何より感じたのは、このレースは初心者でも走れるし、自分の様なスクール生が練習を兼ねても走れる、という事でした。自分は上級ではないので、上級者の心境は分かりませんが、上級者なりの楽しみ方があると思います。このコースを見ただけの人は、道幅が狭くて落ちそう、とかいう印象を持っていますし、まぁ崖落ちしない人がいない訳でもないですが(今回も1人いた)、走った自分としては、ちゃんと足元みて、走れる速度で走ったら大丈夫、というものでした。今回、自分は初めて全コースを走った訳ですが、そんな自分でも楽しく走れる良いコースです。

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意外だったのが、出走したバイクの大半が
CRFのRやXだった事
それ以外のバイクは、各メーカー1台くらいしかありませんでした
また、純粋なトレール車は、自分含め2台でした


■自分の実力を知る

   こんな具合で走り出した訳ですが、自分の弱点は即座に自分自身で感じ取る事が出来ました。
   まず、先にも書いた様に、コーナーリングがテキメン下手くそ。他の人の走りを見て、やっと腰を捻る様になったものの、それでも曲がりきれない。二回線もダメ。立ち上がりの再加速もダメ。とにかくノタノタと曲がるのが精一杯で、何やってんだオレ、って感じでした。
   次に、全然アクセル開けられない事。とにかく、2速でドロドロと走るのが目一杯で、3速に上げられない。上げようにも、直ぐに次のセクションが来るので、また2速に落とさねばならない。そもそも、3速にするとエンジンの回転が落ちてしまうので、だったらまだしも2速の方がいい、という風にも考える事も。
   その代わり、2速で全開であれば、どんな坂でも大抵は登ってしまう事、また逆に2速であれば、どんな坂でも大抵は下ってしまう事を、改めて再認識できました。XR250というバイクは、早くは走れなくても、コンスタントにオフセクションをこなしていくには良いバイクだな、と改めて感じました。もともとがツーリング用ですから、ツーリング的な走りは得意な様です。
   こんな具合で、まるで林道ツーリングに来た様な走りをする事、1時間半。ちょっと疲れてきたかなぁ〜、と感じた始めたところで、自分のレースは終わりました。

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頭から転けて、せっかくのおニューのメットが、、


■他の人の走りを見学

   最初、3時間はとても走りきれないと考えて、1.5時間に参戦したのですが、いざ走り終わってみると、意外に疲れてない。もうちょっと走れたかなぁ?という感じ。もっとも、この後、3時間以上かけて東京まで戻らねばならないので、あまり疲れ切っても困るのですが、それにしてもちょっと走り足りない感じになったのは意外でした。
   そこで、さっさと着替えに洗車を済ませて、残ってたコンビニおにぎりなどを囓りながら、チェックポイントで他の人たちの走りを見学しました。そこで感じたのは、皆さん、実に基本に忠実な走りをしてるな、って事。タイトなコーナーでは、自分が思っていた以上にゆっくり、確実に、きっちりコーナーリングの姿勢を取って、立ち上がったらドンと飛び出していく。自分は、気ばかり焦ってモタモタしてた訳ですが、その差は大きく歴然でした。
   ただ、色んな上級者の人の入りを見学して、「アソコは上手い人でも滑る場合があるだな」とか「ここはホントにユックリ回るんだな」というのが見れたのは、レースに出た事以上の収穫でした。

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閉会式
ベストテクらしく?景品の大半はお酒でしたww
秋にはお米が出るそうです


■感想

   初めての参戦となったモチュールカップR-4。1.5時間のBクラスで、自分はなんと第3位!……と誇りたいところですが、エントリーしたのが3人でしたので、まぁ努力賞、というところでしょう。ちなみに、自分は下見ラップ含めて、11周でした(1位の人は15周)。しかし、順位はともかく、完走出来たのはまず良かったというべきでしょう。
   自分なりに楽しめたのは、これはコースが良かった事(レイアウトもさる事ながら、路面がドライで走りやすかった)、他の参加者の人たちが上手で追い抜くときも無理に突っ込んだり突っかけたりしないで、キレイに抜いてくれた事。参加台数が少ない(27台)事もあって、あまり後ろから煽られる事もなく、自分のペースで走れた事。そして、主催のワタナベ先生始め、参加者の皆さんが、総じてマナーが良くてアットホームな雰囲気で、居心地が良かった事、などなどによるものだと思います。

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他のレース同様、ジャンケン大会もありました
ちびっ子たちのジャンケンの強いこと強いことww

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今回、ゲッチュした景品の数々
3位入賞までは、ちゃんとトロフィーまで作ってあって
その力の入れように感動!


   ベストテクコースは、難易度が高い、道幅が狭くて崖落ちしそう、といったイメージを持っている人が多い様ですが、では初心者が走れないか、というと決してそうではありませんでした。危なそうな所や速度の出せない所では、上級の人たちもゆっくり確実に走っていたものです。確かに、ベストテクのコースだけに、基本に忠実であればあるほど、上手に走れるコースですが、そうでない人でも楽しんで走れるコースだと思います。
   また、モチュールカップもベストテクの生徒さんしか出てない訳でなくて、それ以外の選手も出ていまし、自分以外にも初心者の人は何人か出ていた様です。確かに「開かれた偉大な草レース」(ワタナベ先生の言)であると感じました。
   自分個人の事しては、やはり実走行になると習った事はなかなか出来てなかったなぁ、と感じました。南コースや初級中級コースで出来ていたとしても、やはり応用が利くようになるには、もっともっとスクールに通い詰める必要があるな、と思います。しかし、そうした事が出来る様になった時は、他のコースでももっと楽しく安全に乗れる様になるんじゃないかな、と思いつつ、今回のレースの第一の目標である「無事に帰宅する」を果たしました。


Erbsen mit Speck