エンデューロレースのレギュレーションは大会によって様々で、厳しいものは保安部品からサイドスタンド、リアキャリア、ヘッドライトやメーターなど、あらゆる部品を外してモトクロッサー並にする事を求めるものから、せいぜいミラーとナンバープレートを外して、ライトやランプ類にテーピングする程度で良いものまで、ピンキリです。
   ですので、リアキャリアは必ずしも外す必要はないのですが、自分のはホンダアクセス純正の重いキャリアですし、ワイドキャリアなので転けた時にキャリアでフレームが歪むのを防止するために(キャリアが鉄製なので、可能性がないとは言い切れない)、出来れば取り外した方が良い、と思ってます。
   しかし、トランポがなく自走で現地まで向かわねばならない自分は、装備も輸送する必要がある訳で、その為にはキャリアがあった方が何かと便利です。しかも、このワイドリアキャリアは、サイドカバー側のボルトをデカいカラーを使って固定しており、これを入れるのが大変、つまり外すのはともかく、付けるのは結構面倒なのです。
   付けない方が良いなら、付けなくても荷物の輸送は出来ないものか。あるいは素早く脱着する方法はないのか。それを探る事にしました。



■リアフェンダーの取り外し
   まず試みたのは、リアフェンダーの取り外しの要領。というのは、テールランプ、リアウインカーは、リアフェンダーに乗っかる形で装着されており、もちろんナンバープレートもここに着いています。これらを一気に取り外す事が出来れば、軽量化にもなりますし、もちろん転倒しても壊れる事はありません。競技用のコンペマシンには付いてないパーツですから、外しても差し支えないでしょう。
   当初、取り外しは面倒くさそうに感じたのですが、実際にやってみると、そうでもありませんでした。サイドカバーとリアカウルを外すと、写真の様な状態になるのですが、それでリアフェンダー基部のボルト4本を外し、バッテリーに繋がってるコードを外せば、簡単に取り外しが出来る事が判りました。

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サイドカバー、リアカウルを外したところ
赤矢印のボルトを外せば
リアフェンダーが取り外せる



■キャリア無しでの荷物の搭載

   「野宿ライダー」の寺崎勉さんは、キャリアを使わずリアカウルに直接バッグを載せてしまう搭載方法を採用している訳ですが、それが出来ればキャリアを付け外ししたりする手間が省ける、というもんです。
   早速やってみました。

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これがキャリアの無い状態
すごくスッキリしてて、レーシーなバックビューです



   XRのリアフレームには、荷物を搭載する事を想定してストラップ用のフックが付いています。キャリアに荷物を載せる場合でも、荷物をガッチリ車体に固定するため、この部分にストラップを通して荷物を積んでいます。
   で、やってみた訳ですが、結果としては、あまりキッチリ固定する事は出来ませんでした。ストラップ式の固定方法だった、というのもあるのですが、リアカウルが柔らかく、ストラップを絞るとリアカウルが歪んで、その分が緩む、という感じでした。ショックコードを使えばまた違うのかもしれませんが、基本的に荷物を積む所ではないので、限界がある様に思います。
   仮にリアカウルに荷物を積むのだとしたら、何らかの形でリアカウルを保護してやる必要があるでしょう。バッグが直接カウルに触れた状態で、高速道路などの振動を受ける訳ですから、傷だらけになるのは自明です。まぁ、ボロボロになっても構わない人は気にならないのでしょうが。。

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載せて載らない事ない、という状態
グラグラしていて、少なくとも
ストラップ固定式のバックでは、脱落する可能性がある




■キャリアの急速脱着方法

   キャリアを使った方が良い、という事であれば、そのキャリアを如何に手早く付け外しするか、という事がポイントになります。まず言える事は、外すのは大して手間ではない、という事です。ボルトを緩めて、カラーや座金を無くさない様にすれば良いだけです。また、キャリアを外さない事には、サイドカバーもリアカウルも外せない訳です。
   問題は、キャリアを付ける作業です。恐らく、レースが終わってクタクタになった状態であろうと思われますが、こればっかりはやらない訳に行きません。となれば、出来るだけ楽に付けたい訳です。

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   今までは、まずaのボルト(テールバッグを固定する部分)のボルトをカッチリ留めてからbのボルトを留めようとしていた訳ですが、これだとbの部分のキャリアと車体の幅が狭く、カラーと座金を入れるのが大変でした。
   そこで、aのボルトを仮止めしてキャリアが軽く上下に動く程度にしておきます。そうすれば、キャリアを持ち上げてカラーと座金をはめ込む事が出来るので、楽だと気が付きました。ちなみに、先にbのボルトを入れるのは左側から。というのは、bのボルトを片側入れてしまうと、キャリアの上下の動きが少なくなってカラーが入れにくくなる事、そして左側は地面に下向きになっているので、カラーが落ちやすいからです。右側は空を向いてますので、座金をはめ込んで、カラーをドライバーなどで持ち上げれば、簡単にボルトを入れる事が出来ます。
   この要領でやれば、作業時間は大体5分くらい。しかもストレスはほとんど感じませんでした。それでもポロポロ部品を落とす事が多いので、そっちの方を気をつけねばな、と感じました。(アスファルトの地面ならともかく、下がダートだと見つけるのは不可能に近い)


■改善点
   リアキャリアには、それ用のボルトを使う訳ですが、外した後は、もともと車体に付いていたボルトをはめる必要があります。キャリアに使うボルトを付け直す、というのも手でしょうが、着けたり外したりの行程が多いと、なくしてしまう予感がします。ボルトは予備を若干持って行った方が良いかもしれません。
   テールバッグを固定するボルト(写真のaのボルト)は、車体に元々使ってある物は、5mmの六角レンチを使うボルトですが、リアキャリアのボルトはどうした訳か4mmの六角です。4mmの六角レンチを使うのは、ぱっと見た目、この部分だけですので、キャリアのボルトも5mmを使えれば、4mmの六角レンチを持って行かずに済みます。これは是非とも改善したいポイントです。

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