山登りやキャンプで使うバーナーは、アウトドアブームが去った今でも色んなタイプのモノが売ってまして、どれがいいかよう判らん訳ですが、まぁ、人の意見を参考にしながら、自分のお気に入りが決まってくるまで、買ってみるってのが一つの手かもしれません。まぁ、無理に買う事もないんですが、この手のモノって、欲しくなるものですし、そうやって買ってる内に、良いのに行き当たったいう感じです。自分の場合。
   自分が買ったバーナーで、まず第一に評価するのが、「ご飯が炊きやすいか」という事です。バーナーは火力が強くなくちゃダメ、という火力至上主義者の人もいるんですが、やっぱり日本人ですので、美味しく炊けたご飯を食べたいんで、弱火も利くバーナーでないと困る訳です。その意味では、自分の買ってきたバーナーは、そもそも始めから火力が弱いか、弱火もしっかり利く奴を買ってます。



■初めて見たストーブは缶入り固型燃料
   生まれて初めて行ったキャンプは、家族で琵琶湖に1週間ほどやったキャンプで、テントがまだ三角テントだったから、かなりトラディッショナルなキャンプだったのだが、印象に残っているのが車でキャンプ場の入り口に差し掛かった時に、親父が「お、こんなとこに薪がぎょーさん捨ててあるやんけ」と言ったのに対して、おかんが「あんた、これ、捨ててあるちゃうて。売りモノちゃうん?」と本気ともボケともつかないやりとりをやっていたのと(関西人では日常的に漫才みたいな会話をしている)、その薪は使わずに(元カミナリ族の親父も子供を作ってからはあまり悪さはしなかったらしい)、缶入り固型燃料で飯盒メシを炊いていた事、これが最初のキャンプの印象でした。そんな訳で、バーナーとかストーブとかコンロとかいう言葉を知る前は、キャンプでは固型燃料でメシを炊くんだ、というのがたにし的スタンダードだった訳です。(関連記事→宴会固形燃料缶入り固形燃料

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使い捨てというところに抵抗がない訳じゃないですが
よく考えたら
ジュースの缶やウーロン茶のペットボトルなんか
ポンポン捨ててるんですよね
もっと安かったら、もっと使うのに


■自分で買った最初のストーブはエスビット
   高校生の時に、MONOマガジンの別冊で「サバイバル・マガジン」というのがあったのですが、そこで紹介されていたのがエスビットでした。オイルサーディンを温めていたのが印象的でした。他にもイワタニプリムスやEPIといったガスバーナーも紹介されていましたが、何と言っても貧乏人ですので、東京出たての頃は手が出ず、やっと買えたのがエスビットだった、という訳です。交通警備の夜勤明けで、四畳半一間のアパートで、パッチモンもシェラカップにエスビットでコーヒー沸かして飲んだのを、今でも覚えています。シェラカップの底についたススは、その頃からティッシュで拭ってました。(関連記事→エスビットえらい!空き缶でコンロ

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とにかく荷物減らしたい時にはもってこい
ドイツ兵が雑嚢に入れて持ち歩いたのも判ります
まぁ、これだけでキャンプやるのは
たしかにつらいとは思いますが…


■さすらいの野宿ライダーになり損ねたアンレイデット・ピークワン
   バイクに乗るようになって、寺崎勉さんの「さすらいの野宿ライダー」に憧れて買ったのが、コールマンのアンレイデッド・ピークワン。レギュラーガソリンも使えるところがミソでした。初めての強力バーナーという事で、最初はおっかなびっくりでしたが、ポンピングだけで使えるので、使いやすいバーナーでした。アルミのケース兼クッカーでメシを炊いて焦げ付かせて、炭になった焦げを落とすのが大変でした。もっとも、肝心なキャンプツーリングにはほとんど行かず、行かないままにサバイバルゲームに復帰してしまい、出番のないまま、会社の先輩にケースごと5000円でドナドナしてしまいました。(もったいない事した)

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使ってる写真も残ってないくらいに使わなかった
性能的には悪い物じゃなかったと思います
要するに、よう使いこなせなかっただけ…




■寒さに打ち勝てIP-2243
   部隊に入って最初に部活で使ったのはエスビットでしたが、あまりにヘタレぶりに二度と使う事はありませんでした。でも、月を追うごとに寒さが増し、温かいカップラーメンが食べたくて買ったのが、イワタニプリムスのIP-2243。電気着火装置付きで、どこでもすぐさまお湯が沸かせて助かりました。確かに、寒い時はガス圧が下がって火力が落ちたり、寒冷地用のカートリッジ使ったりブースター使ったりしても大して改善はされませんでしたが、エスビットの事思えば、大した問題ではありません。今でこそ、カートリッジがどこでも売ってない〜、とちょっと不評ですが、当時はそれが当たり前だったので、買える時に予備も含めまとめ買いしてあったので(確かに、結構な出費になった)、イザの時に困った事はありませんでした。よく空のカートリッジのバルブを外して、貯金箱を作ったものです。液燃バーナーに移行してから、あまり使わなくなり、ヤフオクで売ってしまいましたが、今から思えば残しておけば良かったです。(関連記事→買い直しガス・カートリッジガスバーナーの思い出

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とにかくEPIのバーナー(手前)と
どっちが優れているかで論争が絶えなかったIP-2243
まぁ、バーナーヘッドがデカイので、大きな鍋用だったと思います
なんのかんので一番よく使ってたなぁ


■メンド臭さと古臭さを求めてオプティマス123R
   ガスバーナーは手早くて楽なんですが、慣れてくると、もっと奥深い物が欲しくなってくる。そこで再びガソリンバーナーにチャレンジ。オプティマスの8R と123Rを比べて、より古くさい方を買いました。本当は灯油バーナーにしようかとも思ったんですが、あまりに面倒臭すぎると使わなくなってしまいそうでしたので、これは妥協の買い物でもあったのです。しかし、買って正解。点火は思ったほど難しくないし、ピカールで磨けばピカピカだし、レギュラーガソリン使っても弱火も効くし、いう事なしで今でも使ってます。
しかし、このバーナーは壊れない事を良いことに、最初のウチはいろんな事しました。ニップルをばらして組み方を間違えて、再点火したら消火出来なくなってみたり、ジッポのオイルで使ってみたり(なかなか火が安定しなかったが、使えたからビックリ)、いろいろ楽しませて貰いました。(関連記事→赤ガスで飯炊き結論報告スチールウールスベアライトスノーピークのビニールチューブオプティマス123R復活ぴかぴかオプティマス123Rをクッカーに収納

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ずず黒くくすんだのも良いですが
やっぱり自分はピカピカな方が好きです
作戦に出る前には、ピカールでピカピカにします
ちなみに、SVEAといいうのは
スウェーデンのヴァイキングの事だそうです


■徹底した軽さを求めてトランギアTR-B25
   バックパッキングに興味を持ち、何でも自分の身一つで担がねばならない、となるとバーナーも軽量化したい訳で、最初はケイネン160を使おうと思った訳ですが、、火力は十分あるのは判ったけれど使い捨てと言うのが気に入らない。それでもケチ臭くケイネンの空き缶に燃料用アルコールを入れて使ってみたものの、2回も使えば真っ黒け。そこで使い回しがきくTR-B25を購入。オプティマス123Rに負けない古臭さがお気に入りに。燃料がホワイトガソリンより安く、煤が出ないのですっかり気に入ってしまいました。
専用のゴトクがどれもゴツクて、良いのを探すのが大変だったりした訳ですけど(自作するだけの智恵はあまりなかった)、今となっては純正のゴトクが一番だなぁ、と思っています。(関連記事→結論報告TR-B25の行き場目的と用途チムニー効果アルコール燃料野外プレイトランギア純正五徳

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小さい事は良いことだけど、小さ過ぎてもダメな事に最近気が付いた
結局、純正のゴトクが一番安くて良い
もうちょっと燃料用アルコールが安くなれば
日常生活でも使いたいくらいだ

■軍装品として購入コールマン550B
   米軍は一時期、バーナーの類を液化ガスに切り替えた、という事でしたが、話しによると爆発事故多発だったらしく、ほどなくアーミーがオプティマスのハイカー111Cを採用、マリーンがコールマン550Bを採用します。このコールマン550B、昔はゴロゴロ売ってましたが、その時には国内のラインナップからはなくなっており、ヤフオクで新品を購入。だって、隊がマリーンの軍装を採用していたもので。この種のバーナーは、使いやすいとか燃費がどうとかではなくて、如何に考証として当たってるか、が大事な訳ですが、その点は現用装備でしかもアメリカじゃ、ちゃんと今でも売られてる製品だけに、性能的には一切問題ありませんでした。これが第二次大戦モノだったりすると、皆さんご苦労なさるんですよねw(関連記事→ピークワンM550Bピークワンからガス漏れ

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タンクの所に貼ってあるシールがNSNナンバー
このシールが剥がれてしまうと、途端に民間モデルになってしまう(爆)
コールマン製品にしては珍しく、超弱火が利く
だからアメリカ海兵隊に採用されたのかも??


■やっぱりガスは使い易いイワタニ・カセットガスジュニア
   隊の活動では、コールマン550Bを使おうと思っていた訳ですが、月々の定例会にまで持って行くのはちょっと面倒だったので、再びガスバーナーに着目。ただし、今度は部活で使うのがメインなので、イザという時はコンビニでも補給が可能なカセットガスのバーナーにしました。が、実は、買ったは良いものの、ほとんど現場で使わずじまいで隊が活動停止してしまったので、行き場をなくした状態に(泣)目下、防災用品に組み入れ中です。
ただ、個人的には、カートリッジタイプのガスバーナーの方が好きなんですよねぇ。。(関連記事→イワタニカセットJr.つめかえ君カセットガスの燃費カセットガスを使う

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バーナーヘッドが小さいので、メシを炊く時はたまにずらさないと焦げる
ガス缶が意外と長持ちする
いざとなったらコンビニでもガス缶が買えるが
普段はディスカウントで買った方がお買い得☆

■オーバースペックだったオプティマスNOVA No.82
   いつかはボトル別体型のマルチフェルストーブが欲しいと思っていたので、とうとう手に入れた訳ですが、結論から言うと、自分にはオーバースペック過ぎて、むしろ不具合の方が目立ちました。まず、ポンピングとプレヒートの両方しなければならないのは面倒、毎回コンビツールでバーナーの下を擦らないと上手く点火出来ない、使う時に場所をとって狭いテントの中では使いにくい(基本的には外で使う物ですが)、灯油や軽油・ジェット燃料が使えても自分はガソリンしか使わない、パッキングの際に嵩張り重い事。オプティマス123Rに比較して純粋に優れていると思ったのは、ボトルの圧を抜かない限りは再点火がしやすい事とクッカーの底に煤が付きにくい事くらいで、軽量小型を主眼とする自分にとっては、あまり役に立たなかった、というのが本音です。その様な訳で、実戦配備する前に転売してしまいました。(関連記事→セパレート・バーナーアルコールが使えたらな買う買わないNOVAが届くNOVAを使ってみたNOVA爆発NOVA収納ケース野庭君順調野庭君不調NOVAの使い方何とかNOVAをNOVAドナドナ

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軍隊が採用するだけあって、なかなかの高性能
でも、自分的にはちょっと使い勝手悪かったかなー
という印象が強かったです


■で、結局約に立ったのは?
   では、一体どのバーナーが使い勝手が良かったか、あるいは役に立ったか、という話しになると、結論としては「火力調整の利くガソリンバーナー」という事になります。自分が今まで使った中では、オプティマス123Rとコールマン550Bがそれに当たります。
   ガソリンバーナーというと、やたら火力が強くて、火力調整が利かない、というイメージなのですが、温暖な気候で低地でキャンプする場合ならイザ知らず、寒い時期とか風が強いとかいう条件下では、やはり火力は強くなくては困る訳です。ただし、強いばっかりで調整の利かないのはやはり困りますから、メシが炊ける程度に調整は利いて欲しい訳です。さらに言えば、ホワイトガソリンだけでなくレギュラーガソリンも使えてしまうのが良いのは言うまでもありません。その意味では、オプティマス123R(8Rも一緒)は文句なしに“キング・オブ・ストーブ”だと思う訳です。コールマンはプレヒートしなくて良いのが魅力ですが、やっぱりジェネレータが詰まるのが怖くて(というか、ジェネレータの買い替えがもったいなくて)、レギュラーガソリンは使えない、という認識なのです。