先月5月5日の富士ヶ嶺練習以来、みつかった不都合を改修し、必要と思われる装備を買い揃えてきた訳ですが、一番不足しかつ必要なのは、練習でした。折しも7月下旬に富士ヶ嶺でエンデューロレースが催されるとの情報に接し、それに参加しようとするならば、出来る限り練習しておく必要があろうと考え、今回の自主トレと相成りました。
実のところ、基礎らしい基礎が出来てないのに、練習もへったくれもないのは、大型二輪の練習でイヤというほど実感した訳ですが、さりとて、またも「モトクロスごっこ」というのも何なので、思い切って自バイで練習に踏み切った、という経緯があります。そのせいか、練習する必要は感じるし、またやりたいとも思う訳ですが、その反面、なかなか腰が上がらなかった、というのが実際のところでした。
キャリアとナンバーを外して
ライト類にテープ貼って、準備完了
■泥で決心
今年の入梅は例年よりも早いとの事で、5月下旬から雨の日が多くなっていました。本来なら、この練習も5日に行って、6日は整備と休息にあてる予定だったのですが、5日は降ったり止んだりのうっとうしい天気で、ようやく6日に晴れた訳です。
晴れたからには行かない訳にいかないのですが、よほど緊張していたのでしょうか、首都高の板橋JCTを越えた辺りから、下腹がシクシクと痛くなってきました。日頃、ダイエットしているせいか、放っておけば1週間でも10日でも糞詰まりになる癖に、こういう時だけは腹が痛くなるから、頭に来ます。まぁ、今までは誰かし一緒にいてくれる人がいましたが、今回は初めての「一人だけ」の練習ですから、不安大だった訳です。もっとも、お腹急降下という風でもなかったので(そうだとしたら、エライ困った)、与野で高速を降りて、オフロードヴィレッジに向かう途中のコンビニで買い物するついでに処理いたしました。
そうやって、入間大橋までやってきたのですが、橋の上から河川敷のコースを見てみると、遠目から見ても判るほど、コースのいたる所に水たまりが出来、ピカピカと光っています。転ければ漏れなくドロドロになってしまうのは必定です。ここで、決意が相当にぐらつきました。いくらエンデューロやモトクロスでは泥んこになるのが当たり前といえども、たった一人で臨む自主トレ初日にそれでは、気が殺がれるというものです。
ウエストポイントのクラブハウスの前を通り過ぎ、トロトロと河岸道を新上江橋まで走っていきました。「このまま、ツーリングに切り替えようか?」と思ってふと、河川敷を見てみると、だだっ広い空き地が見えました。所々、水たまりになっています。「せっかくここまで来たから、ちょっと入ってみるか」と進入してみると、これがヌタヌタドロドロの田んぼみたいな地面で、あっという間にグレート・ストライカーの足回りは泥だらけ。「これやったら、泥まみれになる前に行きゃ良かったわ」れで決意が決まり、クラブハウスに引き返しました。
本日の出で立ち
前回、モトクロスごっこに参加した時よりも
はるかに“それっぽい”格好になりました
■気が付く事がちらほら
クラブハウスで受け付けして、コースへ。前回来た時は日曜日という事もあって、コース脇の駐車スペースにはトランポが何台も止まっていたのですが、今回はガラッガラ。もっとも、これを狙って平日に来た訳です。
コースにいた係のおじさんに挨拶して、早速準備開始。予め練習していた通り、キャリアとナンバープレートとミラーを外し、プロテクターを付けて準備完了。そういえば、サイドスタンドは自転車のチューブで固定する、という事で、その固定方法はコースの係の人に聞いて下さい、との事だった。で、聞いてみると、スタンドが降りてこない様にタンデムステップの辺りでチューブを巻き付けて下さい、と言われた。なるほど。しかし、その後、どうやってバイクを立てておくのだろうか。どうしようもないので、モトクロッサー用の三角のスタンドを借りるが、アスクルシャフトに入らない。。そこでリフトスタンドを借りてくるが、今度は車高が低くてリフトをバイクの下に潜り込ませられない。。結局、リフトスタンドの上にもたれ掛からせる様にして立てたが、モタモタしている間に、案の定、ばったり転けてしまった。始める前から鬱である。
しかも、そんな事をしている間に、お昼用に買っておいたおにぎり2個とタマゴサンドが無くなっていた。バッグの中を探すが見あたらない。盗むにしたって、人間がほとんどいない。そこで気が付いたのが、カラス。前回来た時は、人の方が多かったので気が付かなかったが、改めてよく見ると、木の上に巣なんか作って子育てまでやっている。頭に来たが、油断したこっちが悪い。道理で、コースの係のおじさんがエアガンのデザートイーグルを持っていた訳です。
ちょこーっと走っただけで、ご覧の有様
車体が重くなったのが感じられます
足の方もご覧の通り
もっとも、バイクは転かしても
自分は転けなかったので、身体の方はキレイなもんでした(汗
■練習開始
さて、まずはウォーミングアップという事で、初心者コースに向かいましたが、入っていきなり泥で「ズルっ」とリアが滑ってしまい、かなりビビってしまいました。しかも、至る所、水たまり&泥沼。こりゃ〜イカン!という事で、ほうほうの体でコースから出て、となりの空き地でブレーキターンの練習をする事にしました。
ブレーキターンは、前回の富士ヶ嶺の練習の時に要領を習い、その後も本やネットで詳しい方法を勉強したのですが、頭に入っているつもりでも、実際にやるとなるとなかなか難しいものです。どうもリアをロックさせるのが早いらしく、ターンの途中で止まってしまうか、あるいはトロトロと反転する、という感じで、今ひとつ上手くいきません。それでも繰り返し同じ動作をやっているウチに、リアをロックさせて滑らす感覚はつかめてきました。が、慣れた頃にガシャリと立ちゴケ。ピボットレバーを採用したお陰で、レバーが折れたり曲がったりする事はありませんでしたが、クラッチレバーのブラケットが上向きにずれてしまい、仕方なくピットイン。8mmのコンビレンチは常備しておくもんだ、と思いました。
ブラケットを下向きに直した後、せっかくガラガラのコースなんだから、とモトクロスごっこで走ったAコースの方に入ってみました。ところが、入った途端に、ヌッタヌタのズルズル。それでもナニクソ精神で突入を図りましたが、「あ、あかん。あかんわ、出れん様になるわっ!」と途中でUターン。スゴスゴと撤退しました。タイヤを見てみると、前も後ろも泥だらけ。もともと少なかった山ですが、溝は全部泥で埋まり、これではマディは突破不可能です。仕方なく、また元の空き地に戻り、ブレーキターンの練習をしました。
Bコースを走る他のお客さん
XLRなのにスイスイ
自分とは腕が格段に違うみたいです
■他人様のご恩に感激
さて、お昼になった訳ですが、自分はコンビニで買った糧秣をカラスに持って行かれましたので、お昼は水しかありません。まぁ、水まで持って行かれたら泣いて帰るところでしたが、さすがにオフロードヴィレッジのカラスは、そこまで人(鳥?)が悪くない様です。
まぁ、幸いにあまり腹も減ってなかったので、昼抜きでもエエわ、と思っていたその時、となりのお客さんが「良かったら日陰に入りませんか?」と木陰のテーブルに誘ってくれました。確かにカンカン照りで結構暑かったので、お言葉に甘えてお仲間に入れて貰いました。すると、今度はおにぎりやミスドのドーナツまですすめて下さる。最初はちょっと戸惑ったものの、お断りしてはかえって申し訳ないので、有り難く頂戴する事にしました。
お二方と楽しく歓談したあと、「せっかくだから、Bコースも走られては?」と勧められたので、勇躍Bコースへ。このコースは、モトクロスごっこの時は、もっともっと上手な人たちがピョンピョン跳びはねていたコースで、自分はとてもじゃないが入り込めなかったものです。しかし、今日はほとんど貸し切り状態ですから、転けようがどうしようが大して迷惑かからないはずです。それに、飛び跳ねないまでも自分も走ってみたくもありました。ところが、こっちもAコースに負けず劣らずドロドロ。コースに入った途端、タイヤは前後とも泥の固まりになり、テーブルの坂を登ろうにも、上がりきる直前でリアが空回りして動かない。止まってしまうとブレーキを掛けてても、ズルズルと落ちてしまう。また登ろうとすると、フラフラとリアが流れてしまう。「あー、この場面、モスクワ直前で冬将軍にやられたドイツ軍のトラックみたいやなー」とか思いながら、やっとの事でテーブルをズルズルと乗り越えたものの、それ以上は無理と判断。コースアウトして離脱しようとしたのですが、コースの外はカッチカチの泥沼。ワダチにはまり込んで、押しても引いても抜け出せない状態になってしまいました。挙げ句、バイクは横倒し。ニッチもサッチもいかなくなってしまいました。
結局、先ほどおにぎりとパイを振る舞って下さったお二方に手伝って貰って(というか、ほとんどやって貰って)、ようやくコースの外に脱出。オフ車乗りの団結と連帯の厚さに、涙が出る思いでした。
オフビの空を制するカラス
鈍くさい人はつつかれるそうです
ウエストポイント社長の福本さんに頂いたバナナワッフル
オフ車乗りの団結と連帯を強く感じました
(有り難うありました!)
■自主耐久練習
Aコースもダメ、Bコースもダメ、となると今日は何しに来たんや、とも思えるのですが、ノーマルタイヤで、かつ鈍臭い訳ですから、走れなくても仕方ありません。だったら、やれる事をやればよろしい。そこで初心者コースを走る事にしました。
ここも午前中、一度突入して脱出した訳ですが、初心者コースだけにAやBに比べれば、まだしも走りやすい。そこで、取り敢えず自分がどの程度走っていられるか、チャレンジしてみる事にしました。エンデューロレースというのは、初心者向けの45分くらいのから、3時間、6時間、12時間と延々走り続けるレースです。ところが自分は、ものの5分も走ったら休憩したくなる困ったちゃんなので、この点を解決しない事にはレースに出るもへったくれもない訳です。
取り敢えず気をつけたのは、ヘタクソでもゆっくりでも良いから、決まった時間走る事。あと、なるべく転けない事。というのは、転けると痛いか痛くないかはともかく、起こすのに時間と体力を消費してしまうからです。従って、怖い事とか危ない事は禁止です。まぁ、そういうのは出来るだけのテクも根性もないので大丈夫でしょう。
まず最初は10分間。やってみて判ったのは、コースが小さいせいか、かなり回ったなーと思っても3分くらいしか経ってない事が多い事。そして、意外と自分が飽きっぽい事。まぁ、一人で同じところをグルグル回っている訳ですから、飽きるのも判らないでもないです。もっとも、高速道路を走ってる時みたいに眠くなったりはしませんが。
休憩をはさんで、もう一度チャレンジ。今度は20分。最初は怖々だったのが、多少は慣れてきたのか、わずかながらもラインを読んだり、多少はアクセルを開け気味にしたり。頑張って30分までやろうかと思いましたが、帰りも高速飛ばして帰らなければならないので、予定通り20分で終了。まだ1400時過ぎでしたが、撤収する事にしました。
初心者コースと言えども
グチャグチャには変わりなかったので
それなりに練習になったかな、、と思いたい
■今日のところはこの辺で…
こんな具合で、今回の自主トレは初めての泥に悪戦苦闘して、練習らしい練習になりませんでした。まぁ、9000km以上走ったノーマルタイヤで、マディを走ろうという考えが如何に無謀であるかを思い知れたのは、ケガの功名かもしれません。レースの前にタイヤを履き替える人が多いのは、それなりに理由のある事でした。
しかし、あの種の泥を突破できない様では、レースに出るのはまだまだ先かなー、という気がしたのも事実です。7月下旬の富士ヶ嶺のレースは、時期尚早かもしれません。何と言っても、まず自走で現地に駆けつける距離が半端でない。その上、1時間半もレースで苦闘して、さらに帰ってくるとなると、今の自分にはちょ〜〜っと荷が重いかもしれません。7月、8月と練習を継続して、9月頃からデビューとした方が、「楽しんで」レースに出るかも、と考える様になりました。
こういう具合で、今回の練習は「楽しい」というのからはほど遠かったのですが、それでもやったらやっただけの事はあって、テクニックだけじゃなくて、現地で必要な物や注意事項なども含めて、それなりに勉強できた訳です。この種の練習は大事だな、と改めて感じました。
これが初心者コース
ほとんどが泥沼でした(爆)
もっとも、バイクを転かしても壊れなかったので
その意味では助かりました
------評価と反省------
*車体について
今回も何度となくバイクを転かした訳ですが、不幸中の幸いで地面は大抵が泥でしたから、汚れはしてもダメージはあまりありませんでした。しかも、前回の富士ヶ嶺練習の教訓を活かして、可倒式のピボットレバーと純正のナックルガードに換えていたので、なおの事でした。このナックルガードは、当初は転けたら一発で破損かな、と思っていたのですが、意外にしなやかで、へしゃげはしても起こせば元通りになる優れものでした。実は、見栄えが今ひとつなので、ZETAのインパクトハンドガードを買ってあるのですが、しばらく様子を見たいと思います。
本文にも書いた様に、本格的なマディにあっては、ノーマルのタイヤではどうにも処置無しである事がよく判りました。本来ならば、競技用のタイヤを履かせるべきなのでしょうが、自走組としては行き帰りの一般道の事も考えなければならないので、公道も走れる物を選ばねばなりません。まもなく履き替えの時期でもあるのですが、場合によっては、レースの時は新品もしくはそれに近い物に履き替える(レースの後は、お古に履き替え直す)といった事も検討した方が良いかもしれません。
*保安部品の措置
今回、保安部品の措置は、ミラーを両方はずして、ミラーのボルトの穴をビニールテープで塞ぎ(泥等入らない様にするため)、ウインカー、ヘッドライト、テールランプにはビニールテープでバッテンしただけですが、大きな破損も故障もなかったため、取り敢えず措置としては十分でした。ただ、ウインカーはやはり小型化して、フロントはステーを内側に引っ込める加工をした方が、より抗堪性が高められると思います。ヘッドライトのバッテンは、今回、いきなりライトレンズにビニールテープを貼った訳ですが、後で剥がしてみると、熱と泥水で糊が溶けて、レンズに付いていました。紙か何かを被せてから、ビニテをすれば良かったと思います。
サイドスタンドは、初めの内こそ手間取りましたが、最後の方は慣れて、乗る前にチューブを巻く、降りたらチューブを解く、という具合に、バイクから離れる時はスタンドを立てておける様になりました。しかし、レースによってはサイドスタンドを外さねばならないレギュもあるので、その際にはアスクルシャフトに差し込めるトライアングルスタンド持参した方が良い様に感じました。
*その他気が付いた事
練習が終わったあと、備え付けの洗車機でバイクの泥をざっと落としたのですが、当然の事ながら、チェーンのオイルも全部飛ばしてしまう事になります。となると、帰りの一般道はオイルの抜けたチェーンで走る事になってしまい、これはかなり具合の悪い事になりました。まさか切れたりする様な事はないまでも、シャラシャラと耳障りな音を聞きながら、高速道路を飛ばすのは気分の良いものではありません。現地で洗車出来るかどうかはともかく、泥だらけになったり、雨の中走ったりする事を考えたら、チェーンオイルは持参すべきだと思いました。
その他としては、このチェーンオイルやサイドスタンド固定用のゴムチューブ、.キャリア等の外したボルトを入れるケースなど、こうした小物を入れるスタッフバッグ、キャリアやミラーなどを置いておくビニール袋など、そういうのがあれば、物が散らばったり突然の雨で濡れたりする事もないかな、と感じました。今回の練習では、TANAXの防水バッグに物を入れたのですが、それでも時々は口を開けて中の物を漁る(ぶち込む様にしか入れられないので、中身を改める時は文字通り漁る格好になる)時に、濡れてしまいかねないので、そうした装備もあっても良いかな、と思いました。
洗車後のグレート・ストライカー号
まだまだ泥だらけですが
高速道路走る分には構わないかな、と
チェーンがシャラシャラ音出してました
コメント
コメント一覧
侘びしい一人の練習を、とても楽しく有意義なものに出来ました
結局、7月のベースキャンプEDは出場取りやめ、
タイヤを履き替えて、再度、オフヴィの泥に突入して、
練習を積む事にしました
9月28日に、オフヴィでウエストポイントカップがあるので、
それに合わせて訓練を継続します!
一人で行くのは寂しいんで、
良かったら一緒に出ませんか???
バイク、何買われたんですか???
もしかして、レーサー?