正直に言いますと、モトクロスやってる人の格好というのは、正直好きになれませんでした。というか、自分なら御免被りたい、と思ってました。「あのチンドン屋みたいな服は何?」「なんであんな『北斗の拳』みたいなガード着けてんの?」てな感じで、とてもじゃないが、あんな格好できない。ましてや、ツーリングの時など絶対にしたくない。あんな格好でコンビニとか食堂入れますか?? 野戦服に編み上げ靴でのしのしコンビニに入ってた癖に、そういう風に思ってた訳です。
   しかし、どういう訳かエンデューロに出てみようという気になり、モトクロスごっこを受講した時に、その場の雰囲気、空気、その場に居た人たちの出で立ちをつぶさに観察して、考え方が改まりました。泥だらけになるレースでは、それなりに“派手”な格好でないと誰が誰やら判らなくなる事、それ以前に、みんなジャージにモトパン姿なのに、自分だけGパンにライディングジャケットではかえって格好悪い事(結婚式や葬式で、自分だけ礼服じゃないシーンを思い出せばよろしい)。ウェアはともかく、プロテクター関係はしっかり着けておかないと、転けた時の怪我が半端でなさそうな事。などなどに気がついた訳です。


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一等最初の頃の出で立ち
続けるかどうか分からなかったので
とにかく安いのを買いました




■何が要るのか?

 エンデューロを目指す前にすでに持っていたのは、ヘルメット(ショウエイ:ホーネット)、ブーツ(ガエルネ:ED-PRO 404)、ゴーグル(スワンズ:RUSH-Advance)でした。その他、バイク用品は持っていますが、エンデューロに使えるのはこの程度でしたので、あとは一から買い揃える事になりました。
   エンデューロに出るに当たって、まず何が要るのか? あれこれ調べてみた訳ですが、ぶっちゃけた話し、モトクロスとさして変わらないみたいです。ウェアとかプロテクターは。エンデューロ用なるジャンルの用品はないみたいです。ですので、必要となるのは、エルボーガードやニーシンガード、ウエストベルト、ジャージにモトパン、といった感じの様です。

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ヘルメットはツーリング用でも差し支えないですが
結局シールド外して使うので
この手のヘルメットになりました

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この種のブーツは買っておいた方が吉
っていうか、無いと危ない


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ED-PROは確かに足首が曲がり易いのですが
かえってプロテクションに自信が持てなくなったので
モトクロスブーツを使う用になりました



■ウエストベルト

 モトクロスごっこに出て少々困ったのは、準備体操で腰を捻ってしまい、そのまま一日走り回ったら、その後一週間、ずっと腰が痛かった事です。あまりに痛いので接骨院行ってやろうと思ったくらいです。
   そんな時に知ったのが、ウエストベルト。何でも、モトクロスやエンデューロは知らず知らずの内に腰や内蔵に負担が掛かるそうで、それを軽減するために着けるのだそうです。そこで、富士ヶ嶺に練習に行った時、一緒に行った友人から借りて着けてみたところ、初めこそは腹巻きみたいで気になったものの、気がついたら全然腰が痛くない。あまりの快適さに、返すのも忘れてそのまま一日着けて走ったくらいです。
   そういえば、20代前半の頃は、ワタクシは腰痛魔王でして、太ってた事もあって始終腰痛で、ギックリ腰にもなったのですが、そういう時に接骨院に行くと、腹に巻くサラシやコルセットを渡されたものです。要するに、この種の物を腰に巻くと、腰の骨がずれず、筋肉の負担も軽くなるのでしょう。
   買って以来、練習の際には必ず着けていますが、効果は抜群。全然、腰が痛くなりません。

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値段は確か6000円くらい
ご婦人用の腰痛コルセットと同じくらいかな?
でも、有ると無いとでは大違い!



■エルボーガード、ニーシンガード、ニーブレース

 林道に走りに行く時は、部隊で使っていたアルタのニーパッドを持って行き、林道に入る前に膝に付けていました。肘の防御はライディングジャケットの肘パットでした。しかし、エンデューロでは転ける時は派手に転けそうですし、転けたら痛いだけでは済まなさそうなので、ちゃんとしたガードを買おうと思いました。
   これらもいろんなメーカーから出ている訳ですが、キドニーベルトがEVSの物になったので、同じEVSにしました。本当はニーブレースってのが欲しかったのですが、メチャメチャ高いので諦めました。もっとも、膝の靱帯を切ったり痛めたりする事も多いとの事で、金には換えられないのですが、そもそもあまりお金がないので、普通のニーシンガードにした訳です。
   ところで、ニーシンガードはモトクロスごっこで初めて着けたのですが、モトパンの下に着けるというのをその時初めて知りました。それもその筈で、膝カップは固定するストラップがなく、カパカパになってますのでパンツで押さえるデザインです。また、素足に着けると擦れてしまうので、ロングソックスを履いてから着けます。
   しかし、このニーシンガード、ただ単に前方からの打ち身からガードするだけの代物で、バイクが滑ってうっかり足を地面に着いて、膝が捩じれて靭帯痛める(これがめっさ痛い。しかも治るのに時間かかる)といった事故には何の約にも立ちません。そこで登場したのがニーブレースですが、高いのから安いのまで、様々あります。値段の違いは着け心地の違いといっても過言でないのですが、安くても良いのでニーブレースの働きをする物を着けた方が良いです。

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エルボーガードは
大体着けてない時に限って肘をぶつけます

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確かに高いのですが
重傷が軽傷になる効果はあるので
ニーブレースをお勧めします




■チェストプロテクター

 モトクロスといえば、このプロテクターがまず頭に浮かびますね。気分はもう、マッドマックス2か北斗の拳です。いや、昔の胸甲騎兵というべきかな? どっちにしても、派手なプロテクターです。確実に言えている事は、レースでなければ必要ない装備であり、普通のツーリングでは使わない、というか恥ずかしくて着けられない装備です。が、肋骨折ったり鎖骨亜脱臼になったりしたくないので、買いました。
   チェストプロテクターも様々な種類があって、胴体の前後しかカバーしてない物、肩にもごついパッドが付いてるもの、ジャージの外に着けるもの、ジャージの下に着込む物、様々です。最近良く見かけるのは、ジャージのデザインを見せる為に下に着込むタイプです。また、なるべく軽装を好む人は肩の装甲が無いタイプをよく使っています。
   自分は肩から地面に落ちてかなり痛い目に遭ってる事と、世紀末覇者っぽい感じが好きなので、ウェアの上から着けるタイプで、ちゃんと肩の装甲もあるタイプを使っています。また、後述するネックサポートも着ける関係で、ネックサポートと同じメーカーのチェストプロテクターにしています。

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自分の場合、胴体もさる事ながら
肩もちゃんとカバーしてるかがポイントになります




■ネックサポート

 ネックサポートの本来の目的は、大ジャンプ飛んで頭から地面に落ちた時に、頸椎を骨折しない為のものです。首の骨折れたら、ライダー生命どころか人間としての生命も終わってしまう可能性もあるので、とても大事な装備です。エンデューロでは大して飛んだり跳ねたりする様な事はないのですが、坂でバク転したり前転したりと、ドタマを打ち付ける可能性が無きにしも有らずなので、自分は着ける様にしています。付けてると何となく安心です。
   このネックサポートも、ピンキリなのですが、値段の差はやはり着け心地の差であると思います。といっても、大きな違いは重さで、それも100gとかの世界で、あとはカーボンなのかプラなのか、そいういった違いです。高いのを着けるに越した事ないのですが、そこまで金持ちでもないので、自分は中くらいのを使っています。

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首が動かしにくい、という意見もありますが
クロスカントリーレベルなら十分な視界が得られます



■ウェア

 モトクロスのウェアって、ケバケバしてチンドン屋みたいで嫌だったのですが、郷に入れば郷に従えとも言いますので、最初は渋々着てたのですが、そのうち慣れました。まぁ、みんなその格好してますしね。
   ただ、ややこしい、目がチカチカするデザインは嫌いなので、出来る限り幾何学的な大人しめのデザインのを選ぶ様にしています。といっても、そうしたデザインのがまた少なくて、買い替えしたくても欲しいのが無い!という事で、滅多に買い替えしてません。
   このウェアに関しても、値段の差は着心地の差なのですが、はっきり言って、高いのの方が着心地も良いし丈夫です。毎年新しいのを買う人なら安いのでも良いと思いますが、早々買い替え出来ない人は、最初にそのメーカーの一番上の奴を買うのをお勧めします。
   あと、単体で見た時は格好良くても、100人もライダーが群れていると、全然目立たないってのもあるので、その辺りもよく考えて選ぶと良いと思います。
  

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元々は黒を着てたのですが
先生から「重苦しくて遅そうに見えるから赤にしろ」
と言われて以来、赤のウェアです

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カッコいいと思ったら
全然目立たなかったの図