前回、猿ヶ島に練習に行った時に、誘ってくれた万治さんから「基本から練習したいんだったら、DRSの個人トレーニングを受けたら」と勧められて、DRSを主催するghostさんに連絡を取って貰ったのでした。そして、さっそく6月26日に受講する事になったのですが、あいにく天気が悪かった上に自分の体調も具合が悪く延期。7月4日に改めて受ける事になったのですが、今度は地区労の事務局長さんのところで、振る舞われたタイ製の「どう控えめに見てもネコ缶の臭いとしか思えない」ツナ缶にあたったのか、痛風になってしまいドタキャン。7月27日のベースキャンプEDに出来るだけ基本を勉強しておく、という計画は危機に直面したのでした。そこであけて翌週、7月11日。ようやく痛風も治まり、バイクにも乗れる様になったので、せめて本番前に一度は受講しておこうと、ようやく猿ヶ島に進出したのでした。

本日2回目の猿ヶ島
道には迷わなかったものの、首都高の渋滞にはまってちょっと遅刻
でも一番乗りでした
■初めて「気力」の折れた日
本日受講したのは、自分と万治さん、そして、もう一人、DENZYさん(ゼンジー北京かと思った)の3人でしたが、開講時にはDENZYさんはまだ到着していなくて、来るまで「軽く」猿ヶ島をクロカンしよう、という事になりました。猿ヶ島の地面は自分が知る中で、相当ハードな部類に入るのですが、まぁ前回一度走った事ですし、それに「軽く」という事だったので、軽くなんだろうな、と思いお二方の後について走り出しました。
ところが、ついて行ってみると、獣道みたいなところだったり、泥道なのに深いワダチがあったり、「え〜、ここ行くの〜(困)」みたいなところのオンパレード。当然のごとく、どうにか突破するのが精一杯。ニュルニュルの粘土の所ではいきなり転けるし、斜面の木の根っこの所では乗り越えられないしで、えらい難儀しました。Mコースと称されるコースに入ると、難易度(というか突破不能度)はさらにベースアップして、いよいよ泣きが入りました。XRに乗ってこれまで、林道とかで怖い思いをした事は何度もありますが、「もう嫌っ」と思った事はありません。でも、この時ばかりはホントにグロッキーでした。物事を知らんというのは、恐ろしいものです。
こんな体たらくですから、先にいくghostさんや万治さんに付いていく、という訳には行かなかった訳ですが、放ったらかしされた訳ではなく、辛抱強く待っていてくれました。Mコースに入ってからは、何度かスタックして動けなくなってしまったのですが、その度に万治さんに助けてもらい、乗り越えられないギャップをghostさんが代わりにXRに乗って越えて貰ったりして(同じバイクでも乗り手が違うと越えれるんだと知った)、ほうほうの体でパドックに帰る事が出来ました。

Mコースを走り終えて、皆さんと歓談中
泥の中に左向きに転けたので
XRの左側が泥だらけ
■やっぱりまずは姿勢から
伸びたゴムみたいにヘニョヘニョになりながらベースに戻ってみると、DENZYさんが到着してました。全員揃ったところで、基礎中の基礎、乗車姿勢の講習を受ける事になりました。丁寧にもレジメを用意してもらい、文字通りghostさんが体を使ってスタンディング、シッティング、それぞれの姿勢への移行、などなどの要領の解説を受けました。ものの本にはこうした事は書いてあって、また読みもする訳ですが、やっぱり読んだだけでは頭に入らず、当然身にも付かない訳で、実地で習うというのは大事な事だなぁ、と感じました。

まずはghostさんが手本
説明の一つ一つが理にかなっていて
判りやすかったです
さて、実際に自分もやってみた訳ですが、これがなかなかどうして、判っているつもりでも実際にやってみると、出来てない。例えば、足の付け根(いわゆる股関節)で上体を倒す、と言われても、やってみると腰を折って倒している。肘は上げてハンドルの上からグリップを「雑巾を絞る時の様に」握る、と言われても、気をつけない限り肘は落ちている。アゴを引けと言われても、言われてみればアゴは上がっている、という風に。内股でタンクを締め付ける「ニーグリップ」というのは要領が判っていますが、内股でタンクを擦る程度に抑える「ニーホールド」というのはピンと来なかったり……。こりゃ、大型二輪の時の様に、基本となる姿勢をバイクの上に跨って、徹底的にやらないと身に付かないなー、と感じました。

自分もやってみる
じっとしてる分には良いが
これで動き出すと姿勢がグダグダに崩れる
続いて、各自のバイクに乗って、1速でゆっくり走りながら、スタンディングからシッティング、またその逆の要領を繰り返し練習しました。静止してるバイクと違って、ゆっくりとはいえ動いている(しかも地面はダート)バイクの上でやる訳ですから、つま先を注意したら肘が下がり、肘を上げたらアゴが上がり、という具合でなかなか上手くいきません。立ち上がる時は、バーパットまで上体を足の付け根を軸に前傾して、足が伸びきらない程度まで伸ばし、それから上体を起こす訳ですが、どうもこの時、肘はいい加減になっていた様ですし、膝はというと伸ばしているつもりでもかなり曲がっていた様です。また、身体が前後にグラグラ動いていた様です。(ハンドルが低いのでは?という指摘がありました)
シッティングからスタンディングに移る途中
動作にメリハリが全然無い
あと、ケツがデカイ
■加速、減速、コーナーリング
小休止の後、シッティングでの加速と減速の姿勢の要領を坂を使って練習しました。加速(登り)では姿勢を前傾に、減速(下り)では後傾にせよ、との事でしたので、言われた通りにやろうとした訳ですが、この坂というのが結構石ゴロゴロの坂で、転けたらかなり痛そうです。だもんで、転けない様に冷や冷やしながら加速し、また減速しました。でも、実際やってみると、言われた通りにやれば何のかんので加速は出来るし、またちゃんと減速できました。
動画で見てると、それっぽく登り降りしてるんですが
実は転けたら痛いなー、と
怖々やってました
お次はコーナーリングの練習。またも1速でゆっくり走りながら、ケツをシートの上で右へ左へ乗せ替えしつつ、曲がる方向に身体を向けて曲がろうとする訳ですが、ghostさんの前を通りがかる度に、「アゴが上がってる」「首が曲がる方向に向いている」「車体がバンクしてない」と指摘されます。曲がっているのは、ハンドルで曲がっている訳で、これでは教わった通りの曲がり方ではありません。首が曲がる方向を向いてしまうのは、どうも大型二輪の時に「視線を出口に向けよ」というのが癖になっているからの様です。旋回半径が狭くなると、視線はもはやテールランプを見るくらいになるのですが、今回の講習では、アゴは引いて上目遣いをする事になってます。当然、これでは出口は見れない訳ですが、身体を回る方向に向ける事で視線を変える、という訳です。が、頭で判っているほどに身体の方は判ってないし、実のところ、頭の方でも判ってなかったのかもしれません。
一通り練習したあと、ghostさんが携帯で撮った動画を見てみると、なるほど、車体は全然バンクしていませんでした。乗っている最中は判らないものですが、こうやって第三者的な目で見ると、欠点が如実に判って勉強になります。
まったくバンクしてない車体
身体だけが斜めに傾いでいます
■ヘルメットがなかったら即死だった(by シャア・アズナブル)
そろそろ陽も暮れてきた、という事で、今日の講習もそろそろおしまい。シメにMコースを1周して終わりにしましょう、という事になりました。Mコースと聞いて、一等最初に泣き入った事を思い出し、少々ブルーになったのは確かなのですが、まぁ、ともかく今日はこれで最後な訳ですし、一度は突破したんですから何とかなるわい、と一番後からついていきました。
ところが、最初に走った(というかのたうってた)時は、ほぼ1速でクラッチ握りっぱなしだったのに、二度目は所々2速で走れる様になり、足もあまり着かない。出来ん出来んと言いつつも、一日教練を受けたらこんなに違うかなー、と少々関心しつつ、DENZYさんの後をついて行きました。こうなってくると、険しい道も少々楽しいもんです。
そうこうしている内に、初回自力で突破できなくて、ghostさんにXRに乗って貰った小高い土塁に行き当たりました。DENZYさんも突破できなかった様で、立ち止まっています。自分も一瞬どうしようか迷った訳ですが、ダメで元々。勢い付けて突入してみました。が、案の定、乗り越えられずエンスト。フロントブレーキを掛けてもズルズルと後ろ向きに滑っていきます。そして車体が右に倒れ込み、「あーアカン、転けるわ」と思いつつ背中から地面に落ちた次の瞬間、「ゴーンッ」と後頭部を思いっきりバットでぶん殴られた感じがして、脳みそがひっくり返りました。続けざまに、江戸川の花火大会みたいに目から火花が飛び散り、頭も目もクラクラに。どうやらデカイ岩に頭をぶつけたらしいです。DENZYさんが何か言ってるのが判るのですが、何言ってるか、気にもなりません。意識はあるんですが、起き上がれないって感じです。続いて、頭が締め付けられる様に痛くなってきて、気持ち悪くなりました。やばいなー、と思いつつひっくり返ってると、誰かがバイクを起こしてくれました。それでようやく立ち上がった訳ですが、たにし大先生の根性メーターは急降下。それまで初回に比べて当社比25%増しのやる気が、一気に萎んでしまいました。その後、グダグダのズルズルになり、人手に助けられながらようやくベースに帰還しました。

パドックに戻ってきてからも、頭がクラクラしてました
ファーストエイドキットに入ってるセデス飲んだら
ちょっとマシになりました
あとで聞いたところによると、倒れ込んだその先に、DENZYさんのピカピカ新車のブラジルホンダ・CFR230Fがあって、自分の頭がエンジン目がけて落ちてきたとの事。ぶつけた自分はメッチャ痛かったのですが、有り体にいえば自分からぶつかっていった訳ですから、悪い事したな、と(その時はそんな事思う余裕もなく、ウチに着いてから)感じました。そんな具合で、最後の最後にアクシデントがあった訳ですが、最後はghostさんの洗車機をお借りしてざっと泥を落とし、空気入れも借りてタイヤに空気を満たして、月夜となった猿ヶ島をあとにしました。

水は川のを使い放題
ちょこっと金魚っぽいにおいになるけど
タダなんで文句無しです
■今日のまとめ
オフ車での基本姿勢を学ぶ事が出来たのは、とても良かったと思います。やっぱり何が大事といっても、基本姿勢です。これがなってないと、タダ単に跨っているだけ、というのは大型二輪の時にも実感した事です。もちろん、今日はその「型」を習っただけであって、その「型」が身についた訳ではありません。繰り返し練習しない限り、絶対に身に付きはしないのは、やはり大型二輪の時と同様です。
しかし、この大型二輪の時の癖が、案外オフ車の乗り方では邪魔になってるなー、と感じたのも確かです。所変われば品変わると同じ様に、バイクが異なれば乗り方も変わって当然な訳ですから、一旦頭と身体をリセットして、素の状態で一から勉強しなおす、という気構えが大事だな、と改めて感じました。
始めと終わりにMコースなるキッツイ所を走った訳ですが、走っている時は、正直しんどかったです。楽しいか楽しくないか、という話しになれば、「その瞬間は」とてもじゃないが楽しいとは言い難かったのが本音でした。でも、大事な事は、ツーリングに来てるんじゃなくて、教練に来てるんだ、という事です。自分に出来る楽な事ばかりやっていたのでは訓練にはなりません。恐らく、自分一人だったら、自分からああいう所に入っていこうとはしなかったでしょう。ツーリングならそれで済む訳ですが、レースの場合は指定された場所を走らなければならない訳で、行ってみてビックリ突破不可能、みたいな事はままあると思います。
訓練段階でキツイ目、エライ目にどれだけ遭っているかが、即練度に繋がるというのは、部隊時代にも実感していた事です。そう考えれば、教えてくれる人や助けてくれる人がいて、大変な所を走る機会が設けられた今回のトレーニングは、やっぱり参加して正解であったと思っています。
-----評価・反省-----
*キャメルバッグ
実をいうと、新しく新調したキャメルバッグ(スコーピオン)を担いだのは、今回が初めてでした。チェストプロテクターの上から担いだのですが、これがちょっと具合良くなかった。というのは、キャメルバッグの肩のストラップの片方が、首とチェストプロテクターの肩の装甲の間にはまり、もう片方のストラップは装甲の上の乗っかる、つまり全体的にチェストプロテクターが左右どっちかにずれてしまい、着心地も悪ければ、転けた時の防御にも心配、という具合だったのです。
チェストプロテクターの外に担ぐのであれば、いっそ、アンボトルを買い直して、プロテクターの背中の装甲にくっつけてしまう、というのが良いのかもしれません。もっとも、買い直すだけのお金が今のところはないので、逆転の発想で、キャメルバッグを背負ってから、その上からチェストプロテクターを着けて対処しようかと思ってます。実際、そうしてる人もいるそうですし。
*チェストプロテクター
上で書いた様に、走っている内に肩がずれてしまう難点がある事を見つけた訳ですが、それでも無いよりは全然良くて、最後に転けて頭をぶつけた時、地面は石がゴロゴロしていた所でしたが、背中は装甲があったので痛くはありませんでした。問題は側面の装甲が全然ない事、そして肩がずれる事、つまり、横向きに倒れた時、肩などを強打したら危なそうです。むしろ、インナープロテクターの方が良いのかもしれません。
*アイリスオーヤマ:密閉RV BOXカギ付406
改めて装備紹介で触れますが、思った以上に便利でした。何が便利と言っても、座れる事、雨が降っても気にならない事、開け閉めが楽で中身を取り出したり探したりし易い事です。その反面で、容量が意外と少ない事(ヒップバッグが収納できない)、フタが簡単に取れてしまう事、といった不具合もあります。
フタにフックを増設して、チェストプロテクターをネットで縛着して輸送しましたが、何ら問題がありませんでした。もっとも、その状態でフタを思いっきり開けると、重みでフタが壊れそうなので取扱注意です。
コメント
コメント一覧
僕も教えてもらいたいでつ。
次はいつですか?
参加したいです。
言われた事がキチンと出来れば、もっと楽しくなるでしょう
自分は、次行けるのは8月に入ってからになると思います。
土日出勤が多いので、平日になるなぁ。。
でも、平日の方が人が少なくて良いそうです。
のっちさんは、教える側じゃないですかね
最近アタック系ばかりなので基本的なスキルをおせーて頂きたいです。
ぶっちゃけまだダブアールに乗れてない気が(^^;)
猿ってみたいしよろしくです!
やいり君も一緒に来れれば良いんだけどね〜
彼んちから近いと思いますよ
場合がありますのでその時は延期でお願いしますm(_ _)m
普通の人は、平日は仕事してますもんねー
猿ヶ島は逃げも沈没もしないと思うんで、
気長に行きましょう
また痛風でエライ事になってます
こないだの教練は、丁度、端境に行けたんですねー
ラッキーでした
レポートでは何やかんや書いてますが、
基本を学べるチャンスですんで、
是非是非ご参加を
次行く時は、お誘いしますよん〜
詳細はこちらを、、
http://www.geocities.jp/zg42/