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赤線が往路、青線が復路、紫線は往き帰り。点線は林道

世は春。お花見におデートに、皆さん忙しく春を満喫されていると思うのですが、かくいうワタクシも忙しかった。と言うのも、17年間住んだアパートがとうとう取り壊しになり、引っ越す事になったからです。というのは、前回のレポートでも書いた訳ですが、その後、ツーリング仲間やバイク屋のあんちゃんの協力を得て、無事に引っ越しは完了。雑然とした荷物を片付けまくり、ようやく自分の棲みからしき体制を整えた、という事で、今回の作戦と相成ったのでした。



*作戦準備
本来この日は、ツーリング仲間のやいり君と第二次南房総作戦を行う予定だったのですが、やいり君が急遽、13日に富士ヶ嶺のベースキャンプエンデューロに参戦する事が決まり、自分も引っ越しの後片付けが間に合わない、という事で、キャンセルになったのでした。
しかし、天気は全日快晴。こんな日にツーリングに行かなきゃ罰が当たる、というものです。幸いに、洗濯物や後片付けは、前の日に早めに仕事から帰れて、良い感じに終わっていたので、いそいそと片付けた荷物の中から、作戦用装備を取り出して、小学生の遠足みたいに前の日に準備を済ませました。
今回の作戦は、思いつきという事もあって、なるべく軽装。ただし、林道を走ったあとに撮影を行う、という事で、林道用の装備と撮影の装備を両方用意する事にしました。といっても、大抵の作戦ではこの両方を持って行く訳ですから、特別な事ではありません。
むしろ特別なのは、新しい部屋に移って最初の作戦である、という事です。例えば、マンションの敷地からバイクを引き出す要領、2階の部屋から装備を下まで下ろして搭載する要領、書けば簡単な事でも始めてとなると、段取り悪いものです。今回の作戦は、むしろこうした「最初の出撃」を機会にした演習の様なスタンスで臨みました。
《被服》
  チームウインタージャケット
《撮影機材》
  D70s、newFM2、ベルボン・ネオカルマーニュ643
《林道装備》
  アルタ・ニーパッド、ガエルネED-PRO、スワンズ・RASH-advance
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引っ越したマンションからの始めての出撃
 バイクの出し入れに、まだ難儀してます


*出撃
今回の作戦の主目的は、夕暮れの野島崎の撮影を行う、という事で、あまり早い時間にではなく、昼前に出撃しました。と書けば、さも最初からそのつもりをしてたみたいですが、実際には、朝0500時に起きた時はまだまだ眠くて、0900時に目が覚めた時もやっぱり眠くて、1100時になっていよいよ起き出した、というのが真相です。要するに、ぐーたらしてた訳です。もっとも、野島崎は一度作戦してますので、二度目の作戦では違う時間帯に行きたかった、というのもありました。
準備は前の日に出来ているので、そそくさとメシを食って、XRをマンションの裏の敷地から引き出しました。実はこれが一苦労で、砂利を敷いた裏庭から、段差のある自転車置き場を乗り越え、他の人が駐めてるバイクの間を抜けて、フェンスの狭い出入り口から外に出す、という神経使う作業なのです。明るい時間はまだしも、暗くなってからは本当に大変なのです。が、取り敢えず出発時は昼間なので、上手に出す事が出来ました。

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1351時。鋸南保田ICに到着
ここは去年7月の野島崎作戦の時に
雨に打たれながら東京に戻る時に入ったICです


*前半戦
出撃準備が調ったのは、1226時。今まで夜中に出撃していたのとは打って変わって、昼からの出撃です。これも夕暮れの野島崎を撮影するためで、逆にあまり早い時間に出たのでは時間を持て余す事にもなる訳です。
蔵前橋通りを右折して環七に入り、京葉道路を左折したところで、給油。暫定税率が期限切れとかでガソリンが20円ほど安くなっていたのは有り難いですが、多寡が5リッターくらいしか入りませんでした。補給のあと、いよいよ本チャンの京葉道路に突入。季節は春。いくら飛ばしても寒くない、という事で、時速110kmで一路、館山道鋸南保田を目指します。こんなに飛ばせる様になったのは、体重がめっきり減ったからでもあって、実は去年7月の野島崎作戦よりも16kgも痩せているのです。
休憩も取らずにビンビンと飛ばしまくり、鋸南保田に着いたのは1351時。改めて南房総は近いな、という印象を深めました。鋸南保田の料金所を出て、県道34号線いわゆる長狭街道を東へ進み、横根峠で県道182号線へ左折すると、山中林道の入り口へ向かいます。前回1月に来た時は、入り口を見逃して場志駒の方まで行ってしまいましたが、今回はバッチシ一発で入り口に辿り着きました。桜満開の下で、タイヤの空気圧を落とし、ニーパッドとゴーグルを着けて、いよいよ林道に突入です。

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桜薫る中山林道の入り口
前回来た時は、寒々とした雰囲気ですが
今回はピクニックしたくなる感じでした


ズビズバと山中林道を突破した訳ですが、あちこちに深いワダチがあって、うっかりすると前輪を持って行かれそうになる。実は携帯電話を持ってくるのを忘れていたので、転けてケガしてもバイク壊しても、助けが呼べない状態だったので、慎重に突破していきました。それなりにハードな道ですが、走れれば楽しいものです。そして次の大山林道に行くまでに、やっぱり今回も迷子になってしまい、全然関係ない他の民家に入る事3回(その入り口が、これまた林道っぽい)、番犬に吠えられる事6回、気が付いたら県道88号線に出ていて、ウロウロしている内にやっと大山林道の入り口を見つけて、再突入しました。
この後は、どこまでが大山で、どこからが横尾、高山なのか判らないくらい、連続した林道になります。この間の林道は、やたら水たまりが多く、しかも道全体に広がっているものも少なくなかったのが、前回1月に来た時の状態でした。しかし、今回はここ数日雨が降ってなかった事もあって、水たまりの数も少なく、規模も小さくなっていて、思いっきり突っ込んでもそれほど汚れませんでした。しかし、それでもブーツは派手に濡れますので、予めブーツカバーを履いておくべきでした。

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前回に比べれば、水たまりは少なかったのですが
それでも良い感じに汚れました 帰ったらコイン洗車です


前回1月に走ってから、2ヶ月が過ぎた訳ですが、この間全然林道に行かなかったせいか、前回来た時よりは、心持ち下手くそになった様な気がしました。もしかすると、前回は2人で来たので「もしも」の事があっても相方に助けて貰える安心があったので、多少は無理をしたのかもしれません。今回は一人ですから、怖いと思った時はそれなりの運転の仕方をしたのかもしれません。体重は落ちても技量が上がった訳ではないので、技量を上げる方策をそろそろ考えた方がいいかな、と思いつつ、国道410号線に出ました。

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横尾林道終点付近 この辺りはフラットな道です
が ここに至るまでは、 舌噛みそうなワダチがボコボコあります




*野島崎を目指して
横尾林道から国道410号線に出て、県道34号線を東進するとシーワールドで有名な鴨川に出ます。国道410号線をそのまま南下した方が、野島崎には早く着く訳ですが、日没までまだ時間がありましたので、せっかくですから外房の海を見ながら走る事にしました。
鴨川で国道128号線、すなわち外房黒潮ラインに入ると、左側の視野にはドーンと太平洋が広がっています。道はそれほど混んでなくて、スイスイと流れているので、ちょっと停めて写真撮る、という訳には行きませんでしたが、漁村やサーファーを見ながら走るというのは、なかなかおつなものでした。

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外房の雄大な海 こんな海を
毎日眺めて暮らせたら 気分良いんでしょうね?


そういえば、出撃前に軽く食事して出てきたのですが、林道で体力使ったのか、ちょっと腹減ったなー、という感じでした。ツーリングマップルを見ると、黒潮ライン沿いにも色々名物な店があるのですが、メシを食うには撮影時間が迫っている、という事で、全部横目で見送りながら、先を急ぎました。
千倉町で国道410号線に入る頃には、大分陽も傾いてきて、急がないとチャンスを逃しそうです。ところが、房総フラワーラインに入る頃には、何となしかやる気が出なくなってきてました。まぁ、それでも自分の足で走っている訳ではないので、先へ先へと進んだ訳ですが、どうも腹減った様な減ってない様な不思議な感覚。何だろなーと思いつつ、野島崎に着きました。

*野島崎の昼間の印象
前回、野島崎に来た時は、人っ子一人いない明け方だったので、むしろ神秘的なイメージを漂わせていたのですが、今回はまだ明るい時間です。しかも観光スポットです。若いのから年配の人まで、それなりに人出がありました。こういう人出のあるところでは、人が入ったスナップ写真に近い風景写真を撮る様にしているのですが、ずっと夜明けの時間帯ばかり撮っていたので、夕暮れの写真はまだまだ上手く撮れず、自分でも納得できる出来映えにはなかなかなりません。

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野島崎にいたキジネコ
灯台の職員さんにご飯貰ってるのでしょうか
呼んでもシカトされました(汗


しかし、写真の方もしばらく撮ってなかったので、感性が鈍っていたんじゃないか、と思います。他の人の作品をよく見て、研究をしておかないと、いざ現場に入っても何を撮って良いやらわからん、という事がままあります。今回の作戦では、何となしかそんな感じでした。それでもチャチャーっと50枚ほど撮ったのですが、陽が落ちてくるに従って、元気とやる気が無くなってきます。どうもこれは精神的ハンガーノック状態です。日没まではまだ暫く時間がありましたが、もはやこれまで。何か美味い物食って帰ろう、と1800時、徐々に海に没していく大きな赤い太陽を眺めつつ、野島崎を撤収しました。

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前回と同じ場所で記念撮影
前回より16kg痩せた訳ですが 相変わらずイケてません


*帰還
帰ると決めたら、さっさと帰るのが自分の流儀です。出来れば、まだ陽が残っている内に給油を済ませて、館山道に入りたい、と考えていました。幸い、帰りの房総フラワーラインは全然車も人もいなくて、それこそ自動車道なみに飛ばせました。器用な人なら、海に沈んでいく赤い太陽を、運転しながら撮影するのでしょうが、自分にはまだそのテクがないので、運転に集中しました。
館山で給油したあと、脇目もふらず富浦インターまで走りましたが、その頃にはとっぷり陽は暮れて、館山道は闇の中でした。脇目も振らなかったのは、道の駅・富楽里とみやまで海鮮丼でも食ってやろう、と思っていたからなのです。お土産もそこの方が豊富にあります。富楽里とみやまは、富浦インターから5kmくらいですので、あっという間に着く、はずでした。ところが、富楽里とみやまの1kmほど手前から工事中とかで左車線が制限されていて、ずらりと並んだ矢印の標識に従って走ってたら、富楽里とみやまの入り口を見逃して通りすぎてしまったのです。街灯もない道の事で、入り口が見分けられなかったのです。ぶっちゃけ、ありゃ営業妨害じゃないか、とさえ思える意地悪です。結局、富楽里とみやまを恨めしげに横目で見ながら、時速110kmで通り過ぎる他ありませんでした。
しばらくプンスカ怒っていたのですが、海鮮丼が食えなくなったとなったら、館山道などさっさと走り抜けた方が良いので、一路市原SAをめざし、ダイエットも一時停戦して、ミニかき揚げ丼とかけそばセットに、串シュウマイという贅沢な夕食を摂って、もちろん職場にもお土産確保して、急ぎ帰還。2100時前、新しい我が家に辿り着きました。

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麗しの市原SAで食べたもの
油ベタベタのかき揚げ丼とかけソバ 串シュウマイは外せませんが
ピーナッツソフトが食べれなかったのが残念


*感想
今回の作戦は、当初は中止で、それほど出かけるつもりもなかったのに、前日になって急遽出撃を決めた、という行き当たりばったりなものでした。出撃時間も遅かったのですが、自宅から1時間圏内で南房総に達するという地の利が活きた作戦でした。しかし、思い立ったが吉日で即応して作戦できたのは良かったかな、と思います。
実をいうと、新しく引っ越してきたマンションでは、裏手でバイクを停めている訳ですが、出し入れが大変で、前の様に気軽に出し入れ出来ません。今回も出撃時は昼間だったし、また出す方は楽なので良かったのですが、帰りは真っ暗で、しかも後ろ向きに引っ張るようにして段差を乗り越えて入れなければならなかったので、大変だったり物音が大きく出る様であれば、外に停めて明くる日入れるつもりでした。結局は、大変な思いしつつも裏手にしまう事が出来たので、こういう事も場数を踏んで慣れるしかないな、と感じました。
その意味で、今回の作戦は、作戦そのものとしては目新しいものはなかったのですが、新しい家から出撃する最初の作戦だった、という事で、むしろそっちの方が重要であった様に思っています。

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やっとこマンションの裏手に駐めて、作戦完了 今日もよく走りました



車両:HONDA XR250(MD30 06年式)
走行距離:310.7km
消費燃料:6.44リットル
高速料金:4,300円
燃料代:1,325円
飲食代:1,140円
土産代:1,135円
合計:7,900円