先週の白河エンジョイスポーツランドにおけるヒーローズEDは、走りとしても失敗であった訳ですが、その最大の原因は、マディに対する練度があまりにも低すぎる、訓練が足りなさ過ぎる、という事につきました。そこで、足りない部分を補うべく、翌週21日は印西市の凸凹ランドに進出する予定をしていたのですが、台風接近で我々(自分とがんトック兄)の手には負えないと判断し、まもなくオープンと言われる木更津のウィリー松浦さんのコースに行く事になりました。そういえば、前回の白河エンジョイスポーツランドも、ウィリー松浦さんのプロデュースという事で、縁深い事であります。
■今回の目的
今回の目的は、先に述べた様に、マディに対する経験値を増やす事でありますが、チュルチュルのコースに入ればほぼ確実に転けている訳ですから、早々簡単に上達が見込めるとは思っていません。
ですので、他にも目的を併せ持って行く事にしていました。それは、先日交換したリアスプロケット、ステンズ48丁の効果です。すでにカスタムテクニカからの帰宅道中のオンロードで、40丁の時よりも1〜1.5丁くらいシフトが低くなっている事、時速60km以上はトップギアに上げないと出ない、という事が判っていました。つまり、予想した通りの重低速仕様になっている訳です。
これならば、坂も楽々上がれる筈ですし、下りもエンブレが十分効いて、安全に下って来る事が出来るでしょう。また、これまでは全然アクセルが開けられなかった訳ですが、これからは嫌でも全開にしないといけなくなるはずです。期待すべき新装備という訳です。
曇り空でもギラギラ光るステンズ
チェーンもオイルがギトギトで
やる気満々です
■木更津のコースへ
木更津の新コースは、自分は今回が初めてなのですが、相方のがんトック兄は前に行った事があるとの事で、なかなか楽しい様な話しをしていました。また、カスタムテクニカのあんちゃんは、土曜日に行っているそうで、それも踏まえてF12/R48のスプロケのセッティングを勧めてくれた様です。
行き方は簡単。館山道を木更津北ICで降りて、県道23号線を下った辺りにあります。東京湾アクアラインからも、東京湾フェリーの金谷からも行き来が可能な戦略的要地に作られたコースです。もっとも、まだ正式にオープンしてない事もあって、入り口を示す看板などがなく、自走で来てた3台を先導する様な感じでコースに入場しました。
どこから来たのか聞きませんでしたが
自走でやって来るとは、、エライ!
見習わないと、、、
いや、便乗でいいです(汗
コースに入ってみると、すでに駐車場には何台もの上等なトランポが駐まっていて、皆さん準備にいそしんでおられました。水道もあり、トイレも用意され、なかなか立派なコースです。正式オープンが待たれます。
砂利がしっかり敷き詰められた駐車場に、自分ら田舎者は邪魔にならないスペースを見つけて軽トラを止め、まずは受け付け。用紙に氏名、住所、緊急連絡先を書き、使用料を支払って、諸注意事項を教えて貰いました。今日は昨日の雨でコースがチュルってて、プロの人が走るAコースには行かない方がいい事、パドック内でエンジン掛けちゃダメな事、井戸が掘れて水道が使える様になった事、その水は飲めるけどお腹弱い人はのまない方がいいよ、といった事でした。
こちらがパドック(駐車場)
コースはマディですが、ここは砂利が敷き詰められてます
周りはお金掛かってそうなトランポばっか!
こちら受け付け
がんトック兄と受け付けの女性は
どうも知り合いらしかったです
(がんトック兄が、天然キャラという証言が取れましたw)
■いそいそ準備
家を出発したのは、確か0830時でしたが、コースに着いたのは1000時前でしたので、直ちに準備開始です。困った事に、天気予報では12〜18時に降水確率50%との予報で、それを予感させる様な低い雲がどんどん垂れ込んでいました。雨が降る前に出来るだけ走っておきたい訳です。荷物を下ろして、バイクを下ろすのは、さすがに手慣れてきまして、チャッチャと済ませてしまいました。
隣のスペースには、上等そうな車でお出ででした
さて、バイクの準備をするべ、という事になり、がんトック兄にサイドスタンドはどうするのか聞いてみたら、「え?外すの?」とのお返事。よほどスタンドを外すのが嫌みたいですww 自分は、前回のレースのあと、サイドスタンドスイッチをキャンセルし、余計なパーツを取り除いていましたので、取り外しは簡単に出来るようになっていました。また取り付けも、クライゼルのあんちゃんに教わって、長いプラスドライバーを持参していましたので、問題なく出来るはずでした。
そこへ他の人から、外しておいた方が良いよ、とアドバイスされたので、急遽取り外しました。この時、スプリングを外す丁の字の工具を借り、これがまた簡単に付け外しが出来る事が判り、東京帰ったら買おうと固く決意したのでした。
今回持参の長プラスドライバー
待機中はスタンドのボルトの穴に突っ込んでいました
■たった5分の退場
準備体操も終わり、いよいよコースに乗り出す事にしました。が、自分はオフビ以来、マディなコースでは大抵転けてますし、その意味ではズブのド素人です。ですので、いきなりコースを走るより、超初心者用のコースの方が良いかなぁと思ってました。が、「マックスなコースをマスター出来れば、あとは大丈夫」とのがんトック兄の心強いお言葉を受けて、Bコースに向かう事になりました。
コースに移動する道は、既に雨でマディ気味でしたが、重低速仕様にスプロケットを替えたせいか、またタイヤもピンピンの新品のAC10という事もあって、スイスイ走る事が出来ます。フラットなコースでは、ギアを3速に上げてそれなりにアクセルを回さないと、先を進むがんトック兄のXR250Rについて行けません。ただし、いよいよコースに入るところで、かなり路面がドロドロになっている事に気が付いたので、がんトック兄にゆっくり進んで貰う事にしました。ギアを替えたばかりで、まだ特性が掴めてないからです。
さて、グチャった窪地を越え、少々をヌルった坂を乗り越えたその瞬間、いきなり車体が滑ってしまいました。そして次の瞬間、左膝が「ポキン」と音を立て、ふくらはぎにバイクの重みを感じました。「オレの足はそっちの方向には曲がらないぞー」と思うのと、「靱帯痛める時ってのは、こんな感じかー」と思うのと、「それでニーブレースが要るんだな」と同時に思った時には、左膝が激痛を発していました。そしてそのまま転倒。バイクの下敷きにはならず、投げ出された格好になりましたが、転んだ時には、左膝を抱えて悲痛な声を出していました。辛うじて、メインスイッチを切ったのは前回、バッテリーを上がらせてしまったからでしょう。でも冷静だったのはそれだけで、あとは左膝を抱えて転げ回っていました。
しばらく呻き続けていると、徐々に痛みが引いてきたので、少し膝を曲げてみました。痛いには痛いのですが、かすかに曲がるので関節が脱臼したり、どこか折れた訳ではなさそうです。滑った地面を見てみると、確かに滑りやすそうな地面ですが、ココで転けるかーって感じのところです。察するに、坂を越えた時にリア加重になってて、リアが滑った感じでした。転けたシーンを自分で見た訳ではないので、判りませんが。恐らく転ける時に、咄嗟に足を地面に着こうとして、横向きの力が膝に掛かったのだろうと想像しました。事情が飲み込めてくると、段々、残念という気分と頭に来る気分がない交ぜになって、落ち込んでしまいました。
そうこうするウチに、自分が全然ついて行かないものだから、心配になったがんトック兄が戻ってきました。事情は見ての通りでしたので、取り敢えず自分のグレート・ストライカー号に乗ってパドックに戻って貰う事にしました。その間、足を伸ばすと膝が痛いし、曲げた状態にしてても痛いのと足が怠いので、ゴロンと横になって曇り空を眺めていました。
やがて、がんトック兄が戻ってきて、受付で事情を話して軽トラを寄越して貰う事にした、と言ってきました。ただし、コースの中には入って来れないので、外まで肩を借りて歩いていきました。左足は膝が曲がったままなので、つま先立ちですが膝に加重があまり掛からなければ歩けました。そして軽トラの所まで来た訳ですが、やってきた軽トラというのは、がんトックモービルではなく、ウィリー松浦さん自らが運転する軽トラでした。ウィリー松浦さんに会うのはこれが初めてですが、こんな出会いもあるんだなーと感心してしまいました。助手席に乗るのは無理そうでしたので、荷台に載せて貰って帰った訳ですが、他のライダーの視線はジロジロ当たるし、なんか売られていく子牛みたいな気分になりました。
応急処置を受けて静養中
前回に引き続き
またもパンツ丸出しの刑
■やむなく撤退
がんトック兄は、今度は自分のXR250Rを回収に行き、待っている間に、湿布や包帯をしてもらい、意外に多かったギャルの敢えて無視する視線を気にしながら、がんトックモービルの荷台でゴロンと横になってました。空からはポツリポツリと雨が落ち出し、天気予報は的中しそうです。
20分か30分ほど待って、ようやくXR250Rが戻ってきました。どうやら、長いこと横倒しにしていたので、エンジンの掛かりが悪かった様です。そして、がんトック兄と協議の結果、ただちに撤収を決定しました。勝手に転けた自分は自業自得ですが、たった5分しか走れず使用料がパーになったがんトック兄には、ホント申し訳ない事をしました。
撤収と言っても、自分は足がアレですので、全部がんトック兄任せです。自分がやったのは、自分の装備を纏めただけで、サイドスタンドの取り付け、洗車、積み込み等々、がんトック兄を始め皆さんのお世話になりました。こうなってくると、オフ車乗りの団結云々よりも、自走で来てたらどうなっていたかと想像して、青くなる思いでした。
センタースタンド付けに行くがんトック兄
並んだゼッケン86番が何気に格好いい
積み込みを手伝って貰う
自分がやろうとしましたが
足が曲がってるので、力が入りませんでした
バイクと荷物が積み終わったころ、にわかに空から大粒の雨が降り出し、それはやがてバケツをひっくり返した様な雨になりました。天気予報、的中し過ぎです。小雨の時はまだバイクの爆音がしていましたが、こうなると皆さん、雨宿りされているようです。準備の調った自分らは、受付まで軽トラで乗り付け、窓越しから挨拶し、皆さんの温かい見送りを受けてコースを後にしました。
猛烈な雨
ストロボの光が雨粒に反射して
ファンシーな仕上がりになりました
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