去年以来、ネット繋がりでバイク関係のお知り合いやお友達が沢山増えた訳ですが、エンデューロレースに出ようと思ってからは、その度合いが加速しています。独り寂しくライテク本を眺めているよりは、色々な人と交わって刺激を受けた方が良いに決まっている訳です。その刺激の中でも、スクールや勉強会はもっとも「身になる」刺激ですから、出れる機会は逃さない様にしています。今回は、某SNSの呼びかけで、しいなさんの勉強会に参加しました。
   会場となる猿ヶ島は、6月7月に自走で行っていますし、目下履いているタイヤはミシュランT63ですから、当初は自走で参加するつもりをしていたのですが、前回、ベースキャンプEDで便乗させてくれた、がんトック兄も参加するという事で、あっさり自走は取りやめ。朝0630時にマンションの前にグレーと・ストライカー号と荷物一式を並べて、がんトックモービル(軽トラ)の到着を待ちました。ところが、よんどころない事情によって15分ほど遅れる、とのメール。一応、集合が1000時なのですが、まぁ若干遅れても猿ヶ島が水没してなくなったりする訳ではないでしょうから、のんびり待っていました。そして予定(予想?)通り、約30分後にがんトックモービルは無事到着。前回同様、「下手に手を出して邪魔しちゃいかん」と思い、がんトック兄の積み込み作業を見学のあと、いそいそと猿ヶ島に向かいました。もちろん、遅刻してますので高速道路に上がった訳ですが、こういう時に限って東名高速は事故渋滞。結局下道に降りて、現地に着いたのは集合時間を過ぎる30分後でした。
   すでに参加のみなさんは集合はおろか、着替えも準備も終わり、まさにこれから出るぞー、といった感じ。がんトック兄と二人して挨拶に行き、その時初めて、しいなさんとお会いしました(がんトック兄は何度か勉強会に出てるとの事)。聞きしに勝る大柄な人でしたが、気さくな人で親しみやすかったです。もう出るぞー、という事でしたので、先に行って貰い、自分らは準備をしてから追いかける事にしました。

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今回もがんトックモービルのお世話になりました
二人とも、ゼッケンはベースキャンプEDの時のままです



■やはり猿では足が震える
   バイクを引きずり下ろしてタイヤの空気圧を下げ、普段着を脱いでプロテクター着けてウェアに着替え、キャメルバックにロックアイスと水をぶち込んで、気休め程度の体操して、準備は完了。しいなさん達を追いかける事になったのですが、さてどこにいるか判りません。取り敢えず、ウォーミングアップがてらに軽く走ってみるか、という事で、がんトック兄のあとに着いて走ってみました。
   前回、猿ヶ島に来た時は、まだフロントスプロケがノーマルのままで、結構乗りづらかったのですが、12丁に落としてからは低速でも噴かしてでもコントロールし易くなり、前に比べれば怖さは半減していました。それでもゴロゴロとデカイ石が敷き詰められている所を走ればフラフラになる訳で、立ち止まると膝がプルプルと震えていました。武者震いと言いたいところですが、やっぱ怖くて震えているのでしょう。我ながら少々情けない思いでした。
   河川敷を一通り探して周り、堤防の上からどうやらあれがそうらしい、という集団を発見しました。その中州に行くには、堤防の斜面を降りて川を渡るのが最短距離です。が、そんな急な斜面、とてもじゃないが怖くて降りれない。がんトック兄は全然難しくない、と宣う訳ですが、出来る人には出来ても、自分には怖い訳です。優しいがんトック兄は、無理強いすることなく、そこからの渡渉はやめて、一旦駐車場に戻る事にしてくれました。
   先ほど堤防の上からみつけた集団は、やはりしいなさんの勉強会のみなさんで、どうやらフルサイズのバイクなら渡れたけど、CRM80の様なミニモトでは少々深い所だった様です。あつーさんのCRMはエンジンが掛からなくなった様でした。合流して早々でしたが、駐車場に戻るとの事で、6月にオフビでお世話になった、くじらさんの後について戻りました。この頃には足の震えは止まっていたので、どうやら慣れてきた様です。

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自分たちが現地入りした時は、すでに皆さんお揃いでした
待たせては申し訳ないので、先に行って貰い
急ぎ追いかける事にしました



■林の中の8の字
   あつーさんのCRM80のエンジンをバラすシーンや、5人掛かりで逆さまにしてエンジンの中の水を抜く光景を見物しつつ休憩したあと、いよいよ本ちゃんの勉強会に突入しました。しいなさんの後について連れて行かれたのが、6月に初めてここに来た時に、万治郎さんに「ここで8の字の練習してるんですよー」と案内して貰った木の生えた斜面でした。その時は、ロクに回れずエンスト連発で諦めたのですが、そこをグルグルと回って最後は段差を飛び越えてスタート地点に戻る、というもの。最後の段差が怖そうに感じました。
   まずはバイクから降りて、走るコースを歩いて確認。次に「ハンドルで曲がろうとすると止まる。ステップ過重で曲がる」といった要領を習い、実走。上手な人はスタンディングで、苦手な人は座って、自分みたいな下手くそは転ばぬ先の杖ならぬ足を着きつつ、グリグリと木の周りを周り(と書けばいかにも回った様ですが、実際には辛うじて曲がれた程度)、コースを間違えたり、ビビったりして、段差から飛び降りれないまま8の字は終了。前回は1速でもエンストばかりだったのが、今回は曲がりなりにも前に進めたので、さすがギアを変えると違うなー、と実感しました。

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数人がかりで逆さ吊りの刑に処せられる
あつーさんのCRM80
ここでもオフ車乗りの、固い団結を垣間見ました



■フロントアップで段差越え
   「今度はフロントアップやるよー」と言われ、ビビったのは言うまでもありません。というのは、オフ車に乗れば大抵の人がチャレンジするであろうウィリーが、怖くて今だかつてやった事がなかったからです。フロントを上げる(リアを上げるも同様ですが)→後ろのめりに転ける、という思考ですから、「え〜、やんの〜〜」って感じだった訳です。
   行った先にあったのは、40〜50cmはありそうな段差。比較的緩やかな坂になっている所から、壁みたいに切り立っている所、ひさしになっていて明らかにフロントアップしないと乗り越えられない所、という具合に段差が徐々にハードに変化しています。緩やかな斜面をぐるりと降りて、1速で上がって段差を乗り越える訳ですが、乗り越えた先はブッシュになっているので、勢い余れば変なところに突っ込みそうです。上手な人は上手に、そうでない人でもそれなりに乗り越えて行きます。XR250Rを駆るがんトック兄は、勢いつけ過ぎたのか段差を乗り越える時に思いっきりフロントが上がってしまい、そのまま転倒。ハンドガードがグリップにめり込んでしまったみたいです。それを見て、さらにビビリ度上昇です。
   自分の番がやってきて、まず1発目。ビビりながら段差に向かって突撃。でも、乗り越えようと思う前に、段差が壁みたいグワーッと迫ってきて一気に心のブレーキ全開。段差の縁に前輪が乗る事さえせず停止、そのまま転倒。しいな教官殿から「乗り越えるんだ、という気持ちが大事」とご指導頂きました。それで2発目、前輪は乗り越えたものの、後輪が乗り越えられずスタック。前輪が段差に当たった時に、怖いと思って無意識にアクセルを戻しているそうです。そこで気合いを入れて3発目、迫り来る段差にめげずアクセルを維持して突っ込むと、ふわーっと前輪が乗り越え、ドドーンと後輪も段差を乗り越えました! しいな教官殿から「やるじゃーん!(笑)」と声を掛けられ、心の中でガッツポーズ。4発目も同じようにして突破。後輪がドドーンという感じになるのは、姿勢をリア過重にするのが遅れていて、前輪が段差に当たった時に腰を引いているからだそうです。
   あまり上手に出来た訳では決してないのですが、「無理〜」と思っていた事が、曲がりなりにも「出来るかも〜」と思える様になって、とても嬉しかったです。

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嬉しそうにキャメルバックに氷を詰めるがんトック兄
この季節、動物園のシロクマ同様、我々にも氷が必要です




■急斜面下りと急斜面横断
   全員、一通り曲がりなりにも超えれる様になり、休憩してから次に向かったのは川渡り。向かった先は、川の堰のある堤防で、そこの急斜面ではトライアルの人たちがジャックナイフの姿勢のまま斜面を下ったり、ウイリーしたまま水の流れる堰の斜面を登ろうとしたり、と実にワンダーな光景。しいな教官殿と上手な人たちは、リアブレーキをロックさせて速度を殺しつつ、斜面をゆっくり降りていき、川の中でザブザブとターンを決めたりしていました。斜面を下る自信のない自分を始め数名は、堤防の上からその光景を見物していた訳ですが、そろそろ自分も行かんとアカンのかなー、と内心ビビリつつ迷っていると、グワワンとしいな教官殿が堤防に上がってきて、川の中はリアが滑りまくるとおっしゃる。つまり、自分の様な足下危ない奴は、もれなく転倒してエンジン浸水は免れないところであるので、無理にそこに降りようとせず、地面の乾いているところまで移動する事になりました。
   その向かった先というのが、朝、がんトック兄としいなさん達見つけた地点。自分がビビってよう降りなかった急斜面のところです。ところが、皆さんドンドンと腰を引きつつ斜面を下って降りていかれる。がんトック兄は「大丈夫、全然簡単」と宣うが、さっきの斜面と違って、今度のところは、ブロックの縁がボコボコしてて、うっかり前輪を取られたら、真っ逆さまに落ちてしまいそう。しかし、そうかと言って、他のみなさんは降りているので、自分だけ上にいる、という訳にもいきません。勇気を出して下ろうとしたら、斜面に対して斜めにアプローチしてしまって、前輪が斜面に落ちかけのところで急停止。ニッチもサッチもいかなくなって、がんトック兄に引っ張り上げてもらい、角度を垂直に直して再チャレンジ。アクセルアイドルでののの〜っと進入してみると、思った以上に速度も出ず、する〜っと下まで下りてしまった。なるほど、「大丈夫、簡単」なのです。食わず嫌いというか、やらずビビリというか、この時から、一見怖そうに見えても、取り敢えずやってみよう、という気になりました。
   しばらく乾いた堰の上をグルグルと走ったあと、次の場所に移動するため、しいな教官殿が走ったのは、さっき下った堤防の斜面。しかも真横に横切ってブッシュをパスするというもの。当然、地面は斜めなだけでなく、ブロックの縁がボコボコしている。ドドーっと走り抜けるしいな教官殿の後ろ姿をみて、思わず首がガクっとなってしまいました。えりにもえって、凸凹のある斜面を横切るとは。。うっかりハンドルを取られたら、下のブッシュに突っ込んで目も当てられない状況になりそうです。しかし、他のみなさんは、スタンディングで器用に突破していきます。その姿を見て、おおよそのコツをつかんで、いよいよ自分が突入しようとしたら、向こうの方でしいな教官殿が大きく腕を振りかぶって、斜面を登って迂回せよ、との指示。いやぁ〜、ガタガタの斜面を横切るのも怖いけど、この急斜面を駆け上がる方がよっぽど怖いと感じたので、1速スタンディングで斜面に突入。ドドーっと一気に突破すると、「おー、来た来た」と教官殿から誉めていただきましたw

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トライアルな人たちの練習光景を見学しながら
姿勢、体重移動、バランスなどの重要性を解説するしいな教官殿



■浅瀬でS字、そして段差越え
   最後に向かったのは、午前中、あつーさんのCRMが水没した地点。ここの浅瀬でまずS字を走り、最後に段差をフロントアップで越えて、あつーさんが水没したところを突破してスタート地点に戻ってくる、というもの。まずはバイクから降りて、実際に走るところを歩いて、どんな風になっているか確かめます。さらに「ハンドルで曲がろうとすると止まる、ステップ過重で車体をコントロールする」等の解説を受けて、チャレンジ。
   上手な人はスタンディングでS字を曲がり、ストーンと段差を越えて行きます。中にはS字の途中でエンストしたり、倒れたり、段差が越えれなくて亀の子になったり、という事もあります。自分はと言えば、S字では1速両足着き、それでもエンストしまくり、段差も最初の内は怖がってよう乗り越えられませんでした。しかし、一度失敗する、あるいは一度曲がりなりに成功すると、何となくコツが掴めた気がして、怖い気持ちが低減して「やるぞ!」という気になり、段差も乗り越えられる様になりました。

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本日の勉強会、終了〜〜〜
皆さん、お疲れ様でしたーーっ



■本日のまとめ
   とにかく、ワタクシ的には内容の濃い一日でした。また、出来ないと思っていた事、怖くてチャレンジ出来なかった事が、一つずつ「出来るかも??」に変わっていき、その度にガッツと「やってみたい」という気持ちが高まっていったのには、自分でも驚きました。
   今日習った事は、ライテク本にはよく載っている(つまり基本的な)テクニックですが、読むのと実際にやるのとでは大違いだという事がよく判りました。例えば、フロントアップで、段差に前輪が当たった衝撃でアクセルを戻しそうになる、つまり前輪は乗り越えれても後輪は乗り越えられなくなるのですが、その衝撃は実際に受けてみない事には判りません。しかし、その衝撃を受けても、その前にステップを踏み込み身体を後ろに引いて、アクセルを一定にしていれば、段差を乗り越えれますし、その要領は実際にやってみて初めて理解できたのでした。
   ただ、こうした事を、本を読みつつ自分一人だけで練習する、というのは、やはり勝手が判らず上手く行かないと思いますし、その前に自分一人で練習しようとは、なかなか思えませんでした。教えてくれる人がいて、一緒に習う人がいてこそ、初めて練習しようという気になるんだな、という事を実感しました。しいな教官殿、そして一緒に勉強会に参加した皆さんに、心から感謝申し上げます。

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勉強会のあと
新装備の「吸盤君」のテストをするがんトック兄
オーロラ輝子仕様です



《特記》アミノバイタル
   この種の練習をすると、必ず肩や胸が筋肉痛になってしまうのですが、それを防止する方法として、アミノ酸のサプリメントを朝・昼・夕と摂っておくと、身体がだるい程度で済む、というアドバイスを受けました。半信半疑だったのですが、ものは試しと前回のベースキャンプEDの時に、コンビニで売っているアミノ酸のサプリメントを飲んでみると、いつもなら4〜5日続く筋肉痛が、2日で収まってしまいました。だったら、ちゃんとしたサプリメントを飲んだらもっと効くだろうと思い、ドラッグぱぱすがポイント8倍サービスをやっている時に、味の素のアミノバイタル・タブレットを購入。飲んでみました。かなり癖のある味で、ラムネの様な形をしていても、薬以外の何者でもないのですが、威力は絶大。本当に身体が怠い程度で、いつもの激烈な筋肉痛は起こりませんでした。
   ちなみに、クエン酸と併用すると、さらに効果絶大だそうです。

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帰りは渋谷だけが集中豪雨でした
最近、こういうの多いですね