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エンデューロ に参加中!
   とにかく、レースとしてはこれ以上ないくらいの失敗であったヒーローズED R-4。しかし、その失敗の中から、見出すべき点は数多く現れてきました。その意味においては、遠路はるばる白河まで出向き、一人当たり7500円の参加費を払っただけの価値は、十分あったと思います。誰しも失敗しようとして失敗は出来ない訳ですから、こういった経験も、貴重な体験となったと思う訳です。

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ビギナークラスの表彰式
チビっ子に混じって、大きなお友達が入賞
(というか、この4人だけがビギナークラスww)
栃木のミスター・スポックことSusi殿、堂々の優勝
naoさんも4位入賞




《敗因1》サイドスタンド
   敗因というより、失敗の遠因といった方が良いかと思うのですが、事前にサイドスタンドを外す必要がある情報を得ておきながら、その為の対策を講じなかったのは、明らかに失敗でした。結果、外す作業でドタバタし、メインスイッチを入れっぱなしにしているのを忘れてしまった訳です。面倒臭がらずに、先にサイドスタンドを外しておけば、慌てる事もなかったでしょうし、事前に脱着の手順を練習しておけば、いざ外すとなっても、手間取る事なく外せたでしょう。
   XR250にはサイドスタンドスイッチという、無くても困らない装置が付いているのですが、レースに出るならこれは予め取り外しておいた方が良いでしょう。取り外し方は簡単で、線をぶち切って、緑の線を繋いで黄色の線を外してしまえば済みます。当然、防水対策はするように。
   スタンドを外してしまうと、バイクを立てられない訳ですが、それに備えてDRCのトライアングルスタンドを持って行きました。しかし、このスタンドはモトクロッサーには使えても、トレール車には使えない代物でした(角度が合わないのか、付けて立てようとすると、倒れてしまう)。こういった事も、事前に試しておけば分かった事です。結局、軽トラにもたれかけさせて立てましたが、自走でやってきたSusi殿は、取り外したスタンドをつけて、ボルトの穴にマイナスドライバー突き刺して立てていました。これが一番手間いらずな様です。

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なまじ2300円も出して三角スタンド買うより
この方法が一番楽だった
もっとも、整備する事考えて、バイクリフトも持って行ったのだが



《敗因2》バッテリー上がり
   今回の敗因で、何が一番痛かったといっても、バッテリーが上がってしまった事でしょう。しかも、元々バッテリーが弱かった訳ではなく、サイドスタンドのゴタゴタでスイッチ入れっぱなししてた、という、あってはならないミスです。しかし、起こってしまった事故に対するリカバーのやり方にも、大いに問題がありました。
   まず、押しがけをして再始動した(実は初めての押しがけで、押しがけのやり方を初めて知った)までは良かったのですが、ものの5分ほど充電しただけでコースに入り、その後、転倒・再始動の連続で急速に電圧を下げてしまい、ついにはリタイアという羽目になりました。この場合の模範解答は、午前一等最初の出走を取りやめて、30分でも1時間でも充電させる事だったでしょう。しかもチームで参加している訳ですから、代わりに出てくれる人はいたのだから、なおそうすべきでした。
   ここで一つ勉強になったのは、バッテリーというのは急速に電圧が下がって使えなくなっても、しばらく置いておくと電圧が回復してくる、という事。これは、赤いジャージのマーシャルさんが、コースに放置してあったグレート・ストライカー号を回収してきてくれた時に教えてくれました。
   また、後日カスタムテクニカのあんちゃんが教えてくれたのは、サイドカバーを外せる工具とブースターを装備しておけば、こういったトラブルでも対処できる、との事。まぁ、軽トラにもバッテリーは積んでいる訳ですし、道具さえあれば対処は出来た訳です。
   しかし、何がどうあれ、バッテリー始動のキックレスのバイクは、乗らない時はメインスイッチを切る。これが鉄則です。それと補足するならば、キルスイッチでエンジンを止めるのは、状況によっては仕方ない事ですが、「キルスイッチでエンジン止めた」という事を忘れて、必死こいてセルを回すケースが結構多いので、この点も要注意です。

《敗因3》MXコースとマディに対する練度不足
   上記の敗因は、走り以外での敗因ですが、走りそのものはというと、これがどうにも処置無しでした。
   まず、一等最初のモトクロスコースでは、全然アクセルを開けられないし、コーナーでは車体を寝かせられないしで、かろうじて前に進むのが関の山。あのコースの中で、3度も転けたのは自分くらいではないでしょうか?山の中のコースでは、いきなりのチュル坂で転倒し、ニッチもサッチも行かなくなり、エンストを繰り返しているうちにリタイアとなってしまいました。
   実をいうと、6月のオフビ以来、泥のコースを走る練習はしてなかったのですが、それでも猿ヶ島等で何度か練習はしていましたし、曲がりなりにも一度はレースに出て走っている訳ですから、今度も大丈夫だろうと高をくくっていたのです。しかし、フタを開けてみたら全然走れず、そのダメさ加減に頭来るより驚くばかりでした。
   ただ、6月のオフビでは、コースをまったく走れなかったのが、今回はトロ臭くても取り敢えずは前に進んだ事が、決定的に違いました。これはタイヤが新品のAC10に変わっている事、ギアがF12に変更していた事などで、6月時点よりも泥濘地の走破性が高まったからでしょう。


タイヤとギアを変えただけで
取り敢えずは走れる様にはなったのだから
やっぱり装備を良くするのは大事な事です



   また、その後、本コースも走った訳ですが、曲がりなりにもバイクの乗って帰って来れたのは、XR250の粘り強い機動力に拠るところが大でした。少なくとも、アクセルを少しでも回している限りにおいては、坂を上がる事。下り坂ではエンジンブレーキが強力で、リアブレーキを併用すれば、比較的安全に下れた事など、腕の足りない分を性能でカバー出来ました。
   今後、さらに低速重視のギア比に変更して超壕能力を高め、MXコースも飛んだり跳ねたりする代わりに、リアスライドで回れるよう訓練を積んでいきたいものです。もっとも、今年の4月から始めて、まだ半年です。練度不足というより、経験不足といった方が当たってるようです。むしろ、アチコチのレースやコースに行って、色んなところを走って、経験を積む段階なのかもしれません。

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ちょこっと走っただけで、この有様
山の中では、タイヤは泥だらけになって
スリックタイヤみたいになってました



《敗因4》車体が重かった
   これは前から言われている事ですが、XR250は車体重量が130kgもあります。公道仕様車である事、環境対策の余計な部品も結構ついている事などで、他のレーサーに比べれば30kgは重い訳です。
   もっとも、平らな地面やドライな場所なら、自分の腕力をもってすれば、起こす事は別段苦ではなかったので、誰から何を言われても意に介さず、軽量化はもっぱら自分自身の身体の方ばかり気にしていました。
   ところが、本コースのズルズルの泥坂で転けた時(しかも道路を塞ぐ形で)、起こそうにも車体が滑り、さらには踏ん張っている自分の足も滑り、誰かの助けなしには起こせない事が、痛いほど理解できました。自分の身体を軽くする事と、車体を軽くする事は、まったく別の意味を持っていた訳です。
   従って、転けない様に走るのが一番体力を消耗しないのは言うまでもない事ですが、それは今の時点では希望でしかないので、坂道で転けても少しでも起こしやすくするよう、車体の軽量化に取り組む必要が生じてきました。
今後の予定としては、マフラーを軽い物に変え、AIをキャンセルする。リアフェンダーを外してフェンダーレスにする。これで大分変わってくるでしょう。

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リタイアの原因となった、前転で転がった坂
それほど急な坂でもないのに
ここで転けた人は、他にはいないのでは?
でも、起こすのは大変でした




《細かい所感》
   これは部隊時代の遠征でも経験した事ですが、とにかくこの種のイベントでは、現地で慌てる事態に直面する事が多いものです。そして慌てれば気持ちに余裕がなくなって、しょーもない事で失敗をしでかす。そういう失敗を未然に防ぐため、なるべく周到な準備をしておきたいものです。

*ヘルメット
   実は今回、ズボラをかましてシールドを付けっぱなしにして行ったのですが、これは大いに失敗でした。練習では外すのが面倒くさくて、付けた状態でゴーグルをするのですが、練習は別に慌てる場面も大してなく、ゴーグルの付け外しもサッサと出来るのですが、レースとなると話しは別でした。いざ外そうにもシールドにゴーグルが引っかかって外せず、そうこうしている内にゴーグルが曇って前が見えなくなって、という具合に、あまりよろしくありません。なので、やはりレースの時は、シールドは外していった方が良さそうです。

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ズボラかましてシールドつけっぱなし
結果、ゴーグルはすぐ外せないは
邪魔になるは。。。ズボラはいけません



*工具
   先に述べたサイドスタンドに関連する事ですが、サイドスタンドを外すためには、14mmのレンチが必要なのですが、この14mmのレンチというのが、どの部分に使っているか、ぱっと見た目判らなかったので工具の中から外していました。今回は相方の工具を借りれたので難を逃れましたが、やはり基本的な工具は多少重くなっても、ズボラをかまさず持って行くべきだと感じました。また、サイドスタンドのスプリングは長いプラスドライバーを使って、テコの原理ではめ込むのですが、これも予め予行練習しておけば持って行ったに違いなく、事前の準備不足を感じました。
   逆に、レンチ付きタイヤレバーやプラハンマーは念のため持って行ったのですが、相方のXR250Rのリアホイールを直すのに役に立ち、やっぱりあると無いとでは大違いだと感じました。
   何でもかんでも持って行けば良い訳ではないですが、事前に整備や修理の予行演習をしておく事で、何が必要になるか、ある程度目安が出てくるのではないか、と思います。

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無念な姿で横たわる、がんトック兄のXR250R
この後、二人掛かりで修繕しました
ホイールの脱着の仕方を練習しておいて正解でした


*アミノ酸の事
   この種のレースや練習をしたあとは、どうしても筋肉痛になって2〜3日痛い思いをするので、最近は前の日からアミノバイタルを飲む様にしています。レース当日も、朝・昼・夕と1錠ずつ飲むと、明くる日は身体が怠い程度で済みます。
   ところが今回は、しょーもないアクシデントで気持ちの余裕がなくなったせいか、全然飲んでいなくて、お陰で明くる日は筋肉痛でした。大して走ってもないの に、それでも筋肉痛になるのですから、レースは日頃とは全然違う部分を使っているんだ、という事が判りますが、錠剤1つ飲むくらいの事はやっておきたかっ たものです。

*前泊の事
   当初の予定では、今回も会場の駐車場でテントを張って前泊するつもりでいたのですが、天気予報では雨。しかも片道200kmを走っていく、という事もあり、ビジネスホテルを利用しました。1泊3500円程度。結果としては、当然の如く、シャワーも浴びれ、ベッドで寝れて、もちろんテントの設営・撤収といった作業がなかったので、楽でした。まぁ、ベラボウに高いホテルに泊まったり、逆に安くてもボロかったりショボかったりする所に泊まるは、如何なものかと思いますが、気力体力に余裕がなさそうと思える時は、迷わず宿営した方が良いかな、と感じました。

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身体を休める意味では、宿営の方が良いのは間違いないです
が、余裕があればテントで泊まると
キャンプ気分も味わえます



《感想
   今回のレースは、ご覧の様に失敗だらけであったものの、本当に学ぶところの多いレースであったと感じています。一人ではどうにも出来なかった事でも、がんトック兄やSusi殿といった仲間がいたからこそ、対処出来たトラブルも多かった訳です。上手に走れず、しかも負傷してリタイアしてしまい、走りを楽しむ事は出来ませんでしたが、勉強しにいったと思えば、これも良い経験でしょう。
   他の人の数倍転けた訳ですから、今回もマーシャルさんのお世話には、目一杯なりました。特に、バッテリーを上げてコース内でリタイアした時は、ホント迷惑かけました。でも、散々な目に遭ってても、またレースに出ようと思うのは、こうしたマーシャルさんたちの下支えがあったればこそだと思います。また、今回は負傷して現地で看護師さんの応急処置を受けたのですが、そのお陰で明くる日の仕事にはちゃんと出勤する事が出来ました。この場を借りて、スタッフの皆さんにお礼申し上げます。
   しかしまぁ、結果は結果として厳粛に受け止めねばなりません。今回のこの大敗北を、次の成功に結びつける努力をしていきたいものです。


狂い咲く人間の証明